2012-01-01から1年間の記事一覧

ろりえ / 年末

2012年12月29日15:00 池袋シアターグリーン BASE THEATER ユニット員公演は4人のキャラ発揮。同性愛カップル軸の年末の出会い&別れ描き成功。徳橋が2人の間で揺れる主人公好演。地元で再会する同級生を梅舟しっかり。志水のハイなバンド内恋愛楽しい。斉藤…

宇仁田ゆみ / うさぎドロップ

2006年5月〜12年3月 祥伝社 全10巻で完結した子育てマンガの傑作は意外な結末に唖然。6歳児のりんを育て始めるダイキチの奮闘描く前半が素晴らしく1〜4巻は完璧。高校生になる後半は強引な連載の弊害か。出会って7日目描く番外編もいい。

Q / 虫

2012年12月22日14:00 アトリエ春風舎 マームな吉田聡子の別の顔見える桜美林系新興劇団は、女子の残酷な生態に困惑。まずい弁当屋で働く女たちのヒエラルキー。女子力低い関ジャニ好きへの蔑視が怖い。が、筋と関係なく変な動き繰り返すダンスな魅力○。

平田オリザ / 幕が上がる

2012年11月7日初版 講談社 初小説挑戦は文句なしの青春小説で現代口語の新たな傑作誕生。北関東の高校演劇部舞台な躍進がリアルで興奮。ローカルな味醸し、主人公さおりの奮闘が素敵。高校演劇大会や東京の小劇場演劇シーンの盛り込み楽しい。

競泳水着 / すべての夜は朝へと向かう

2012年12月20日19:30 サンモールスタジオ 劇団員が脇を固める格好で複数の恋愛ネタ交錯うまいが、武子太郎による安易なモノローグは禁じ手。ベタ感増して完成度落とす。ただ、団員の女優陣充実で、予備校教師振り回す女子高校生ヒロインで相楽樹が魅力爆発。

ヨーロッパ企画 / 月とスイートスポット

2012年12月16日13:00 本多劇場 得意のタイムスリップものは10年後の落ちぶれヤクザの残酷な現実。遡れば甘く緩い思い出の場所で行き来が楽しい。半端なチームの未来の明暗を笑える仕掛けにし流石。土佐和成の重厚な役作り奏功。望月綾乃も健闘。

大人計画 / 生きちゃってどうすんだ

2012年12月15日14:00 ザ・スズナリ 松尾スズキ独り芝居は100歳の角田鈴乃介消息を関係者コメントで追う100分で圧倒。痴漢容疑で尋問受けるゲイ彫刻家楽しい。大人計画役者陣映像参加のゾンビ役者編も悲哀抜群。ラストは福島原発ネタに繋げ圧巻。

角田光代 / 紙の月

2012年3月8日初版 角川春樹事務所 銀行の契約社員が1億円横領しタイに逃走するまでの歳月描き抜群の面白さ。田園都市線沿線の舞台設定意義深く、生真面目な女性が不正に走る瞬間を丁寧に捉え、罪重ねる展開もスリリング。入れ込む若い男の変貌怖い。

珍しいキノコ舞踊団 / 動物の○(えん)

2012年12月13日19:30 VACANT 4人編成で挑む新作は小空間に複数舞台設け冒頭の影絵表示からセンス抜群。客席間にもどんどん飛び込み飲み食いしながらの曲芸ダンスも披露。シカゴなど既存曲使いが奏功。いろいろな動物に化けて階段活用も楽しい。

プロジェクト大山 / ホルスタイン

2012年12月8日17:00 あうるすぽっと 半年で新作登場は乳牛イメージ抜群にミルクなトイレットペーパー出し合う動きに圧倒。中盤のMモンローな牛乳飲み楽しく新味。アイドルパート入れ、アラビアンなテーストもらしさ。青から黄に衣替えラスト群舞圧巻。

城山羊の会 / あの山の稜線が崩れてゆく

2012年12月3日19:30 こまばアゴラ劇場 悪夢な状況に追い込まれ家族散開迎えるまでシュールな展開で描き傑作誕生。浮気な妻を石橋けい好演だが、今回は父娘で起用の古屋隆太と岸井ゆきのが大当たり。刑務所帰りの実の父登場から面白さ加速し親子の別れに感涙。

松本竣介展 生誕100年

ART

2012年11月23日−2013年1月14日 世田谷美術館 36歳で夭逝した近代洋画家の回顧展は驚くほどモダンで欧風。戦前の東京を描いても洋風感。<都会>での大胆なモンタージュぶりと見事な構図カッコよく青い色合いに感服。工場を描いてピカ一、人の気配抑えクール。

山田裕介、中谷ミチコ、吉野もも、他 / 黄金町バザール

ART

2012年10月19日−12月16日 日ノ出町駅から黄金町駅の間の高架下スタジオ、既存の店舗など ヨコトリなくても連続開催の人気企画も魅力的な日ノ出町会場を再開発で失いトーンダウン。チョンの間名残の安普請空間で場の魅力発揮できず。が、山田0+0+0+0の…

宇仁田ゆみ / ゼッタイドンカン

2012年10月3日初版 白泉社 メロディ、楽園と渡り描き継がれた連作は歌音と中森くんのピアノでつながる10年愛。高校時代の初恋からハッピーエンド後までほのぼのと優しく描き心地よさ抜群。調律師という設定面白く、1年に1度の再会に新味。

八木良太、大巻伸嗣、EYE、山本俊一、やくしまるえつこ、他 / 音まち千住の縁

ART

2012年10月27日−12月2日 北千住(一軒家、イドラノヤカタ、音う風屋、他) 北千住各所で開催のアート企画は豪華音楽家揃い驚くほど充実の内容。八木(別の)家具の音楽は下町一軒家を生かし街の音採集。大巻イドラは暗闇2階での水面美堪能。未来楽器図書館は…

舞城王太郎 / 短篇五芒星

2012年7月12日初版 講談社 芥川賞候補の5つの短篇集めるも強引な設定に空回り。流産への偏執からKY行動突き進む美馬で疲れ、姉が鮎の嫁になる2作目も効果上がらず。福井周辺舞台作多く、東京出身の女子高生があうだうだうに会う話が一番。

ブラジル / 行方不明

2012年11月24日14:00 赤坂RED/THEATER 仕事でも家庭でも厳しい現実直面の中年男を櫻井智也が熱演だが友人訪ねた先の四国パリでの猟奇世界に説得力なく空振り。幸田尚子が妖しく2人の妻役を好演で、厭な上司役の哲人もいいが、抽象的すぎる舞台美術裏目。

BATIK / おたる鳥をよぶ準備

2012年11月18日14:00 世田谷パブリックシアター 結成10年目作はダンサー自体をモチーフに3時間に及ぶ大作。脱ぎ捨てた衣装を吊り下げての群舞が見事。中盤でダンサー志望の仲間の挫折を彷彿させる場面繰り返し感涙。休憩挟み客席側特設舞台での黒田独舞が圧…

猫のホテル / 峠越えのチャンピオン

2012年11月15日14:00 ザ・スズナリ 久しぶり千葉作・演出のフルキャスト作は池鉄離れても中村まこと&しんぺー等揃い、角栄×竹下な冒頭から猫ホテ色全開。ガンツ落ち目政治家好演で政岡泰志の渋い秘書役いい。陳情受け上州やくざ世界へ飛躍も見せ場。

綿矢りさ / ひらいて

2012年7月30日初版 新潮社 自分本位な恋に暴走するヒロイン愛の大胆行動に感嘆。好きな男の彼女=美雪に接近し関係する様は興奮も、夕暮れ教室での告白場面は粗く残念。「サロメ」引用など新境地。美雪の孤立など学校社会の空気感描写が秀逸。

架空の劇団×渡辺源四郎商店 / 震災タクシー

2012年11月11日13:00 アトリエ春風舎 くらもちひろゆきの震災体験を軸にメロスな畑澤工藤味付けでいわきまでのタクシー行き。乗り合わせた人たちの予備校イベントや合コンなどの事情リアル。列車からタクシーに乗り換える様や渋滞や福1の状況描写見事。

ハイバイ / 霊感少女ヒドミ

2012年11月9日16:00 アトリエ春風舎 ポンポンの幻の傑作がム―チョ村松の超絶映像が付き嬉しい復活。幽霊に愛されるだめんず少女ヒドミを上田遥が好演。町田水城と奥田洋平の死者コンビ楽しく、快速カットアップでの岩井秀人ナレーションもフロウ抜群。

町田康 / この世のメドレー

2012年7月30日初版 毎日新聞社 熱海超然第二弾は完全なる小説世界展開し圧巻。新車で筆者の元を訪ねる袂君との会話や駆け引き楽しくムリムリな暴走続き興奮。昼食をどこで食べるかで悩む話を膨らます前半もいいが、沖縄に舞台移しての後半に驚愕。

DULL-COLORED POP / 完全版・人間失格 女バージョン

2012年11月5日19:30 青山円形劇場 活動5年で円形進出は企画短編作の拡大版で太宰名作を現代に置き換え大成功。主人公の色男=葉蔵をコロが好演。葉蔵を愛する女たちに堀川炎や川村紗也ら小劇場の注目女優をちりばめ、舞台上に乱雑に混沌つくり見事。

青年団リンク水素74% / バラバラ姉妹に憐れみを

2012年11月4日14:00 こまばアゴラ劇場 得意のダメ人間たっぷりに抽象美術使い短編オムニバス風でぶつ切れ感。だめんず京子を黒木絵美花が怪演。自己肯定に走って壊れる場面に驚愕。別れ話に付き合うひかり役で野津あおい登場嬉しい。ダメ男コンビも強烈。

青年団+大阪大学ロボット演劇プロジェクト / アンドロイド版 三人姉妹

2012年10月28日15:00 吉祥寺シアター チェーホフの人気作をロボット工場あった地方都市に舞台移しシニカルに空洞化後の日本を提示。ロボット研究の大家だった教授の娘たちが迎える厳しい現実。自分のアンドロイド作り引きこもる三女を井上三奈子が好演。

高橋源一郎 / さよなら クリストファー・ロビン

2012年4月25日初版 新潮社 谷崎賞受賞作は、くまのプ―さんから鉄腕アトムまで子供向けのお話の主人公たちを巧みに載せる7連作。趣き異なる作品並ぶが、末期医療の本読み仕事描く「星降る夜」が出色。父と息子の対話描く「お伽草紙」も愉快。

NODA・MAP / エッグ

2012年10月24日19:00 東京芸術劇場 プレイハウス 新装劇場で新作公演は64年と40年の東京五輪で新競技「エッグ」で奮闘する男たち描き成功。円谷幸吉から満州731部隊つなぐ展開見事だが、椎名林檎の書き下ろし楽曲を黒田育世の振付で歌い舞った深津絵里最高。

シベリア少女鉄道スピリッツ / ステップアップ

2012年10月16日19:30 赤坂RED/THEATER PR不足な新作は染谷景子連続登板も篠塚茜不在残念。屋上舞台に二十世紀少年ら元ネタに思わせぶりに窮屈。積み上がる伏線を数値化し、回収に努める終盤の無理なこじつけ面白いがダレ感も。仮装大賞な大ネタは流石。

劇団鹿殺し / 田舎の侍

2012年10月13日14:00 駅前劇場 駅前復帰は半月以上のロングランで時代劇挑戦のロックオペラ。戦国末期を舞台に野伏せりなアウトロー活躍、オレノ演じた一本松虎蔵のあがきたっぷりな生き様が圧巻。丸山厚人が渋く脇固め。持ち味の劇伴と振付見事。