2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

都市から郊外へ――1930年代の東京

ART

2012年2月11日-4月8日 世田谷文学館 1932年誕生の世田谷区と周辺地域の文化状況を文学、写真、映画、音楽、広告などで多面展示。世田谷に移り住んだ小説家たちの生活ぶりや桑原甲子雄の写真に興奮。百貨店や住宅の広告ポスターも面白く画期的企画。

大人計画 / ウェルカム・ニッポン

2012年3月29日19:00 本多劇場 NYから東京を訪ねるユダヤ人女性をアナンダが演じ新味。2部構成で萬田久子&ケラが語り参加し足立区舞台に北野武オマージュ。マザコン高校教師の阿部サダヲ見事。演劇部で批評性強烈。池津祥子の北朝鮮アナ最高。

黒田育世 / うみの音(こえ)が見える日(POWER OF ART DANCE SERIES VOL.1)

2012年3月27日20:30 スパイラルガーデン 笠井叡振付でソロ企画はAKBヘビロテ流し黒田×笠井で登場し楽しいデュオで開始も本編は神話時代の日本感徹底。制服3人組の朗読隊バックに独舞炸裂。中断時も巧みに構成し、回廊から再登場しモダンダンスで魅了。

THE SHAMPOO HAT / 一丁目ぞめき

2012年3月26日19:00 ザ・スズナリ スーパー営む家の通夜での親族再開描きダメダメ空気感が最高。外を雨が降る中で交わされる下品な会話に抜群のリアリティ。20年ぶり帰郷のダメ兄を赤堀雅秋怪演。調子っぱずれの「白いパラソル」絶妙で岸田賞期待。

佐野眞一 / あんぽん 孫正義伝

2012年1月15日初版 小学館 週刊ポスト連載に加筆の大著は孫正義のルーツに迫る力作。鳥栖での在日の過酷な暮らし、事業欲逞しい父・三憲の強烈キャラ興奮。母方の炭坑労働挿話も強烈。ソフトバンク史は大胆省略も韓国の両家故郷まで訪ね脱帽。

パーマ屋スミレ(作・演出:鄭義信)

2012年3月25日13:00 新国立劇場 小劇場 九州の炭坑町のアリラン峠舞台に在日コリアンのひたむきな暮らし描き出色。CO訴訟など史実絡め3国籍共存する家もリアリティ。ヒロインの南果歩熱演、松重豊ハマリ、残酷な運命、ささやかな夢も叶わぬラスト感涙。

草間彌生、テイ・トウワ、オオルタイチ×珍しいキノコ舞踏団 / 六本木アートナイト2012

2012年3月24日18:15 六本木ヒルズアリーナ 1年ぶり開催は豪華面子揃い大盛況。10mバルーン製新作「ヤヨイちゃん」バックに赤髪で車椅子で草間彌生登場し詩朗読。テイ・トウワのDJも活況。コラボなキノコは若手中心の5人編成で躍動。激しい動き楽しい。

わっしょいハウス / まっすぐ帰る

2012年3月21日19:30 アトリエヘリコプター 宮部純子と椎橋綾那を姉妹役にローティーンな日々を見つめるも説明過多で消化不良。らんま分析や無駄話に魅力あるも笑いどころ滑り気味残念。中盤登場で輝いたのが坊薗初菜演じた探偵女学生で意外なモテキャラ好演。

田中慎弥 / 共喰い

2012年1月30日初版 集英社 芥川賞受賞作は中上健次ばりの地方都市舞台にしたドロドロ人間ドラマ。暴力的で放埓な父親と、その血を意識する主人公の姿を大胆な展開で見せ迫力。併録「第三紀層の魚」は母子家庭の小学生のナイーブな視点鮮やか。

ほうほう堂@小金井のあちこちの窓

2012年3月20日14:00 usream.tv/channel/hohoachikochi 小金井の各所を自転車で移動しのどかな住宅地で踊る2人をスマホで鑑賞。路地のような場所で猫と踊る場面が秀逸。町の興味深いスポット紹介も随所に盛り込み一つ一つ見事だが、通信環境悪かったか途切れ…

モモンガ・コンプレックス / ご多分にもれず、ふつう。

2012年3月18日15:00 STスポット 白神ももこ出演せず3ダンサーでクラシックBGMでコンセプチャルな作風に戸惑い。舞台美術の8人男子の壁アイデア見事も笑い少なく惜しい。ただ、終盤は金髪の臼井梨恵のコミカルセンス炸裂。北川結も躍動し大団円。

山崎洋子 / 横浜の時を旅する ホテルニューグランドの魔法

2011年12月15日初版 春風社 横浜の老舗ホテルを軸に、開港当時から戦前戦後の痕跡を巡って充実の一冊。長期滞在した白系ロシア人女性のエピソード秀逸。降伏文書調印の夜の出来事も驚く。中華街形成や絹の国の痕跡紹介し、知的好奇心くすぐる。

NONFIX / “私”という名のメディア

TV

2012年3月15日2:15 フジテレビ YouTubeやニコ動の人気動画投稿者取材し、制作の裏側の素顔に迫り会心。富士吉田の老舗料亭を手伝い英語料理動画つくるKumigarが圧巻。ポップコーン店員の黒田勇樹も驚き。なあ坊豆腐や蝉丸Pも登場。

Co.山田うん / 季節のない街

2012年3月9日19:30 シアタートラム 山本周五郎作をモチーフの新作は物語性抜群でピナバウシュ風味も醸し完成度高め。中央ステージで衣装ラックな2階建てアパートが開演中移動し見え方変幻。伊藤知奈美ら若手ダンサーも躍動。「第九」ユニゾンに興奮。

山本義隆 / 福島の原発事故をめぐって いくつか学び考えたこと

2011年8月25日初版 みすず書房 写真も図版もない100ページのコンパクトでシンプルなデザインの本ながら内容は攻撃性抜群。岸信介への批判も鋭く、二酸化炭素削減の欺瞞もクリア。世界中の幅広い書籍の引用、科学的な点からの的確な指摘も痛快。

北九州芸術劇場プロデュース(作・演出:柴幸男) / テトラポット

2012年3月3日14:00 あうるすぽっと 北九州に滞在し制作の新作は何故か九州弁で3月11日の津波に沈んだ町を舞台に4兄弟描く鎮魂歌。2時46分で止まった時計、ラストの死者との「ボレロ」合奏が圧巻。王者舘ばりの切れ味鋭い演出も喪失感醸し奏功。