2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

三田村組 / 男の一生

2010年11月29日19:30 中野ザ・ポケット 劇団ファイナル公演は三田村愛寵の蓬莱竜太の作・演出で公務員として平凡な人生を送った老人のホラ話。幼少期から波乱万丈、組関係に従事するもボスの愛人匿いホームレスに至る劇的展開にオチつけリアルな最期用意。

ポかリン記憶舎 / 冬の穴

2010年11月28日17:00 学習院女子大学やわらぎホール ホールのロビーを舞台に変えた新作は葬儀場に集う3遺族の人間模様で演出も巧み。新人に拙さ出るも妊婦役の笠井里美が楽しく、盲目の坂本絢や喪主中島美紀×愛人寺内亜矢子のバトルも迫力。出色はゆらぎ隊…

神村恵カンパニー / 飛び地

2010年11月28日14:30 シアターグリーン BOX in BOX Theater お馴染みとなった福留麻里&栃秋太洋とのトリオ公演は小林耕平が生み出す美術と連動し展開。音楽あまり使わずお互いが出すムリなお題に次々挑戦しお尻の穴ずらす指令に笑い。中盤で変化出すも全体…

タバマ企画 / あの女性〜アノヒト〜

2010年11月27日16:00 BankART Studio NYK 3F 各ダンサー持ち寄った作品を田畑真希が構成・演出した豪華企画。倉庫巨大空間で複数柱に見えない場面もありストレスあっても贅沢さ堪能。篠崎芽美ソロは着膨れ状態で台車に乗り登場しコミカルさ。音遣いもユニー…

望月ミネタロウ / 東京怪童

2009年6月23日、12月22日、10年8月23日初版 講談社モーニングKC 別名義で実験性追求した問題作が全3巻で完結。脳に問題を抱え特異な症状もつ若者が集まる病院舞台にハシや花の苦悩描くも物語の進行がスムースでなく、ハシ描くマンガもたっぷり挿入しアー…

マームとジプシー / ハロースクール、バイバイ

2010年11月26日19:30 シアターグリーン BASE THEATER 転校生が中学バレー部で過ごした一瞬を全編フラッシュバックで見せ神がかった仕上がり。次世代の成長を実感。しほ(伊野香織)とるな(成田亜佑美)の友情芽生えた場面など繰り返しよく試合場面の激しさ…

岡崎藝術座 / 古いクーラー

2010年11月25日19:30 シアターグリーン BIG TREE THEATER 8人の古いクーラーが順にモノローグ披露する新作は実験性買うも複数で絡む場面少なく盛り上がり不足。宇田川千珠子の無意味な笑い面白く、中林舞が底抜けのハイっぷりで本物のクーラーと絡んだ場面が…

地点 / ところでアルトーさん、

2010年11月23日14:00 東京芸術劇場小ホール1 前衛アーティストのアントナン・アルトーの後期テキスト中心に構成した意欲作は消化不良な力技演出が裏目。舞台に水敷き動き制約した点が裏目。安部聡子筆頭にどもりなどフロー抜群の役者陣の語り口技術は向上…

円城塔 / 烏有此譚

2009年12月14日初版 講談社 野間文芸新人賞作は下段に注スペース設け穴になった男の物語を支える異色作。雑多なもの堆積した部屋の描写で始まる出だし面白いが中途から不条理の先ゆく謎めく展開。図解導入し最後の挨拶まで注入る下段こそ意義。

アトリエ・ダンカン プロデュース / アジアン スイーツ

2010年11月21日14:00 ザ・スズナリ 04年上演の金久美子遺作を鄭義信自ら再演は鶴田真由の魅力引き出し成功。斜陽の仕立屋営む悪い薄幸ヒロインの元にダメな弟、元恋人、母が集い起きる家族喧嘩がコミカルで泣ける。清水宏が調子いい男演じ笑い取った。

競泳水着 / りんごりらっぱんつ

2010年11月20日19:30 サンモールスタジオ 所属女優3人揃った新作は上京10年、姉の喪失に向き合い妹の姿を描くが空回り感。妹役で主演の細野今日子がパティシエとして働き、ルームシェアするも仲間と微妙な距離感出したが、得意の恋愛要素抑えて持ち味出ず。

金原ひとみ / TRIP TRAP

2009年12月31日初版 角川書店 旅にまつわる6の連作集は十代の破天荒な時代の2作が強烈。パチンコ店員と同棲する中学生の日常が生々しい。「沼津」でのナンパされっぷりも臨場感抜群。20代の旅中の夫に対する激情、子育てに疲弊する感情も劇的。

黒田育世 / あかりのともるかがみのくず

2010年11月14日17:00 にしすがも創造舎 母をモチーフにした新作はBATIKダンサーも参加して2時間に及ぶ超大作。舞台美術も派手にいじり変化つけ終盤の学校の机や椅子、ペール缶が並ぶ中のダンスは迫力。絶叫繰り返し、黒田の「何時何分何グラム」連呼に感涙。

ほうほう堂@留守番

2010年11月14日14:00 下北沢の素敵な家 代沢の住宅舞台に至福のひと時。皆でテレビ見て共に踊り共に家内探検し楽しさ抜群。映像重なり奥行き見せた場面斬新。縁側で見るクライマックスの庭でのダンスは多彩で本格的で充実。久しぶりの新舗美佳も魅力爆発。

ARICA / house=woman 家=女

2010年11月13日19:30 歌舞伎町 A to Z アンティゴネー下敷きに安藤朋子一人芝居は蔦覆う謎スポット地下で実現。手のみ垣間見せソファーが動き回る前半前衛。スポットライトに向かい動く安藤の派手な動き、マイクスタンドさばきに圧倒。地点な台詞も新味。

青年団若手自主企画 / 僕らのアルゴリズム

2010年11月13日15:00 アトリエ春風舎 カナデコ相馬加奈子の青年団で初の作演公演は得意の飲食店もの。寿司屋舞台に木引優子が不思議ちゃん好演。引きこもりの弟を拘束する姉役で立蔵葉子も危なさ抜群に演じ成功。不気味なテロ突入な展開で荒れた印象も。

五反田団 / 迷子になるわ

2010年11月12日20:00 東京芸術劇場 小ホール1 待望の新作は主役抜擢の伊東沙保が大健闘。迷走続けるプロットの波を巧みに乗りこなし、各場面で設定決める大胆な物語進行を支配。不倫相手役の前田司郎が抜群に面白く後藤飛鳥とともに両親含め複数役で笑い取…

飴屋法水 / わたしのすがた

ART

2010年11月7日17:00 にしすがも創造舎を含む、巣鴨・西巣鴨周辺の4会場 数分おき1人ずつ地図渡され出発する不動産巡りは、この地の過去の記憶を味わう散歩。妾さんの家、希望社の関連施設、医療機関の残骸に味付けして見事なインスタレーション。圧巻は懺…

加藤陽子 / それでも、日本人は「戦争」を選んだ

2009年7月29日初版 朝日出版社 東大教授が栄光学園生相手に行った講義企画は日清・日露から太平洋戦争まで政治や社会がどんな選択をしたのか、因果関係も解きほぐし感嘆。付箋でポイント表示し人物写真も満載の編集魂にも拍手。小林秀雄賞も納得。

泥棒対策ライト / コンガラガッチャンゴー

2010年11月6日14:00 STスポット 多摩美出身の下司尚実による自由形ユニット初号機設置公演はコミカルな要素たっぷりに楽しめる小一時間。卵の黄身を口に放り込む場面を頭尾に近藤彩香ら魅力的な4人編成のダンスもしっかり。膝突きあう終盤は圧巻。

空間ゼリー / 今がいつかになる前に

2010年11月3日15:30 シアターグリーン BIG TREE THEATER 前回から1年超経過しての新作公演はハロプロエッグ多用し小学生舞台の大人と子供の社会の複雑さ描いて持ち味。園内政治関係イマイチも小学生の微妙な人間関係は見事に描き坪田文の非凡さ確認。劇団員…