2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

青年団+大阪大学ロボット演劇プロジェクト / アンドロイド版 三人姉妹

2012年10月28日15:00 吉祥寺シアター チェーホフの人気作をロボット工場あった地方都市に舞台移しシニカルに空洞化後の日本を提示。ロボット研究の大家だった教授の娘たちが迎える厳しい現実。自分のアンドロイド作り引きこもる三女を井上三奈子が好演。

高橋源一郎 / さよなら クリストファー・ロビン

2012年4月25日初版 新潮社 谷崎賞受賞作は、くまのプ―さんから鉄腕アトムまで子供向けのお話の主人公たちを巧みに載せる7連作。趣き異なる作品並ぶが、末期医療の本読み仕事描く「星降る夜」が出色。父と息子の対話描く「お伽草紙」も愉快。

NODA・MAP / エッグ

2012年10月24日19:00 東京芸術劇場 プレイハウス 新装劇場で新作公演は64年と40年の東京五輪で新競技「エッグ」で奮闘する男たち描き成功。円谷幸吉から満州731部隊つなぐ展開見事だが、椎名林檎の書き下ろし楽曲を黒田育世の振付で歌い舞った深津絵里最高。

シベリア少女鉄道スピリッツ / ステップアップ

2012年10月16日19:30 赤坂RED/THEATER PR不足な新作は染谷景子連続登板も篠塚茜不在残念。屋上舞台に二十世紀少年ら元ネタに思わせぶりに窮屈。積み上がる伏線を数値化し、回収に努める終盤の無理なこじつけ面白いがダレ感も。仮装大賞な大ネタは流石。

劇団鹿殺し / 田舎の侍

2012年10月13日14:00 駅前劇場 駅前復帰は半月以上のロングランで時代劇挑戦のロックオペラ。戦国末期を舞台に野伏せりなアウトロー活躍、オレノ演じた一本松虎蔵のあがきたっぷりな生き様が圧巻。丸山厚人が渋く脇固め。持ち味の劇伴と振付見事。

小熊英二 / 社会を変えるには

2012年8月20日初版 講談社現代新書 反原発デモ活動を出発点に工業化社会時代からの日本の社会構造の変遷を鋭く分析し流石。中盤のギリシャ哲学の解説ややしんどいも、近代思想史な展開は興味深い。戦い方の知恵も納得だが、反対勢力も利用してきそう。

ヒッキー・ソトニデテミターノ(作・演出:岩井秀人)

2012年10月11日19:00 PARCO劇場 パルコ進出作はヒッキ―シリーズ最新作で挑戦も吹越満以外は渋いキャストで集客心配。笑い抑え目に驚くほどシリアス展開。古館寛治がニート40男好演し残酷な結末に切なさ抜群。引きこもり後の初外出で失態も巧い。

音楽劇 ファンファーレ(脚本・演出:柴幸男、音楽・演出:三浦康嗣、振付・演出:白神ももこ)

2012年10月7日14:00 シアタートラム 「わが星」3人再びは大作音楽劇。ヒロインのファーレを3人が演じファンタジーな作風で驚くほどエンタメ。アロンアルファとの恋愛描けず半端感も坂本美雨ら歌と音楽美しく気持ちよく、振付もきっちり仕事して奏功。

HALCALI / ハルカリノオカワリ

2012年5月30日リリース EPIC 新作は謎な2枚組。初期代表曲も交えたOTF編8曲は新曲群に魅力。CMや映画の話題曲集めた2枚目は歌モノ多めにコラボな楽しさ満載に7曲。ハルカリ歌詞参加も目立ちゴンドラの唄も巧みに料理して嬉しい空気感。

季節のない街(作:山本周五郎、脚色・演出:戌井昭人)

2012年10月6日14:00 あうるすぽっと 戌井初の本格演出長編作は鉄割色抑え貧民窟舞台のどですかでん。真正面から取り組み堅実な仕上がり。渋さ知らずの音楽格好よし。老人と子供の話きっちりも古屋隆太ら演じた労働者の破天荒なパートが持ち味出て秀逸。

子供鉅人 / 幕末スープレックス

2012年10月4日19:30 ザムザ阿佐谷 幕末に生まれた松竹梅の三姉妹の運命を雰囲気抜群のバンド演奏に乗り踊り描く手法に脱帽。鼠小僧ラブ吉のアナーキーさ見事。竹役キキ花香やエド役の山田春江ら輝く。ラストで維新政府が庶民裏切る反権力な展開好感。