2018年1月30日初版 新潮社
谷崎賞受賞作は各誌に書いた9つの短編を輪になり話聞く流れに乗せて一本化。恐すぎる近未来を生きた者たちのホラーなエピソードの数々に震撼。妄想過剰な話あるが、現代に見え隠れする生きにくさを巧みに描き成功。
森見登美彦 / 太陽と乙女
2017年11月20日初版 新潮社
デビューから14年の決定版エッセイ大全集は書評まで入れ蛇足感も。小説書けずスランプに陥った日々綴ったものが興味深く、京都→東京→奈良と居を変え退職する作者の経歴も見え興奮。台湾誌で連載のコラムも新鮮。
川上未映子 / ウィステリアと三人の女たち
2018年3月30日初版 新潮社
14〜17年発表の4つの短編収録の新作は村上春樹の影響見える表題作出色。空き家の隣家に深夜潜入する女性と、老女の記憶辿る展開鮮やか。田舎の中学校の同窓会に参加する芸能人の心理を大胆に描く冒頭作も興奮。