2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ろりえ / 㐂(よろこび)

2012年5月31日19:30 シアターグリーン Box in Box ホモ夫婦に育てられた女の一生を2部構成で描く大作に感涙。前半の志水衿子の元気なカヨ子素敵で相撲のエピソード楽しいが、後半木村香代子に代わり中国へ渡り売春始める展開見事。同僚の梅舟惟永の女優卵ぶ…

円城塔 / 道化師の蝶

2012年1月26日初版 講談社 芥川受賞作は旅先で複数言語作品残した友幸友幸と彼を追いかけたAエイブラムス軸に主体動く展開難解だが、猫の下で読むに限る移動者たちの言語考察面白い。併録「松ノ枝の記」は日米翻訳合戦が異様な展開みせ興奮。

時間堂 / ローザ

2012年5月26日15:00 王子スタジオ1 自作は3年ぶり新作は革命家Rルクセンブルク扱う4人芝居。墓参した4人の縁者がローザ演じる展開無理あり騒音多い空間で大人しめ演出裏目。が、窪田優のローザ迫力あり20世紀初頭の革命運動の輝き垣間見せ興奮。

バナナ学園純情乙女組 / 翔べ翔べ翔べ!!!!!バナ学シェイクスピア輪姦学校(仮仮仮)

2012年5月26日13:00 王子小劇場 もはや演劇的事件なバナ学の挑戦はシェイクスピア作リミックスし意味不明なカオス化もゴミまみれ、体当たり演出で見応え抜群の45分。リア充でリア王な秋元康も登場しAKB大胆活用。浅川千絵爆走、W吉原も健闘。

はえぎわ / I'm (w)here

2012年5月20日14:00 ザ・スズナリ 岸田受賞第一作は役者実名登場の痛い群像劇つらなり圧巻。「クリープ」大胆使用し、笠木泉がマンガ家役を好演し劇に安定感。川上友里の飛ばしっぷり見事で役者のキャラ立ち抜群も地味さ強烈。素舞台だが壁が存在感。

溝口敦 / 暴力団

2011年9月20日初版 新潮新書 ですます調で暴力団の実情を過不足なくまとめた一冊。その生活ぶり、志望動機や人間関係も詳らかに警察に追い込まれる現実くっきり。海老蔵事件で注目された暴走族あがりの半グレ集団の台頭もしっかり押さえて充実。

東京ELECTROCK STAIRS / 最後にあう、ブルー

2012年5月19日15:00 こまばアゴラ劇場 本公演5回目はチームワークに磨き。音楽自己完結し小じんまり感も個々のキャラ立ちばっちり。ショートカットな川口真知いいが、横山彰乃ら格好よさ。高橋幸平と絡む山本しんじ楽しい。ラインの作り方も凝って奏功。

しらがさんち。―白神ももこのソロダンスと愉快な仲間達の宴。―

2012年5月13日19:00 豆茶房でこ 府中是政の白神母経営茶房でソロ公演は音楽やぶくみこ味付け楽しく1時間。父のコミカルMCにあわせ踊る三十路ダンス最高。会場照明リモコン活用したアイデアも奏功。充実トークに一人芝居もベルバラにオペラ版ロミジュリも。

宮沢章夫 / ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット第三集

2011年8月30日初版 新潮社 歌舞伎町の火災事故モチーフに西新宿レコード屋界隈の01年9月の日常描いて興味深い。文章の粗さ不思議も丸正から逃げる終盤迫力。併録「返却」の八王子の都立図書館探しも面白く、アメリカの鱒釣りの挿入効果的。

マームとジプシー / マームと誰かさん・ひとりめ 大谷能生さん(音楽家)とジプシー

2012年5月12日17:00 SNAC 45分ミニ企画は作品タイトル「亡霊」で音にまつわる2人芝居。青柳いづみが売れない歌手を迫力の熱演で魅力炸裂。佐波谷とのリフレイン充実。音楽の大谷しっかり参加しバチバチ照明も効果。レコーディング楽しい。

渡辺源四郎商店 / 翔べ!原子力ロボむつ

2012年5月6日13:00 ザ・スズナリ 核廃棄物処理施設受け入れた南むつ町の町長軸に未来に技術革新任せる無謀さをコミカルに描き出色。冷凍睡眠繰り返し1000年単位で目覚める展開奏功。世界中の核廃棄物引き受けるリンゴ王国の繁栄と破綻に現実味。

庭劇団ペニノ / 誰も知らない貴方の部屋

2012年5月3日18:00 阿倍野 LOXODONTA BLACK 変態度5割増しの1時間。はこぶねの狂ったセット持ち込み「苛々する大人の絵本」な上下2階構造。弟がつくり続ける兄の人形がリアルでラストのオチ見事。瀧口タエコら名人芸の域。ただ男根のイメージ具体化は困惑。

角田光代 / 曾根崎心中

2012年1月1日初版 リトルモア 近松代表作翻案は元禄期の悲しい運命生きるお初の心情を丁寧に描いて大成功。遊郭の生々しい描写も巧みに、切ない生い立ち、堂島新地に来る前の島原のエピソードも効果的。徳兵衛への想いも説得力抜群のリアリティ。

ナイロン100℃ / 百年の秘密

2012年5月1日19:00 本多劇場 Tワイルダーな世界観挑戦が奏功。犬山イヌコと峯村リエ演ずる2人の友情と秘密を軸にベイカー家の栄枯盛衰も巧みに描く3時間半の大作で抜群の完成度。萩原聖人の恋情の狂気いいが犬山が少女も老女も演じきり圧巻。