2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

青年団若手自主企画(演出:岩井秀人) / おいでおいでぷす

2008年4月29日14:30 アトリエ春風舎 オイディプス王をキャンプ場へ強引に置き換え松井周奮闘の現代小組織混乱劇。スクリーンであらすじ見せシンクロ図りムリ筋で笑い。メンバー女性が実は母親、過去エピソード突入で破綻し挑戦的姿勢ばかり目立つ展開。

池松江美 / 男性不信

2008年3月24日初版 太田出版 「hon・nin」連載の半自伝的小説は、男は全員強姦魔との妄想膨らます展開が強烈。小説的手法にこだわらず、幼少時からの挿話豊富に大胆な思い込みに現代的リアリティ。虫酸ラン子活用、ブログ演出の舞台裏も披露。

クリウィムバアニー / 贅沢ラム

2008年4月27日14:00 吉祥寺シアター 旗揚げ後長期充電の待望第2弾は完成度増しガーリーで美しいステージが実現。下着取る行為を意識的に取り入れインパクト。同時に舞台の各所で展開する新たな動きを発見する喜び。イデビアン系ダンサー中心に巧さも。

パラドックス定数 / HIDE AND SEEK

2008年4月26日19:30 ザムザ阿佐ヶ谷 江戸川乱歩と夢野久作と横溝正史の交流描く視点よく期待も、彼らの代表的登場人物の明智、呉、金田登場させ、犬神家まで挿入し話ブレ残念。もっと作家自身のエピソード盛り込むべき。男優陣も面白みなく苦痛の観劇。

庭劇団ペニノ / 苛々する大人の絵本

2008年4月26日17:00 はこぶね 自室改造の会場はこぶねが嬉しい復活。25人限定の珠玉の1時間はアート性抜群でこれぞペニノ。樹液を舐める等イメージの豊かさを堪能。上下2重構造の舞台も圧巻でガリバー的に鉄道模型走らせた箱庭作りにも感嘆。

ろりえ / ヤクザとアリス

2008年4月26日14:00 早稲田どらま館 旗揚げ公演は2時間に及ぶ力作。リスカやDVなど現代病散りばめるも、役者を寝かせてネギを口に突っ込みジョウロで水かける終盤の前衛シーンが圧巻。梅舟惟永のカラダはった熱演に圧倒。志水衿子の神も舞台を支配。

どん底(原作:ゴーリキー、潤色・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ)

2008年4月24日19:00 シアターコクーン 江口洋介、荻野目慶子ら起用しロシア古典群像劇上演は、木賃宿の貧しく間抜けで残酷愉快な世界描きケラ風味も。屋上スライド後展開鈍く、もっと自由に壊し遊んでよし。山崎一&犬山イヌコが安定感。黒田大輔も抜擢。

角田光代 / 福袋

2008年2月29日初版 河出書房新社 直木賞作家の新作は「箱おばさん」や「フシギちゃん」「カリソメ」「犬」など8つの連作短編小説集。小さなトラブルや失敗した結婚など少しだけ残酷な運命を享受する人生の一コマを巧みな文体操り文句なしの文学性。

日韓合同公演(作:鄭義信、演出:梁正雄・鄭義信) / 焼肉ドラゴン

2008年4月20日13:00 新国立劇場小劇場 万博開催時の関西コリアン街の焼き肉店舞台に当時の流行風俗巧みに取り込み民族色豊かに家族の物語描き出色の出来。足の悪い長女役で栗田麗が見事にヒロイン役こなす。男女関係ドロドロ、済州島事件にも言及し深み。

ONE OR 8 / 莫逆の犬

2008年4月19日14:00 THEATER/TOPS ココリコの田中直樹を迎え母殺した男の隠遁生活の10年を描いて一定の成果。時効を待ちながら同棲する恋人を和田ひろこが好演。その弟の俗っぽい世渡りの巧みさはコントラスト効き過ぎも、残酷なラストシーンは秀逸。

本谷有希子 / 乱暴と待機

2008年2月29日初版 メディアファクトリー 「ダヴィンチ」連載は05年劇団公演作の小説化。傑作舞台の面白さそのままに「お兄ちゃん」と2段ベッドでの2人暮らしが強烈。理不尽な復讐を待つ奈々瀬の異常愛を前面に興奮の展開。犬を処分する職場の2人も特異。

本人本03『ほんたにちゃん』本人本04『男性不信』同時刊行記念『本谷有希子×池松江美(辛酸なめ子)トークショー』

2008年4月13日(日)13:00 青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山 北尾修一を進行役に注目の文科系女子トークが実現。男は仕事で成功するとモテるが女は違うという点で同意。本谷の提唱する「おろかわいい」の意味を巡り盛り上がり。男はすべてレ…

空間ゼリー / 私、わからぬ

2008年4月11日19:30 赤坂RED/THEATER 中劇場進出公演は家族の濃厚な時間描き成功。結婚に失敗し実家に戻った漫画家の長女を斉藤ナツ子が感じよく演じ、荒れる次女を岡田あがさが好演しハマる。母の運営する茶道教室も華やかで、ハロプロから青木英里奈。

ポツドール / 顔よ

2008年4月10日19:30 本多劇場 フランス映画的重厚な人間ドラマを傷や血など7章で描く大作も、旧作エピソード散りばめた総集編的内容で物足りない印象。顔の美醜をテーマでも新味なくマンネリ感。怪我した女役の松村翔子ら熱演も惜しい仕上がり。

サモ・アリナンズプロデュース(作・演出:松尾スズキ) / 洞海湾 ー九州任侠外伝ー

2008年4月9日19:00 ザ・スズナリ 松尾スズキ的世界観が炸裂で、九州のスナック舞台に小松和重が新たなヒーロー。不気味なヤクザ者に蹂躙される日常を笑い交え描き成果。家納ジュンコのヒロイン輝く。宮沢紗恵子が印象的な色気。乙女のワルツも効果。

青年団若手自主企画(現代口語ミュージカル) / 御前会議

2008年4月7日19:30 アトリエ春風舎 柴幸男演出による平田オリザ異色作リメイクは随所にラップ使い大胆なミュージカル化。軍の暴走、国家元首の人形化、まともな議論できない国家運営の皮肉、男女関係の混入も効果的。木引優子が愛人キャラで怖さ発揮。

ENBU×毛皮族 / エロエロ大作戦 〜ヤコブ横須賀泥だらけのSEX〜

2008年4月6日18:00 笹塚ファクトリー ENBUゼミ生を使った文芸ロマン大作風歌劇は、全盛期の毛皮族の名場面も取り入れ、劇団員も歌で登場するお得な1200円公演。ゼミ生の体はった演技に感動、中山ナミー役の春山怜那などスター性豊かな女優もちらほら。

青年団リンク 青☆組 / うちのだりあの咲いた日に

2008年4月6日15:00 こまばアゴラ劇場 吉田小夏25歳時の処女作再演は湘南の日本住宅に法事で集まった兄弟親族の微妙な心情を丁寧に拾い驚くほどの秀作。家政婦の喫煙時の意外な素顔も面白い。実は飼い犬の法事という設定面白いが、変な儀式はやり過ぎ感。

競泳水着 / スケッチ・オブ・ザ・ピザ・ナイト

2008年4月3日19:30 王子小劇場 新トレンディドラマシリーズ第1弾は、ドラマ性抑制し、ピザ屋など複数場設けて状況見せる試みが空転。素敵なキャスト揃えるも、横に広がる客席から見切れ、遠すぎな箇所あり欲求不満。核となるプロットなく睡魔も。