2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

黒田夏子 / abさんご

2013年1月20日初版 文藝春秋 75歳で芥川受賞作は横書き、ひらがな多用し固有名詞使わない実験小説。15の断章で少女の成長描き、変わる親との関係で味わい。併録「毬」など縦書き3編は60年代発表の少女タミエもの連作で昭和ノスタルジー。

あひるなんちゃら / ギプス不動産

2013年2月28日20:00 駅前劇場 病院舞台に謎の言葉巡り入院患者と見舞客の関係楽しく描き見事。黒岩三佳脱退悲しいが根津茂尚が出ずっぱりの熱演。宮本奈津美が人の頭叩きまくる傍若無人キャラ素敵。バイトリーダーへの降格話も前向き暴走面白い。

柿喰う客 / 女体シェイクスピア 発情ジュリアス・シーザー

2013年2月28日14:00 青山円形劇場 女優のみシェイクスピア企画3弾はシーザーやブルータス登場のローマ史劇。深谷由梨香や荻野友里が凛々しく魅せるシンプル舞台も、ベタな迫力演技多く疲れる展開。毎月公演でアイデア尽きたか目立った工夫なく停滞。

五反田団といわきから来た高校生 / 初恋のジュノベーゼは爪の味

2013年2月24日13:00 アトリエヘリコプター 第4回も怪物襲来設定で学園祭お化け屋敷準備中の高校生たちのしょっぱくも甘酸っぱい恋愛ネタが炸裂。男子2人いい味でバンジーな展開よし。かすみのフリっぷり見事。怪物研究家の娘よなつの歌声&大洗行き楽しい。

ホナガヨウコ×木下美紗都 / 君の知らない転び方

2013年2月22日19:30 こまばアゴラ劇場 音体パフォーマンス公演は架空小説舞台化の試みが奏功。電信柱や郵便受けなど郷愁的仕掛けよく、すれ違う女子2人暮らし表現。ホナガのパントマイムな具象ダンス面白く新味。木下の動き欲しいがポップセンスさすが。

原武史 / レッドアローとスターハウス もうひとつの戦後思想史

2012年9月30日初版 新潮社 西武沿線に多い団地を軸に沿線史を描いて会心。ソ連の団地との類似性は説得力薄くても周辺在住の文化人の顔ぶれ、様々な事件も巧みに盛り込み興味深い仕上がり。赤旗まつりなど学生運動時の共産党の動き方も面白い。

ミクニヤナイハラプロジェクト / 静かな一日

2013年2月17日15:00 吉祥寺シアター 岸田賞受賞第一作は川田希と松永大輔が夫婦演ずる2人芝居。得意の早口セリフと速い動き最高。小さな家が面埋める高橋啓祐の美術と映像鮮やか。机の紙どんどん飛ばす場面と走らせた電車からのカメラ映像投影印象的。

少年王者舘 / ミナレット

2013年2月16日15:00 ザ・スズナリ 夕沈&池田遼ら振付のダンス公演はパスカルズの生演奏付き。ダンス場面中心にバイオリンな音色含めストイックな展開に焦るが、物語交えて盛り返す。舞台から鉛筆がポンポン出てくる場面楽しくお馴染み「終」安心感。

マームとジプシー / あ、ストレンジャー

2013年2月10日14:00 のげシャーレ 3地域ロングラン公演は異邦人を翻案、現代のカラオケ店で働く者をエッジの効いた演出で描いて迫力。バイト仲間同士の距離感含め日常的なリアリティ鮮やかでカタストロフに生々しさ。青柳いづみ演じる女の狂気強烈。

さそうあきら / ミュジコフィリア

2011年7月〜13年1月 双葉社 京都のアート系大学を舞台に現代音楽に直球勝負。メトロや湯浅譲二まで登場しダメ大学生が成長する展開も痛快。腹違い3兄弟の確執、反抗は過剰感でもヒロインの凪が魅力増す展開さすが。大学の仲間も味あり楽しい。

東葛スポーツ / DOGVILLE

2013年2月7日19:30 3331Arts Chiyoda ヒップホップ演劇6回目はフォン・トリアー異色作を大胆サンプリング。全員サングラスで迫力のMCバトル披露し陰惨な復讐劇に味付け。松村翔子の冒頭トークよく佐々木幸子ヒロイン奏功で女優のラップスキルに感嘆。