2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

小林信彦 / うらなり

2006年6月25日初版 文藝春秋 100年目の夏目漱石「坊ちゃん」をうらなりの側から描き、松山を追われたその後の生活まで追いかけた意欲作。当時の風俗をこまめに盛り込み、姫路での教員生活に滋味。年を経てのマドンナとの顛末が皮肉にリアリティ。(やま)

超歌劇団 / ドガガガーンゴワーシュンボコーンプシューバゴーン(略して ドゴボプバ)

2006年7月30日19:00 木場公園内 不便で寂しい木場の公園一角の小さな野外特設小屋で仕掛け満載のSF宇宙劇を展開。観客参加色は抑制も敵にボールぶつけて主役の味方。ゴキコン客演陣が敵キャラで魅力存分発揮。ラストは床も壁も外れ花火で夏風味。(やま)

岡本真理子、山賀ざくろ、遠田誠、常樂泰 / トヨタコレオグラフィーアワード2006

2006年7月30日16:00 世田谷パブリックシアター 2日目も笑い目立ち、お洒落な岡本に続く山賀のガーリー執着に好感、中年男が女子学生姿で奮闘。まことクラブは会社生活の伝統的行動様式デフォルメ秀逸。最異端の身体表現Cは赤白褌で間抜けに計算された面白回…

毛皮族 / 脳みそぐちゃぐちゃ人間

2006年7月29日20:00 本多劇場 ブロードウェイ風に20時開演もモチベーション落ちたか露出なく低調の仕上がり。プロエピ含め4部構成も全体半端感、町田マリーの脳なし人間アッコちゃんキャラ魅力的でもっと見たかった。横町慶子はロマンチカ貫徹。(やま)

白井剛、きたまり、小浜正寛、康本雅子 / トヨタコレオグラフィーアワード2006

2006年7月29日17:00 世田谷パブリックシアター 充実面子の1日目は白井剛が個性発揮し緊張感途切れず文句なし。KIKIKIKIKIKIは4ダンサーでベッドに花溢れ口使った動き鮮烈。ボクデス&チーム眼鏡は高完成度で紐使ったラーメンダンス輝く。康本雅子は演出地味…

tsumazuki no ishi / 無防備なスキン

2006年7月29日14:00 ザ・スズナリ 名古屋から寺十吾の質感こだわる演出光った新作は岸田賞狙うスエヒロケイスケ作で懐古的日本家屋に加害者と被害者3組同居する大胆設定で関係性と社会性に切り込む。複雑な人間関係説明足りず難も田中要次が存在感。(やま)

ク・ナウカ / トリスタンとイゾルデ

2006年7月27日19:30 東京国立博物館庭園 昨年11月に続く庭園公演はワーグナー作のオペラを東洋風に料理。英国とアイルランドの設定も衣装は戦前の日本と韓国で刺激的。野外舞台で曇り空に都市特有の薄明かり、蝉の鳴き声と花火の音も飛び込む意義深い公演。…

零式 / 返事

2006年7月26日19:30 こまばアゴラ劇場 ユニークな世界観で評価高まる劇団新作は挑戦的メタレクイエム。原爆から始まる少女の幽霊の話はラムネ瓶を軸に孤島へ舞台移し人魚登場でノスタルジーとファンタジー同居見事。足失った女役の岡田あがさの魅力格別。(…

森絵都 / 風に舞いあがるビニールシート

2006年5月30日初版 文藝春秋 直木賞受賞作は傑作パラソルに及ばず力技目立つが短編の上手さ確か。6作とも仕事前面に描き表題作は国連難民高等弁務官事務所舞台でユニークもベタな性生活は△。顧客対応に出向く平凡な会社員のXは台詞に臨場感。(やま)

ジェットラグ / 困惑

2006年7月24日19:30 SPACE107 動物電気番外地公演は政岡の意外な直球ドラマメイクでクリーンヒット。小林健一&松浦佐和子のペット屋コンビ抜群で嫌われペットの呪い話がコミカルも陰影入りTマスターズや明日図鑑からの出演陣が脇締め高完成度。(やま)

フランクサバゲリラ / 8月の冗談クラブ

2006年7月23日14:00 王子小劇場 演劇界のユニークウェーブ標榜も乱れすぎた波に作品破綻。作家の兄もつ昭和な3兄弟の話がムリムリに展開。期待の墨井鯨子も起用法悪く魅力半減。前座市場大介も見れず残念。ムチャやる姿勢には期待で呉556が存在感。(やま)

三条会のレミング〜世界の涯てへ連れてって

2006年7月22日19:00 千葉公園内特設三条会劇場 寺山後期の人気作挑戦は当日パンフの挨拶どおり苦戦も、野外の会場で森の空気と暗転時の薄明かり具合いが絶妙で価値ある試み。左右2つの舞台を行き来し壁のない部屋たちが教室の机で表現も動き弱くギミック必…

一橋大学言語社会研究科講演会第一回 金村修「とまるな、みるな」

2006年7月22日15:00 一橋大学東キャンパス国際研究館4階大教室 近作「STRAVINSKY OVERDRIVE」と「梅田西口トルエンズ」をスライド上映し、各作品を金村自身が解説する圧巻の2時間。東京の写真は控えめに大阪や地方都市多め。作品の良し悪し、独自性、気をつ…

V.A. / OSAKA ROMANCE OUT

2006年7月14日発売 BRIDGE 松本亀吉が集めた関西インディーシーンの11バンドが驚くほどカッコよく関西スカム警戒感不要な充実痛快1000円コンピ。奇跡の女子デュオ=キャラメルンバやヘリコ系歌謡ロックFree From Disguiseなど気持ちよく、WEもビリビリ感。(…

金原ひとみ / オートフィクション

2006年7月10日初版 集英社 22歳、18歳、17歳、16歳、15歳と遡るオートフィクション=自伝風小説は作家放浪時代を過激に切り取り圧倒的長編完成。乱交での出会いで始まる18の夏が衝撃。パチンコ店入り浸り塩砂糖で過ごす極貧生活も面白さ抜群。(やま)

あひるなんちゃら / 地獄にて

2006年7月17日15:00 王子小劇場 卓越ギャグが飄々とドラマにマッチし格の違い。すべてなめきった女子3人が地獄でもマイペースで、蜘蛛の糸の挿話も巧み。生見司織が暴君ボケで魅力炸裂、黒岩三佳は受け手でも持ち味。伯美乃里のピエロ好きも新鮮。(やま)

劇団木花 / ロミオとジュリエット

2006年7月16日16:00 シアターΧ 韓国の劇団木花の代表作公演はWシェークスピア作を韓国李王朝期に舞台移し呉泰錫の世界へ。2人が出会う舞踏会が圧巻で韓国古来の舞踊が伝統音楽に乗り展開。原作と異なる悲劇の終焉は報復続く現代世界情勢を暗示。(やま)

椿組 / GS近松商店

2006年7月15日19:00 新宿花園神社内境内特設ステージ 作演出に鄭義信招き野外公演は近松心中を地方のガソリンスタンド舞台に移しカネ絡む人情話2部構成。劇団員対策の1部無駄も3兄妹軸に話整った2部は見事。ライトバン突っ込ませ加藤ちか美術冴えラスト大…

ゴキブリコンビナート / そよ風のささやき

2006年7月15日16:00 旧淀橋第3小学校跡地校庭 トンボ舞う西新宿の小学校跡地で過激な野外劇敢行し3Kミュージカルの本領発揮。福祉テーマにほっかほっかに熱く突進お立ち台から逃げ続ける立ち見2時間弱でぐったりも爽快。ボボジョ貴族に女優魂。OJCも熱演…

[EVENT] 大谷能生のフランス革命(堀江敏幸)

2006年7月14日20:00 UPLINK FACTORY 文壇から旬の作家招き朗読合戦。驚くほど巧みな音楽つけ大谷が読む「河岸忘日抄」に続き世の朗読論。堀江がエッセイ読み新聞掲載当時の裏話披露し興奮。「雪沼とその周辺」解説もあり嬉しい一夜。最終回で客席豪華。(や…

吾輩は主婦である

TV

2006年5月22日-7月14日13:00 TBS クドカン初の昼ドラは斉藤由貴の主婦に漱石が憑依する傑作喜劇。吾輩以後のドタバタ最高で隣接クリーニング店の池津祥子がナマハゲで魅力爆発。及川光博、竹下景子もよくモンナシーヌら劇伴面白く最も笑える1作に。(やま)

シベリア少女鉄道 / 残酷な神が支配する

2006年7月12日19:30 吉祥寺シアター 演劇の約束事への素直な疑問で大胆オチ用意する彼らの持ち味出た廻り舞台での新作。ミステリーな前振り退屈も、A猪木登場し舞台グルグル回転させ3部屋隣接の驚愕事実で大団円。久々大オチに拍手も上演時間長すぎ。(や…

フランクリン・フォア / サッカーが世界を解明する

2006年5月15日初版 白水社 ベオグラード、グラスゴー、ロンドン・・・。グローバリズム信者の米国人記者が世界サッカーの異常を目撃し詳細に書いて意義。フーリガン、ユダヤ人問題出色もイランの章不要。サッカー通は気づく誤訳多い点も残念。(やま)

天然スパイラル / デストロイヤー花〜放電金魚とそこらの人々〜

2006年7月10日19:00 恵比寿エコー劇場 全員女のエンタメ劇団新作楽日はファンと一体感に熱く展開。北朝南朝で内戦状態ニッポンの中立地帯で遊郭舞台にベタなドラマ部分ややしつこいがギャグセンスよくショー的なダンスもしたたか。2時間超も満足な内容。(や…

ウィー・トーマス(作:M・マクドナー、演出:長塚圭史)

2006年7月9日14:00 PARCO劇場 再演千秋楽は北アイルランドの惨劇が抜群の質感で完成。過激武装組織と猫への異常愛が生む悲喜劇が見事。初演から大幅変更のキャストは父役木村祐一面白く死体解体のグロいシーンもコミカル。岡本綾が狂気の娘好演。(やま)

Summerholic 06 -恐怖劇場-(中野成樹+フランケンズ「ひまつぶし」、劇団820製作所「izumi」、劇団 山縣家「ホームビデオ」、ユルガリ「ユルガリサバス」)

2006年7月8日19:00 STスポット 恐怖テーマに好企画も恐くなくゲスト2本が圧勝。チェル役者陣ばらけて活躍も山縣太一が両親と共演したホームビデオに尽きた。ワイルダー作のフランケンズはバラシ場面が見事。松村翔子のハルカリラップは今後期待。(やま)

ほうほう堂 / 水上アートバス・ダンスパフォーマンス!

2006年7月8日16:30 水上バス(日の出桟橋〜浅草) BGMなし残念も船内1階2階グルグル縦横無尽に動き回り彼女たちらしさ、持ち味が十分に発揮。とくに廊下での靴持って倒れまくる動き最高。最後は後部デッキで観客巻き込みマネキン振付で記念撮影モードに…

伊藤千枝 / SePT独舞vol.15 私、潜るわ。

2006年7月7日19:30 シアタートラム 珍しいキノコの主宰独舞は期待したヘルプ僅かで物足りなさ否めず。群舞は必須。派手な登場シーン悪くないがMC挟む展開は効果薄。ポストトークは面白く舞台裏話にキノコネタも満載で大満足、堤広志が意外に好聞き手。(やま…

ポツドール / 女のみち

2006年7月6日19:30 THEATER/TOPS 安藤玉恵の自主企画は溝口真希子=ぺヤングマキを作演に迎えAV撮影の舞台裏。出演女優5人全員がAV女優となり陰口溢れる人間模様を創出し成功もキャラの奥行き浅さに難。状況を時間経過で見せるポツ様式は堅持。(やま)

FIFAワールドカップ2006準決勝 ポルトガル×フランス

7月5日21:00(日本時間28:00) ミュンヘン 1点ゲームの準決勝も前半33分の誤審PKで台無し。強固な守備を敷いたフランス陣内でポルトガルの華麗なパス回しも影を潜め、復帰のデコも機能せず、見所ない大会随一の凡戦となり残念。ジダンの1点守り決勝進出。…