2024-01-01から1年間の記事一覧

町田康 / 口訳古事記

2023年4月23日初版 講談社古事記を口語訳で挑戦は町田康ワールド全開で大成功。「八岐大蛇」「因幡の白うさぎ」楽しく、「東征」などコテコテの関西弁で大王の戦いもヤクザの抗争のような荒っぽさで興奮。「日本武尊」の凶暴さ、強さが鮮烈。

不適切にもほどがある!

TV

2024年1月26日~3月29日22:00 TBSクドカン&磯山晶新作は阿部サダヲ主演の昭和オヤジのタイムスリップコメディ。深夜番組やアイドルなど86年ネタ満載で楽しい。仲里依紗や河合優実ら実は親族な設定よく、NG行為増えた現代の窮屈さも巧みに表現。

ミクニヤナイハラプロジェクト / 船を待つ

2024年3月24日14:00 吉祥寺シアター現代版ゴドー待つ人々は冒頭からゴドーいる展開で新鮮。笠木泉&渡辺梓のイマっぽく軽妙な会話とダンスな動き面白く、遅れて登場の鈴木将一朗がアクセント。成功収めた移民女性の設定よく照明カッコよく笑いも多め。

村上春樹 / 街とその不確かな壁

2023年4月10日初版 新潮社1980年発表作を大幅改変した第一部に加え二部三部を加えた大作を堪能。会津の民間図書館に職を得る展開に興奮。前館主の子易さんやコーヒー店の女主人、イエローサブマリン少年が登場で充実。壁の街再訪も感動。

赤堀雅秋プロデュース / ボイラーマン

2024年3月14日14:00 本多劇場田中哲司と安達祐実を軸に冬の夜の古マンション脇の階段舞台に不条理な展開。個性的な役者が持ち味発揮のキャラを見せて贅沢。赤堀警官いいが村岡希美や樋口日奈らマンション住人面白く、終盤のゴミ分別シーン圧巻。

ホエイ / クチナシと翁

2024年3月10日14:00 こまばアゴラ劇場5年ぶり新作は持ち味の津軽弁全開の現代劇。高齢化でも青年層に職ない地方都市の現実浮き彫り。微妙な人間関係のヒリヒリ感鋭い。バサマと孫の2役こなした三上晴佳が終焉後のお茶会でもホスピタリティ全開で脱帽。

九段理江 / 東京都同情塔

2024年1月15日初版 新潮社芥川賞受賞作はザハ設計の国立競技場立つ近未来舞台に女性建築家が新宿御苑脇に建てる収容施設巡る物語で異色世界観に驚く。生成AIの批判的引用巧み。千駄ヶ谷周辺描写面白く、男性店員や海外記者に視点変え秀逸。

MONO / 御菓子司 亀屋権太楼

2024年3月6日14:00 ザ・スズナリ老舗和菓子屋の苦闘10年描き新境地。生真面目な新社長で再出発も先代不祥事祟り経営混乱。兄との経営権争いに職人巻き込まれる展開が見事。古株役者安定、カフェ責任者で高橋明日香輝く。被差別問題挿入も鮮やか。

九井諒子 / ダンジョン飯

2015年1月~23年12月初版 KADOKAWA(BEAM/HARTA)全14巻で完結の異色グルメ漫画は冒険するマルシル、センシら4人のキャラ立ちよく大成功。ダンジョンの階層ごとに現れる魔物の変化、終盤投入の猫娘も機能し、料理場面念入りでRPGな世界観に絵心も冴えて感嘆。

お別れホスピタル

TV

2024年2月2日~2月24日22:00 NHK総合沖田×華の漫画ドラマ化は海辺の終末期病棟が舞台で死亡場面連発で重めも主演の岸井ゆきの輝き、内田慈も先輩看護師熱演。木野花、きたろう、筒井真理子、梅舟椎永、黒田大輔、奥田洋平ら小劇場役者多数登場嬉しい。

ばぶれるりぐる / 川にはとうぜんはしがある

2024年2月24日13:00 こまばアゴラ劇場地方の土間舞台に姉の帰郷後の1年描き会心。土佐清水言葉全開で自身も姉役演じた竹田モモコが存在感。絵心ある姪役の鄭梨花も魅力爆発。パン屋とイラスト仕事両立も進路巡り母と伯母の対立からの残酷な結論に驚愕。

天才バカボンのパパなのだ(作:別役実、演出:玉田真也)

2024年2月23日19:00 本多劇場吉本興業と小劇場役者が組んだ不条理喜劇は玉田演出冴え爆笑連続の見事な仕上がり。浅野千鶴ママと市川しんぺーパパがかき回し楽しさ抜群。公衆便所前、電信柱横の仮設署で浦井のりひろ所長と佐々木崇博巡査も健闘。

山本さほ / てつおとよしえ

2023年4月26日初版 新潮社自身の父と母を描く「小説新潮」連載マンガはラジコンなど趣味多く機械オタクな父と心配性で機械オンチの母のキャラ立ちよく、幼少期やデビュー前後の思い出話もよく見事なノスタルジー。持ち味発揮で嬉しい一冊。

侵入者の晩餐

TV

2024年1月3日21:00 日本テレビバカリズム脚本作は菊池凛子&吉田羊&平岩紙による女社長宅潜入のサスペンスコメディ。3人の駄弁が切れ味抜群で、家事代行サービスという仕事の設定が絶妙。白石麻衣、角田晃広、池松亮ら脇役陣も充実の仕事ぶり。