2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

青年団+第12言語演劇スタジオ / 新・冒険王

2015年6月26日19:30 吉祥寺シアター ソン・ギウンとの共同作品はイスタンブールの安宿舞台に2002年6月に時代移しW杯に沸く日本人と韓国人の交流と微妙な距離感描き秀逸。同じ日の日本の惜敗と韓国の奇跡の逆転勝利という明暗ドラマを巧みに活用。

小野正嗣 / 九年前の祈り

2014年12月15日初版 講談社 芥川受賞の表題作はカナダ人男性との結婚に失敗し息子と故郷に戻り暮らす女性描くも読み進み困難。ただ、併録の3作品と併せ読めば大分の地方都市の日常くっきり立ち上がり中年同士の友情描く「お見舞い」など秀逸。

シティボーイズ / 燃えるゴミ

2015年6月20日14:00 東京グローブ座 ファイナル第一弾は前田司郎を作演出に迎え、原点回帰な3人公演。2日目でぐだぐだ感あるも、しっかり笑わせ要所でほろりも。素早い場面転換で家族も描くが核は友情で泥団子が割れる割れないでもめるシーンが白眉。

角田光代 / 笹の舟で海をわたる

2014年9月15日初版 毎日新聞社 疎開先一緒で春日家兄弟と結婚した女性2人の戦後描き出色。ご成婚や東京五輪、学生運動や石油危機、口裂け女など時代象徴する的出来事や流行を無理なく盛り込む手腕は流石。娘との確執など随所にリアルな残酷性も。

動物電気 / ふっくら!人間関係

2015年6月11日19:30 駅前劇場 2年ぶり本公演は海辺飲食店を舞台に結婚失敗した男女の再会で始まる大人の夏休みが愉快。小林健一が親戚の店で働く脱落公務員好演、従兄弟ハナ役で坂本けこ美が元気に存在感。定番コーナー維持しノスタルジー満喫。

植草甚一スクラップ・ブック

ART

2015年4月25日-7月5日 世田谷文学館 過去最大規模の展示は貴重な原稿、スクラップブック、コラージュ作品集め圧巻。映画や探偵小説、ジャズなど凝った書体の記録メモいい。経堂など当時住居3カ所からの年賀状に興奮。幻の古書店「三歩屋」再現嬉しい。

ロロ / ハンサムな大悟

2015年6月10日14:00 こまばアゴラ劇場 劇団員5人のみ出演の新作は篠崎大悟フィーチャーした異色伝記もムリな世界観見せる技欠いた印象。「女」部分を望月綾乃のみ担当で膨らみ不足。多彩な顔を見せた森本華に存在感。ラストの布吊り上げる舞台美術見事。

しりあがり寿 / あの日からの憂鬱

2015年3月23日初版 エンターブレイン 大傑作「あの日からのマンガ」に続く新作集はコミックビーム掲載作中心に悲観トーン。震災後の月日の経過さりげなく描いて見せた「地球防衛家のヒトビト」素晴らしく時代の記録。放射能問題への斬り込み痛快で拍手。

日本総合悲劇協会 / 不倫探偵〜最期の過ち〜

2015年6月5日19:00 本多劇場 11年ぶりニッソーヒは一人芝居に続く天久聖一と作演。松尾スズキが主役の罪十郎演じ面白い動き連発。唐やつかなど小劇場先輩へのオマージュも。二階堂ふみのキャンディ造形見事だが、不倫妻演じた平岩紙が大活躍。

城山羊の会 / 仲直りするために果物を

2015年6月3日19:30 東京芸術劇場シアターウエスト 岸田賞受賞第一作は兄妹住むあばら家舞台に貧困シニカルに描き強烈。家賃払えず一家心中な展開も意外な結末。調子いい大学講師を松井周が演じ石橋けいとの夫婦関係もコミカル。愛人役の東加奈子の無茶な言動…

高野秀行 / 恋するソマリア

2015年1月30日初版 集英社 講談社ノンフィクション受賞作続編は、その後の渡航描く紀行文でまたも興奮。前回踏み込めなかった市民の台所やモガデショ郊外のリアル南ソマリア興味深く戦闘巻き込まれる展開に驚く。ハムディの後日談もびっくり。

クロムモリブデン / 七人のふたり

2015年6月2日17:00 赤坂RED/THEATER 高校演劇舞台に動画サイト再生回数競う展開で時代性十分。不祥事警察などエスカレートし不気味な現実感。追いかけ先生で金沢涼恵存在感。演劇部顧問に赴任途中で監禁の土井怜奈よくバーバラ演じたゆにば個人芸唸る。