子供鉅人 / SF家族

2019 年4月26日20:00 rusu(東京・目黒) 目黒不動尊近くの一軒家で観客15限定1ヶ月ロングラン公演は、空間活用も絶妙なSF傑作。宇宙さまよう訳あり4人家族描き大成功。観客移動させての別室でのクライマックスでキキ花香演じた娘の辛い過去見せ感涙。

ホエイ / 喫茶ティファニー

2019 年4月19日19:30 こまばアゴラ劇場 待望の新作は意外に社会派作品。渋谷から数十分の町のゲーム機ある喫茶店の在日コミュニティの苦難を描き強烈。就職に苦労し恋愛に失敗しねずみ講に走るヒロインを中村真沙海が好演。元カレ役で尾倉ケントが新境地。

薩摩真介 / <海賊>の大英帝国 掠奪と交易の四百年史

2018年11月9日初版 講談社選書メチエ 海賊の力を利用してスペインとの覇権争いに勝つ英国の16世紀からの政策の変遷と海賊たちの生き様描き面白すぎる海の世界史。海軍と連携したバッカニア、キッドの悲哀、意外に民主的な海賊内の体制も紹介して新鮮。

玉田企画 / かえるバード

2019 年4月5日19:30 小劇場B1 チラシに著名人の妄想感想載せた新作公演は出会い系運営者たちの群像劇。脅されキャラで玉田怪演、深澤しほが汚れ役好演し、恋愛感情や対立描く場面巧いが、皆が繋がるご都合主義に難。木引優子の元カレ役も厳しい。

財団、江本純子 / ドレス

2019 年3月29日19:30 ギャラリールデコ6F 遠藤留奈&内田慈起用の4人芝居は、江本純子&本谷有希子を彷彿のゼロ年代に躍進した演劇人描く小劇場群像劇で異様な傑作。女優たちの役得るための奮闘の舞台裏も赤裸々にみせ、遠藤の突き抜けた暴走キャラに脱帽。

町屋良平/1R1分34秒

2019 年1月30日初版 新潮社 21歳のプロボクサーの心情描いて芥川賞受賞も納得の仕上がり。対戦相手のSNSをチェックし、親しみもってしまう主人公が新鮮。現役ボクサーで駆け出しトレーナーのウメキチとの練習でキャラが激変する様が迫力。

モモンガ・コンプレックス / となりの誰か、向こうの何か。

2019 年3月24日14:00 若葉町WHARF 待望の新作は木下順二「二十二夜待ち」モチーフに民謡生かす試み奏功。菓子配り、トイレットペーパー結った綱引きを客席に渡し参加する楽しさ用意し大成功。岡田智代ら加えた10人出演で充実ぶりも、終盤に満腹感。

あひるなんちゃら / ハルサメ

2019年3月18日19:00 駅前劇場 誕生会を開いてもらうことになる中年男性の話はダメ人間満載の不条理コメディ。主役に負担感あるも、知らない女2人組で宮本奈津美ら爆走し好演。ハルサメという名の亀を巡る展開が異様で、弟や妹の介入もシニカル。

青年団 / 思い出せない夢のいくつか(平田オリザ演劇展vol.6)

2019年3月11日17:30 こまばアゴラ劇場 超人気企画第六弾千秋楽は幻の94年シードホール公演作の貴重な再演。「銀河鉄道の夜」モチーフに内田百閒風味混ぜた3人芝居は歌も披露した藤松祥子が機能し、兵藤公美演じたベテラン女優との旅行きがじんわり。

森見登美彦 / 熱帯

2018 年11月15日初版 文藝春秋 幻の本「熱帯」めぐる追跡描く新作長編は、「千一夜物語」や「海底二万里」大胆活用な貿易譚に発展。池内氏のノート長過ぎだが、森見本人登場の冒頭や東京での白石さんのキャラも面白く、後半の大航海な展開も見事。

MONO / はなにら

2019年3月10日14:00 吉祥寺シアター 20年前に災害で親族を失った者たちが形成した疑似家族の別れの時を描いて唸る仕上がり。些細な対立を人間味たっぷりにコミカルに仕上げ土田節炸裂。新劇団員多数迎え、養父への愛情を巧く出した立川茜ら新顔輝く。

青年団 / 忠臣蔵・OL篇(平田オリザ演劇展vol.6)

2019年3月8日15:00 こまばアゴラ劇場 OLという言葉にノスタルジーでも、3チーム公演のBプロは森内美由紀の大石が素敵。イラスト満載に書記も担当した黒木絵美花が大成功。石橋亜希子も安定だが、新顔も機能し籠城か仕官か討ち入りかで揉めるOLたちが躍動。

青木理 / 情報隠蔽国家

2018 年2月28日初版 河出書房新社 現役自衛官や元公安調査官の告発による情報隠蔽の実態暴き前川スキャンダルの内情描き迫力。サンデー毎日連載コラム挟む構成は難だが、自衛隊の漏洩犯探しや暴力団と取引し大量の麻薬輸入許した道警の失態にも驚く。

東葛スポーツ / ほしゅのリゾート

2019年2月21日20:00 3331アーツ千代田ギャラリーB 保守一色に染まった都心ホテル舞台に右寄りネタ満載の異色作はしじみ起用が大成功。歴史修正でAV経歴もAV機器メーカー勤務に変える自虐ネタに拍手。全員サングラス着用残念だがチェル出演者多めでラップに冴…

上田岳弘 / ニムロッド

2019 年1月28日初版 講談社 芥川賞受賞作は仮想通貨モチーフの不気味な青春小説。データセンターで働きビットコイン採掘任される主人公と元同僚、金融機関勤務の恋人との関係を軸に物語展開も、途中に挿入される駄目な飛行機紹介がアクセント。

シベリア少女鉄道 / いつかそのアレをキメるタイム

2019年2月19日18:00 赤坂RED/THEATER 「下町ロケット」など池井戸作品世界パロディは具体的な情報なくても進行する批評性鮮やか。トラクターと思わせといて実はスニーカーつくったりする展開面白く、体型的に似てない浅見紘至の阿部寛のモノマネ芸最高。

渡辺源四郎商店 / シェアハウス「過ぎたるは、なお」(作・演出:畑澤聖悟、工藤千夏)

2019年2月8日19:00 こまばアゴラ劇場 近未来のグループホームが舞台の新作は2人の往復書館で台本仕上げた労作。環境破壊された世界で育ての親のヒューマノイドを頼る体制側と反体制側に分かれた兄弟の再訪描くSFは妄想感高め。まりりんの挿話で笑い。

松尾スズキ / 「大人計画」ができるまで

2018年12月15日初版 文藝春秋 北九州での生い立ちから上京し下北沢に住み大人計画を立ち上げ、商業的にも成功した現在までの過程をつぶさに語り意義深い一冊。「イケニエの人」など激務で不満足だった作品にも言及。舞台裏ネタ満載で基調な証言。

範宙遊泳 / うまれてからまだしねない

2019年1月31日19:30 本多劇場 好評終末譚再演で中規模劇場進出は小劇場なら生きた映像機能せず、大空間の難しさ痛感。銀粉蝶が存在感発揮、熊川ふみ&油井文寧のゲイカップルの悲恋うまく、災害で第三黒山羊荘の住人たちがつながる展開はうまい、

チェルフィッチュ / スーパープレミアムソフトWバニラリッチソリッド

2019年1月25日19:30 シアタートラム コンビニを描いた傑作がソリッドに変な動き増量でリメイク。バッハに加えクイーンも交え怪しさ全開。川崎麻里子が新人店員として新作アイスめぐる展開いいが、様々なプレッシャーに壊れる店長の愚痴りダンスが最高。

保坂和志 / ハレルヤ

2018年7月30日初版 新潮社 片目猫の花ちゃんとの18年記録する表題作と再録「生きる歓び」は看病内容の詳細など面白く、猫への深い考察に脱帽。川端賞作「こことよそ」は作家生活とデビュー前夜のカルチャーセンター時代の日常振り返り出色。

梯久美子 / 原民喜 死と愛と孤独の肖像

2018年7月20日初版 岩波新書 広島で被爆も生き伸び「夏の花」などの作品を遺し、中央線へ飛び込み自殺した作家の死と愛と孤独を描き流石の仕上がり。遠藤周作との交流、対人関係が苦手で経済的に苦労し、妻を結核で亡くす日々の詳細克明で興奮。

吉田秋生 / 海街diary

2007年4月-18年12月初版 小学館フラワーコミックス 鎌倉舞台に4姉妹を描きマンガ大賞など受賞の傑作シリーズが全9巻で完結。不定期連載で12年かけ、クオリティ維持し大成功。父の死を期に異母妹を家族に迎えるが長女が抱える諸問題がスパイス。次女のキャ…

月刊根本宗子 / 愛犬ポリーの死、そして家族の話

2018年12月22日14:00 本多劇場 3種のダメ男と結婚した3姉もつ不思議女子の愛犬死後に出会う中年男性との恋愛描き見事な完成度。急登板の藤松祥子が奮闘、犬と恋人(小説家)演じた村杉蝉之介との恋愛面白いが、夫婦喧嘩のディテール見事で笑い。

町田康 / 日常の肯定

2017年12月25日初版 毎日新聞出版 「どつぼ超然」3部作完結編は、熱海ならぬ田宮での日常を無駄に脱線、詳細に綴り新機軸。傑作「この世のメドレー」超えないが、踊り子乗車までのダラダラ感脱した後、怪物・龍神沖菜登場からのパンクな展開は圧巻。

ワワフラミンゴ / ハートのふゆ合戦

2018年12月14日20:00 イリヤプラスカフェ@カスタム倉庫2F 待望の新作公演は田原町の木製倉庫なお洒落カフェで実現。女性7人による鳩とハートの楽しい会話劇が大成功。ポッポ歌場面楽しく、当日配布の台本一部おまけも嬉しい。妊婦な名児耶ゆりのちょっと出…

平野啓一郎 / ある男

2018年9月30日初版 文藝春秋 飲み屋で出会った男に取材した新作長編は在日コリアンの弁護士である城戸が依頼主の夫の死の真相を探って展開。死刑制度やヘイトスピーチなど時事的な取り込みも見事。谷口大祐として死んだ男の半生も興味深く流石。

城山羊の会 / 埋める女

2018年12月11日19:30 ザ・スズナリ 活動休止公演はトラック運転手役の岩谷健司がモテまくる不条理コメディで大成功。暗転時の音声のずらしなど実験精神面白い。悲惨な生い立ち妄想する娘役の福井夏新鮮。バブルな電通社員妻で母役の坂倉奈津子も魅力。

石井暁 / 自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体

2018年10月16日初版 講談社現代新書 共同通信記者による防衛省幹部への執拗な取材で見えた「別班」の実像。タブーである海外活動も執拗に追究し興奮。何度も飲みの場を設定し情報を引き出す手法、デスク役とのやり取りなど舞台裏も興味深く迫力の一冊。

筒井康隆展

ART

2018年10月6日-12月9日 世田谷文学館 作家初の大規模展覧会は規格外の創作活動を体感できる空間で興奮。多様なメディア巻き込んだ活動の詳細、生原稿の整理具合も抜群で、「大いなる助走」の文藝春秋文書自体に赤字入れて突っ込むコラージュ原稿が圧巻。