2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

純情きらり

TV

2006年4月3日〜9月30日8:15 NHK 津島祐子の谷崎賞受賞作を岡崎へ舞台移しドラマ化は、宮崎あおいのヒロイン桜子が大当たり。姉役の寺島しのぶ、井川遥もよく、戦中戦後の姉妹奮闘劇。映画畑中心に池田鉄洋、村杉蝉之助ら小劇場役者も積極起用奏功。(やま)

渡辺源四郎商店 / 背中から四十分

2006年9月30日19:30 こまばアゴラ劇場 東北のホテル舞台に宿泊客=山内健司と訳ありマッサージ師=森内美由紀の基本2人芝居は、ともに自殺望む事情の見せ方したたかに上質仕上げ。期待の再演もありがちテーマで、アクセント弱く退屈感も。新作で勝負を。(…

水性音楽 / 透明の人

2006年9月30日14:00 OFFOFFシアター 急遽決定の解散公演は2時間超で別れ=忘却。期待の松本奈緒大抜擢、ダンス場面はやはり見事。16時半より2日限定「ファントムさん半生」はミニ座長公演で舌回らない細川を村上寿子が絶妙サポートで見事な看板ぶり。(やま…

オリガト・プラスティコ(作:ウディ・アレン 演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ) / 漂う電球

2006年9月28日19:00 本多劇場 Wアレンが45年ブルックリンの4人家族描いたシリアス戯曲もニート&引きこもりと現代風。座長広岡由里子が母親役も多い台詞に初日舌回らず苦戦も熱演でラスト感動。本多連続登場の町田マリーは愛人役面白く輝き。(やま)

ヨーロッパ企画 / ブルーバーズ・ブリーダーズ

2006年9月27日19:30 ザ・スズナリ 待望新作は青い鳥を探す間抜けな人たちのドタバタ劇。「ムーミン」的森の中の舞台に出演者溢れ、ムダ会話で持ち味出すも、のらりくらり進行でさすがにダレた後感。組織絡めた点面白いが、さらなる捻りと事件欲しい。(やま)

小田部雄次 / 華族 近代日本貴族の虚像と実像

2006年3月25日初版 中公新書 明治時代の華族誕生から敗戦直後の廃止まで78年間1011家をめぐる初の本格通史。公・侯・伯・子・男の爵位を巡る暗闘も具体例豊富に紹介され、文句なしの面白さ。資料乏しい朝鮮華族の明暗激しい歴史に触れた点は特筆。(やま)

平成中村座 / 十八代目中村勘三郎襲名披露(本朝廿四孝/口上/身替座禅)

2006年9月25日13:30 同朋高等学校体育館(名古屋市中村区) 400年ぶりの里帰り公演は、前代未聞の体育館での襲名披露。場内に溢れる大量女子高生がTVカメラ独占。口上で挑戦的スケジュール披露。勘太郎&源左衞門欠く苦境も勘三郎の山蔭右京が楽しいお家芸…

珍しいキノコ舞踊団×ジャスティン・カレオ / 3mmくらいズレてる部屋

2006年9月24日16:00 金沢21世紀美術館シアター21 Jカレオ制作の部屋で井出雅子、山田郷美、佐藤昌代、篠崎芽美、伊藤千枝の5人がキノコダンスに魅了。サザン流れてからが圧巻で流石のユニークダンスを展開。舞台が黒壁空間で21美の魅力出せず、要現地撮影映…

チェルフィッチュ / 体と関係のない時間(「Freeing the Mind、抽象再訪」演劇公演)

2006年9月22日19:30 京都芸術センターフリースペース 小山田徹作品上での3人芝居は「抽象」に縛られ台詞分断&シャッフルで難解至極な実験作。会話交換壊す試みいいが物語伝わらず残念。山縣太一の場内雑音に反応する動き楽しい。大谷能生の現音っぽい音響…

イデビアン・クルー / 補欠

2006年9月21日19:30 世田谷パブリックシアター 今年初の本公演は井手出演せず意外にスタイリッシュな印象。繰り返されるオーディションがショービジネスを巧みに象徴し見事。無駄台詞入れて演劇風もコミカルさは後退だが「夜のヒットスタジオ」パロディなど…

つかこうへいゴールデンシアター / 蒲田行進曲〜城崎非情編

2006年9月20日19:00 青山劇場 銀ちゃん錦織一清&ライバル中村屋に佐藤アツヒロで全面ジャニーズ世界で30代女性中心客席へ奉仕。城崎中村屋話新機軸も大抜擢ジャニーズJr. 風間俊介の不似合いなヤス役で冗長な演技が残念。小夏役で黒谷友香は健闘。(やま)

庭劇団ペニノ / アンダーグラウンド

2006年9月19日19:30 ザ・スズナリ ジャズトリオが「枯葉」演奏し黒いOL路線で病院インスタレーション。台詞・筋なしでNs’あおいな看護師7人による開腹手術激烈。吉原朱美以外、安藤玉恵、横畠愛希子ら女優陣はマスク着用贅沢。医師役マメ山田天晴れ。(やま…

中野成樹+フランケンズ / 暖かい氷河期

2006年9月18日14:00 STスポット Cゴルドーニの「二人の主人を一度に持つと」の巧みな誤意訳でさすがはフランケンズ。ベネツィア舞台に2人に仕えることなった召使いによる古典コメディが現代口語使い軽快演出で大成功。松村翔子が面白アクセント。(やま)

砂連尾理+寺田みさこ / I was born

2006年9月17日19:30 こまばアゴラ劇場 松田正隆の戯曲「Jericho」を切れ目見せない8部構成でダンス化。寺田が箱を被って登場し手足の動き強調、チョークの使い方が巧み。バッハらクラシック中心の選曲に何とsim。「0101」流れる時間が2人とも動きよく迫力…

マシュマロウェーブ / HOME

2006年9月17日15:00 シアターグリーン 20周年公演は東京で大地震起き埼玉の家まで歩いて帰る群衆を上手から下手の流れ徹底で表現し成功。川越までの道々のエピソードが可笑しくリアル。小学生役の嶋崎朋子や若きおばあちゃん役小林麻子ら外部役者も輝く。(…

スロウライダー / Maggie

2006年9月16日19:30 駅前劇場 親元追い出されたニートが先輩宅へ転がり込み始まる生活を現実と妄想ダブらせ巧みに描き感覚+上手さも獲得。挿入されるブローティガン小説の虎=右傾化若者と捉えれば見事な現代社会性。妹役の松浦和歌子が新魅力。(やま)

蜻蛉玉 / ヘ音記号の果物

2006年9月16日15:00 テルプシコール 妊婦4人で出産準備教室。妊娠時の不安や性描き抜群の仕上がり。カント=あそこ絵描く場面衝撃的。モモンガ白神振付楽しく自然光も効果。島林愛も梨ぱくつく怪演で染色体検査に悩む神林裕美ら好演でガーリーパワー。(やま…

ゴキブリコンビナート / アンドロゲンレインボー

2006年9月15日20:00 中野光座 頭上の板が落ちてきてモグラ叩き的に客頭だけ出る客席設定に驚愕。漁場、皇室黒田夫婦生活、ブス専と過激ネタ全開でボボジョ貴族ら奮闘も、頭上での動き、うどんやコーラ、醤油降り動揺。生きた鼠蠢くラストに衝撃。(やま)

宮沢章夫 / 演劇は道具だ

2006年4月5日初版 理論社(よりみちパンセ!) 期待の演劇書は基本動作への素朴な疑問にこだわり既存テキストへの批判性抜群。「みる」「すう・はく」「ふれる」「たつ」の意識改革重視、直接演劇に触れず大胆なまで遠回り。具体的劇団名を事例に挙げた書も…

クロムモリブデン / 猿の惑星は地球

2006年9月13日19:30 ザ・ポケット ネタバレ殺人モチーフに、オレオレ詐欺、デスノートら旬テーマ散りばめるも舞台遠くキャスト増で全体散漫。ナンセンスギャグも空振り。近未来SARU描けず難も振込み詐欺の組織化描写は見事。森下亮と高嶋ひとみに存在感。(…

シス・カンパニー(作・演出:青木豪) / 獏のゆりかご

2006年9月12日19:00 紀伊国屋ホール 閉鎖危機の動物園舞台に現実鋭く描く青木の持ち味出た見事な人間ドラマ。バク誕生日の1日をバツイチ職員の杉田かおるに副園長高橋克実と元亭主段田安則が求婚話軸にコメディ風。セルビデオ店員の思考回路も楽しい。(やま…

前田司郎 / 恋愛の解体と北区の滅亡

2006年6月30日初版 講談社 三島賞候補作は宇宙人支配進む現代の東京を舞台に、新宿から五反田をひたすら徘徊する文学。細かな感情を拾い不思議なリアリティ。北区で起きた宇宙人殺害とその報復やSMクラブに入る展開も基本無関心な様が新鮮。(やま)

パパタラフマラ / 僕の青空

2006年9月11日19:30 ザ・スズナリ 小池博史、松島誠、池野拓哉、菊地理恵4人とキャスト絞った新作は無国籍に抽象的な5シーン創造。小道具の使い方巧みにノスタルジックで異国情緒染みた衣装に、松本淳一の音楽よく動きのバランス、配置にもセンス。(やま)

大人計画フェスティバル / 平岩紙の“紙オケ”

2006年9月10日15:45 旧西落合中学校体育館 フェス用結成のブラバンは平岩ホルンに少路勇介サックス、近藤公園、ノゾエ征爾らはえぎわメンバーなど30名で映画音楽を演奏。役者的味付けなく残念も3日前にCDから譜面起こした「ラブラブ♡マンハッタン」感動的。…

大人計画フェスティバル / パネルの“ディスカッション”

2006年9月10日15:00 旧西落合中学校野外ステージ 宮藤官九郎、顔田顔彦、河原雅彦、片桐はいりでパネルディスカッション。公募した悩みをやる気なく語り合うが、池鉄ダウンでクドカンが司会役に回って大人なコメント連発。どう脱げば面白いかのお題に河原の…

大人計画フェスティバル / クイズ☆フェスダス

2006年9月10日13:45 旧西落合中学校野外ステージ 校舎入る列が長蛇状態で池田鉄洋&佐藤貴史司会の大人計画カルトクイズ。観客全員参加も歴史ネタで数絞りステージ上げてから松尾スズキ登場、解答場面での見事なユルいダンス披露。池鉄も細かくネタ拾い頑張…

大人計画フェスティバル / 珍×珍トークショー「ボタ山の二人」(リリー・フランキー×松尾スズキ)

2006年9月10日12:15 旧西落合中学校野外ステージ 炎天下での北九州出身2人のトークは傷痍軍人にボタ山、アグネスラムなど古いネタ満載で思い出話最高。山本圭一にも深く言及。「東京タワー」の作者と脚本、司会頑張った池田鉄洋がオーディション落選と見事な…

五反田団×とうもろこしの会 / 五反田怪団

2006年9月9日19:00 アトリエヘリコプター 廃工場で怪談を聴く共同企画は低コストも細やかな演出で成功。前田と吉田会長ら4人で交互に語る都市伝説。ブックオフや写メ、スタバなど新ツール使った現代の怪談、東邦製作所舞台の創作怪談も見事に充実の3時間。…

枇杷系 / FOOL'S PARADISE

2006年9月9日16:00 吉祥寺シアター 主宰山田せつ子が演出外れ、天野由起子も出演せず、演出グループに加わり出演の尹明希が前面。「ダンスの発明」でのソロ・デュオ・グループの創作実験を発展、いびつ&切実なダンス前進。ラストの3人でのバラバラな群舞が…

「カルカル」プロデュース / うす皮一枚

2006年9月8日19:00 本多劇場 舞台初挑戦の山崎静代と劇団ひとり起用し話題の公演は女性客中心にぎっしり会場埋め超満員。鈴木おさむの拙い演出で散々な展開も、殺人の過去あるしずちゃんが首絞められるクライマックスは場内グズグズで感涙の嵐。(やま)