2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

安西水丸 / 東京美女散歩

2015年3月12日初版 講談社 「小説現代」連載の散歩コラムは逝去直前までの44の記録。日本橋から八丈島まで歴史の掘り下げも見事にコンセプト忠実に女性たちの描写がイラスト含め充実。前半驚くほど長距離歩き恋愛エピソード赤裸裸に刺激的。

マームとジプシー / 夜、さよなら 夜が明けないまま、朝 Kと真夜中のほとりで

2016年2月28日13:00 彩の国さいたま芸術劇場小ホール 「蜷の綿」延期も荒縄ジャガー時代の初期作含め3作再構築。前半半端感も「K」部分完成度高く夜と不在のテーマ鮮明。成田亜佑美や吉田聡子織りなすリフレイン強烈。消えた少女巡る残された者の想い浮き上…

あらゐけいいち / 日常

2007年7月-15年12月初版 角川書店 全10巻完結ギャグ漫画は時定高校や東雲研究所舞台に不条理全開で笑いの嵐。ロボ東雲なの中心にゆっこ、みお、まいの高一女子のキャラ強烈で前半冴え。囲碁サッカー部など傍流充実で終盤4コマも活用し実験性抜群。

鉄割アルバトロスケット / 鉄と割

2016年2月26日19:30 ザ・スズナリ ベスト演目集大成の鉄編は大ネタも交えての充実の36演目。古澤裕介の突き抜け演技楽しく奥村勲も名人芸多数披露し満足感たっぷり。マークス雅楽子も芸達者ぶりよし。「悪魔が来たよ」「カルメン」など切れ味最高。

前田司郎 / 口から入って尻から出るならば、口から出る言葉は

2015年5月30日初版 晶文社 東京新聞連載コラム収録のエッセイ集は、演劇への思い、考え方、カメラ愛についての小文、ミニ小説も掲載。震災時の小笠原旅行など旅の記録も面白く、大胆な本音も満載で五反田団の舞台裏も垣間見え興味深い一冊に。

ねもしゅーのおとぎ話 / ファンファーレサーカス

2016年2月13日14:00 新宿FACE プロレス会場に生バンド入れた変形ミュージカルは趣里&蒼波純起用のサーカス一座に紛れ込むファンタジー。物語書き換える試みを根本宗子自ら体現のクライマックス見事だが生バンド難しく全般に世界観構築に苦しみ。

本谷有希子 / 異類婚姻譚

2016年1月20日初版 講談社 ついに芥川賞受賞の表題作は夫に顔が似る妻を生活の細やかな機微拾い大きな成果。何もしない夫が急に唐揚げ料理に凝りだす展開見事。隣人のペット問題見事で山に飼い猫を逃がしに行く状況強烈で最高。他短編3本も。

同じ夢(作・演出:赤堀雅秋)

2016年2月8日19:00 シアタートラム 豪華キャスト揃い赤堀節炸裂。食肉店裏側の緩んだ日常リアルで姿現さない要介護老人も不気味に演出し流石。麻生久美子が抜群の味わい。田中哲司も意外な面白さで店主光石研の純情際立つ。店員赤堀ダメキャラも最高。

宮沢章夫 / 長くなるのでまたにする。

2015年3月20日初版 幻冬舎 最新作は持ち味の笑い満載に「星星峡」連載の単行本化。3本立てのエッセイが32並び改行してオチに繋げる仕掛けは名人芸で何度も吹き出す。11〜13年の文章で京都の大学で教えた頃の挿話多く演劇史的な興味も。

東葛スポーツ / 食道楽

2016年2月2日20:00 神保町SOBO 旭化成本社前会場での新作はSEALDsに影響受けた金町ソープ嬢が結成したユニットがN.W.A.とダブる展開見事。国会前や小保方さん映像もミックスし、佐々木幸子や菊池明明、森本華のラップ楽しく魅力十分。