2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

佐々木敦 / ニッポンの音楽 

2014年12月20日初版 講談社現代新書 70年代からの日本のポップミュージックを明瞭な語り口で解き明かし大成功。はっぴいえんどにYMOと10年ごとに主役設定し深掘りし興味深いエピソード満載。Jポップと90年代の章では渋谷系の解説充実で感動。

MONO / ぶた草の庭 

2015年2月26日19:30 ザ・スズナリ 1年ぶり新作公演は得意の組織論展開し鋭い作風が奏功。謎の病気にかかり隔離される者たちのコミュニティの崩壊と再生描いて会心。山本麻貴ら充実の女優陣も機能。社会から見捨てられ死に行く現実見せシニカル強烈。

徒歩7分(作:前田司郎、演出:中島由貴) 

TV

2015年1月6日〜2月24日23:15 BSプレミアム 傑作「お買い物」コンビ復活は30分8回の嬉しい連続ドラマ。彼氏なし、友達なし、仕事なしの32歳女性を田中麗奈が演じ会心。弁当屋の上のアパートでの交流が間抜けでリアル。隣人の看護師のやさぐれぶりも奏功。

青年団若手公演+無隣館一期生修了公演 / 南へ 

2015年2月24日19:30 こまばアゴラ劇場 20年ぶり再演は青年団の若手役者陣と演劇学校1期生を使い一部演技に堅さも。南へ向かう船上舞台に展開し近未来の日本の醜い姿見せつけ刺激的。ソウル市民直後作だけに周辺国民を当たり前に見下す若者たちつらい。

岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ 

ART

2015年1月24日~3月31日 世田谷文学館 初の本格的展覧会は代表作軸に300点超す原画を凝って展示し見事なインスタレーション。よくぞ集めた漫画ブリッコ等マニアックな掲載誌群ぎっちり並べ興奮。学生時代のイラストも揃うほか最新メッセージにも感涙。

ゴキブリコンビナート / ゴキブリハートカクテル 

2015年2月15日16:20 タイニイアリス 悪夢の遊園地第三弾はグロさ増しあんまりな展開。観客4人でクルド人のアジト探しも便器に入るコースきつく、汚れまくりで焦る。参加型演劇もM度試され行き過ぎ感。ラストはホリ坊も登場のインモラル姉妹が刺激的。

佐々木実 / 市場と権力「改革」に憑かれた経済学者の肖像 

2013年4月30日初版 講談社 竹中平蔵を和歌山の学生時代から関係者のコメント集めて描き、異常なまでの上昇志向を見せる人物像立ち上がらせて圧巻。開銀時代に同僚の手柄奪い、銀行再編には会計士の犠牲も招いた手口も提示し納得の大宅賞受賞。

しりあがり寿 / 絵画のぞんざいな回転 

ART

2015年1月8日~2月13日 art space kimura ASK? (2F) + ASK?P(B1F) 「絵画の存在とその展開について」から改題された注目個展は瓶描くマチス風の静物画な凡庸な1作を複数展示するが、これが各所で不思議な回転を繰り返す不気味インスタレーション。過去の小作…

タカハ劇団 / わたしを、褒めて 

2015年2月8日14:00 駅前劇場 1人の女優の死を巡り「楽屋」公演に臨む女優たち軸に刑事が謎解き展開し重厚。メタ演劇でも濃密空間での演技合戦やや窮屈感も筋立てうまくマネージャー田之倉役で後東ようこ哀感。異儀田夏葉のベテラン女優も新鮮。

DULL-COLORED POP / 夏目漱石とねこ 

2015年2月6日19:00 座・高円寺1 舞台幅いっぱいに縁側配し障子の影も効果的に猫視点で見つめる漱石の臨終。走馬灯のように過去のエピソード入れ込み、漱石の人物像に迫る試みでストイックな味わいが意外感。芥川と思われる弟子との会話場面が出色。