2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Arctic Monkeys / Humbug

2009年8月19日リリース Domino 2年4ヵ月ぶりの3rdは米国各所で録音のいい意味で期待を裏切る力作。音色太く重厚、BPM抑制し大物の風格。プロデュースにジェイムス・フォード&ジョシュ・オム迎え持ち味のクセに磨きをかけ再度の傑作誕生。

Mos Def / The Ecstatic

2009年6月9日リリース DOWNTOWN RECORDS 待望の4thはMadlib、J Dilla迎え、ローカス時代のオールドファンも納得の1作。SlickRickやKweliと競演のBlackStarリユニオンまでアフロ感も抜群に黒い音満載の16曲に感涙。

ホロビテ / パーフェクト・ハートブレイク♯8

2009年8月30日15:00 aoyama月見ル君思フ 新生水性音楽は得意のダンス封印残念もエヴァパイロットのその後描いて成功。債務背負い込んだ綾波な工藤史子の変貌ぶり強烈。村上寿子が母と子を演じ小劇場の財産と再確認。姉役でザンヨウコ。ライブ挟んで3時間。

ノーマ・フィールド / 小林多喜二―21世紀にどう読むか

2009年1月20日初版 岩波新書 母親が日本人の女性文学者による多喜二論は文学的価値に焦点当てて、その生涯を論じた一冊。多喜二に手紙書く冒頭巻末はベタも、女性関係を詳述するなど女の視点がユニーク。共産党関連は情報少なめで物足りなさも。

ろりえ / 池袋でやるやつ2009夏

2009年8月28日19:00 シアターグリーン BASE THEATER 学生芸術祭に乗り込んだ新作は会場全体をバッティングセンターに変える大胆演出。部活など3エピソード交差も四姉妹のアイドル化展開素晴らしい。ホリプロへの大胆挑戦もよし。客席に網かけるクライマック…

空間ゼリー / 暗ポップ

2009年8月27日19:00 赤坂RED/THEATER 病院のセラピー舞台に生の明暗を描き持ち味。病人中心に暗サイドは斎藤なつ子が自閉症キャラ好演。イケメンへ思い告げるも越えられない壁見せ切なさ満点。明キャラで婚約決めた女医役で小川麻琴。阿部イズム貢献大。

あひるなんちゃら / サマーゴーサマー

2009年8月24日19:30 下北沢OFF・OFFシアター 小都市映画館舞台に夏が終わらない年の宿題対策でナンセンスぶり炸裂。女優陣大幅減きついが黒岩三佳が出ずっぱりで強引に突っ込む役割で機能。映画館にAV借りに来る大学生や近所の書店主登場し不条理な笑い爆…

KIKIKIKIKIKI×ヨーロッパ企画×東京ELECTROCK STAIRS / 対ダン!!

2009年8月23日14:00 吉祥寺シアター 勢いある若手が組んだ注目企画はダンス間にコント挟む不思議構成。きたまり視点で結婚式描くOMEDETOUユニークで、T-Bolan歌詞謎解く永野宗典や本多力の失恋笑えるが、やはりKENTARO!。酒井幸菜ダンス最高で松浦羽伽子も面…

藤木TDC / アダルトビデオ革命史

2009年5月30日初版 幻冬舎新書 『噂の真相』連載でお馴染みの筆者によるストイックで硬派なAV史が完成。ビデオカメラなどハードウェア面の進歩に注目し、誕生前夜のにっかつ映画やビニ本など80年代初期の状況が充実。警察による摘発の推移も詳述。

イデビアン・クルー / 挑発スタア

2009年8月22日19:30 にしすがも創造舎 何と残念な活動休止公演。体育館縦に大きく使い犬神家ばりの有力一族の群像劇。昭和な多様衣装に身を包み怪しき人間関係を見せダンス場面は文句なしのイデビアン流。メンバー個性的で斉藤美音子と井手茂太も存在感。

少年王者舘 / 夢+夜(ゆめたすよる)

2009年8月22日14:00 ザ・スズナリ 昭和初期の駅舎を舞台に筋なしでも豊かなイメージ炸裂し、これぞ王者舘。冒頭から繰り返すずらり倒れた女優陣たちのアンサンブル見事で、プロジェクターワークや言葉遊びにも冴え。黒宮万里演じた人見の挿話も素敵。

国道五十八号戦線 / 反重力エンピツ

2009年8月20日19:30 サンモールスタジオ 過激な計画練るノンセクトラジカルを巧みな構成でみせて大成功。役者名を役柄に使う手法も効果的で、スパイ登場の展開も効果的。ハマサカフミエや細井里佳魅力的も爆弾製造に夢中になる科学者役の新井秀幸怪演光る。

初期型 / The Pop

2009年8月19日19:30 こまばアゴラ劇場 カワムラアツノリの構成・振付による悪ふざけ度満点のステージは裸の男性ダンサーによるシカゴブルズの舞はよかったが客席入り込む脱線続き破綻気味。深見章代がエロキャラ炸裂も、女性陣のダベリ面白く最も笑えた。

青年団若手自主企画 / 昏睡

2009年8月18日19:30 アトリエ春風舎 山内健司&兵藤公美2人企画は、こふく劇場の永山作品を神里雄大が演出する冒険的試み。7つの詩篇で描く生の記録が鮮やか。愛人同士のコミカルな営みの連鎖は、ラストのフラッシュバックで感動生む、外さない演出。

DULL-COLORED POP / マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人

2009年8月16日14:00 シアターモリエール 17世紀フランス貴族社会を舞台に清水那保演じるヒロインの蛮行描く2時間超の大作は細部まで人物描写凝り驚くほどの完成度。W不倫で腐りきった貴族の怠惰も巧みに表現。マリーが毒薬の効果試す慈善病院場面が見事。

肉体関係 / 48

2009年8月15日14:00 こまばアゴラ劇場 京都造形芸大出身の大胆なユニット名もつ京極朋彦と富松悠の東京公演は、体育会系で健康的な四十八手披露も物足りなさ。素舞台で体つけずに連動する動きなど面白いが、タイトル負けで小道具使うなどギミック必要か。

本谷有希子 / あの子の考えることは変

2009年7月29日初版 講談社 高井戸の清掃工場近くに住む23歳女子2人の暴走描き抜群の面白さ。煙突から吐き出すダイオキシンで住民皆が狂うDデー待ち望む汚ギャル日田が最高。芥川賞選考で次点に泣いたが都知事のいる選考委員には選出不能か。

劇団鹿殺し / 回帰 赤とうがらし帝国

2009年8月14日19:00 駅前劇場 20回公演は本来の持ち味見直す回帰作。全編通じ菜月チョビの見事な歌唱力が冴え渡るミュージカル大作。ハードロックな劇伴も健在で、覆面レスラーの娘タエの生き様をド派手エピソード満載で描き成功。ボツ場面集付。

Rising Tiptoe / おしゃべり

2009年8月14日14:00 下北沢小劇場楽園 英会話教師を軸に生徒たちの覚悟の進路描き宇吹萌の作家力発揮。飯島愛モチーフに孤独死盛り込み凄み。中村小麦素晴らしく夢否定する教師&母役の高野亜沙美も存在感。死体清掃員とAV女優という職業選択も効果的。

虚構の劇団 / ハッシャ・バイ

2009年8月13日19:30 座・高円寺 第三舞台時代の賛否両論作を若手役者で挑戦も力量足りず空回りで退屈な仕上がり。チャットモンチー大胆使用のダンスシーンよく大久保綾乃が奮闘も、笑いシーンを外しまくる男優陣に往時の筧利夫らの偉大さを再認識。

NHKスペシャル / 日本海軍 400時間の証言

TV

2009年8月9日21:00、10日−11日22:00 NHK 戦後11年間にわたり軍令部メンバーが開いた海軍反省会の極秘テープが公開。日米開戦は阻止できなかったのか、神風特攻隊は誰の指示だったか、東京裁判で一人の絞首刑を出さなかった対策の中身を3夜連続でみせ衝撃。

CASTAYA Project / LOVE Are You Experienced?

2009年8月11日19:30 こまばアゴラ劇場 出演者不明の謎公演はCASTAYA×LOVEのミックスで新鮮味欠くも面白さ再確認。初日でネタばれしたことを冒頭に字幕で説明し覚悟表明。冒頭あったらしい前説は見当たらなく演目修正か。復活嬉しい石橋亜希子が冒頭から大活…

カナデコトビート / サスラウビート

2009年8月9日14:00 王子小劇場 海岸の民宿を丁寧に再現した舞台に驚くも、修学旅行ばっくれて泊まりにきた高校生3人組やオーナー姉妹と友人など若者たちが集う群像劇は、焦点ぼやけ全体に浅めの内容で物足りなさ。ピンキー女教師のキャラが秀逸。

劇団、本谷有希子 / 来来来来来

2009年8月8日19:00 本多劇場 岸田賞受賞第一作は6女優競演で大詰め強引の悪癖なく大成功。介護の重い現実盛り込み麩焼き工場での嫁たちの地獄絵図を笑いふんだんに見せる手腕に脱帽。りょうが耐えるヒロイン好演も義姉役で松永玲子貢献際立つ。

グラインダーマン / MUSTANG MONO

2009年8月8日15:00 アサヒアートスクエア 待望の5年ぶり東京公演は屋外からスタートし観客が移動して楽しむ圧巻のパフォーマンス。空間活用術も見事で、2人で始まり観客側に潜む演者が次々増えるハプニング性が機能。ボックス被ってのSFな世界観もよし。

磯崎憲一郎 / 終の住処

2009年7月25日初版 新潮社 芥川賞受賞作は11年間会話のない夫婦の日々を読みにくい文章で綴りエピソードの繋がりにも唐突感。文体に新味もなく戸惑い。併録の「ペナント」がさらに混乱の極み。面白みに欠け受賞作の売り上げに不振化も懸念。

青年団リンク 青☆組 / 花とアスファルト

2009年8月7日19:30 アトリエ春風舎 団地内のコミュニティ描くも、川上弘美作品風にクマが入居する展開でファンタジーで消化不良。猫の味付け機能の前作に比べ大胆さ裏目。独身老女と共に阻害感味わうマイノリティ描きクマが被差別人種のメタファーも。

飴屋法水 / 3人いる!

2009年8月7日15:00 リトルモア地下 多田人気作を飴屋構成・演出で日替わりキャスト上演する試みは12作分作る労力重かったか味付け薄くデスロック版上回れず。女性キャスト向けにキャラ書き換え国武綾ら好演。細部まで凝った女子部屋も効果は限定的。

「佐藤の、」 / 肩の上で踊るロマンシングガール

2009年8月2日16:00 新宿眼科画廊スペースO こゆび侍の佐藤みゆき新ユニットは根岸絵美迎え2人芝居。成島秀和脚本&広田淳一演出で起きたら女になっていた男との切ないロマンス。職場に行けない厳しい現実描く詳細よし。根岸の男っぷり見事だがセクシーさも。

月刊「根本宗子」 / 親の顔が見てみたい

2009年8月2日14:00 阿佐ヶ谷シアターシャイン ENBU赤堀クラス生による劇団創刊号公演は兄姉弟の3兄弟のいびつな関係描き腑抜け的もきちんと本谷フォロワー。弟夫婦宅に入り浸る自由な姉役で久保田南美が存在感。鉄拳ポスター貼った壁が寂しい舞台美術は難。