2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ナイロン100℃ / 犬は鎖につなぐべからず〜岸田國士一幕劇コレクション〜

2007年5月31日19:00 青山円形劇場 岸田國士一幕劇7本を同じ町に設定しリミックス。大正〜昭和初期の市井の日常描き出し、ナイロン役者陣の充実に加え、緒川たまきが往時の女性像を見事体現し鎌倉行きの場面は秀逸。前半バラバラ感も後半結実し圧巻。(やま)

しまおまほ / まほちゃんの家

2007年2月22日初版 WAVE出版 独特の素直な文体で綴る島尾家3代の微笑ましい一族史。豪徳寺での親子3人での日々が瑞々しく、幼児期から学生時代、近況に近い時期まで微笑ましいエピソードが満載。祖父・島尾敏雄の文学の背景もたっぷりで貴重。(やま)

桟敷童子 / 軍鶏307

2007年5月27日19:00 鈴木興産株式会社2号倉庫内特設劇場 倉庫内に戦後間もない九州の被差別病院再現。けが人出し初日から5公演中止もメンドリさん等社会の弱者描き力強い作風を破たんなく見せ到達点。激しい雨降らせ迫力十分。看護婦役板垣桃子の凛とした美…

ワワフラミンゴ / ウォーターメロン/葬式/他

2007年5月27日13:00 下北ファインホール 通常より公演時間10分長めの新作はホワイトボード使い文字や絵使いユニークさ具体的。女の子同士の組織内の関係性鋭く振付けも楽しい。窓開け外ノイズも味方につけた。ラストの西瓜を一人黙々と食べるシーンは圧巻。…

文学座(作:佃典彦×演出:松本祐子) / ぬけがら

2007年5月26日14:00 湘南台文化センター 岸田戯曲賞受賞作を初演同様に文学座で再演。次々と脱皮して若返る父の走馬灯な設定秀逸だが時代背景の豊かさを生かしきれず残念。妻に逃げられ郵便局をクビになった主人公と父の精力的な活躍のコントラスト鮮やか。…

チャリT企画 / アメリカをやっつける話

2007年5月20日14:00 王子小劇場 表題から痛快な内容を期待も新歓中のアメ研舞台に左翼のレッテル貼られ真面目な者ほど居場所失う残酷な結末。劣化ウラン弾告発立て看撤去するのがサークルの仲間という皮肉。時間のねじれ使い終戦時の反米意識挿入。(やま)

日中共同プロジェクト(李六乙×平田オリザ) / 下周村−花に嵐のたとえもあるさ−

2007年5月19日13:00 新国立劇場THE PIT 贋作づくり盛んな中国奥地の村の日系企業工場で遺跡見つかり考古学チームも交え巧みに展開も後半脱線ひどく演出に難。プロット破綻し字幕も読み切れず冗長なイメージ展開に辟易。連勝オリザにも「天の煙」以来の土。(…

エドガワアドリブギルド / BCC:アウトルックは止まらない

2007年5月13日18:05 銀座小劇場 郊外営業所舞台にシラノ的要素加え間抜けなメール誤信によるラブコメディ。割引計算ミスから生じる粉飾決算騒動効果的。目と鼻くり抜いたバケツ楽しい。マドンナ役の平澤佳子が大当たり。舞台美術課題で抽象化必要。(やま)

jorro / トライアウト

2007年5月12日14:00 王子小劇場 ポツドール、少女単体に参加した富田恭史の新作は中野のBARを舞台にダラダラとした時間見せ一人の女の死と無関心描くが「愛の渦」に似た構造。結婚パーティでの純な挿話とガールハントの対比鮮やか。石澤彩美も健在。(やま)

ヨーロッパ企画 / 冬のユリゲラー

2007年5月8日19:30 ザ・スズナリ 再演を重ねた代表作はクリスマスの話で「雪組」。人目忍び喫茶店に集う超能力者たちの技の見せ合うDocomo2.0のCMの元ネタ的展開見事。諏訪雅演ずるADの身を案じる心優しき男たちの間抜けな奮闘に感動。(やま)

あひるなんちゃら / 屋上のオフィス

2007年5月6日14:00 王子小劇場 衝撃の無料公演は劇団員のみ3人出演でも持ち味出た不条理コメディで1時間。雨が降れば休みという屋上の謎の会社舞台に黒岩三佳が攻撃的ボケ展開。別会社の異人=根津茂尚登場で時間経過巧みにカオスへ落とし成功。(やま)

唐組 / 行商人ネモ

2007年5月5日19:00 花園神社特設紅テント ノーチラス号のネモ船長最新作は発想突飛過ぎる2部構成。ドラム型洗濯機から唐十郎登場。豆腐屋の仕掛けも郷愁誘う。藤井由紀が流しの縫いっ娘役で露出度高め。十貫寺梅軒は怒れるハンガー屋役もインパクトは後退。…

ヨーロッパ企画 / 苦悩のピラミッダー

2007年5月5日14:00 駅前劇場 2000年作品連続上演企画第一弾、「砂組」公演は紀元前のエジプトでピラミッド建設を計画する閣僚たちの姿をコミカルに描き成功。石田剛太(民生大臣)、酒井善史(宰相)、松田暢子(財務大臣)ら巧者揃い笑いも満載。(やま)

無名十大劇団合同公演 マクベス

2007年5月4日19:30 @舞台芸術公園野外劇場・有度 億土点の演出にチャリT企画、ひょっとこ乱舞等役者集い、野外の黒泥上の舞台に興奮。乞食的ボロ纏ったケバケバ魔女の造形に感心。中村早香の手の動き最高。セリフ回し凡庸も終盤戦闘場面は泥飛び旗上げ演出…

Noism07 / PLAY2PLAY-干渉する次元

2007年5月4日15:30 静岡芸術劇場 空間(田根剛)、音楽(トン・タッ・アン)、衣装(三原康裕)とコラボは干渉テーマに制約下で金森穣の振付調和し奏功。金森出演なしもダンサー陣充実で美し過ぎる舞い、流れに酔う。宮城×金森対談は行政支援考察。(やま)

SPAC(演出:鈴木忠志) / AとBと一人の女(別冊別役実)

2007年5月3日18:30 舞台芸術公園BOXシアター 公演場所いいがデビュー作再挑戦は現代風アレンジがウラ目。もはや別役作品とはいえない惨憺さで、原作忠実な再演を希望。が、Bを演じた加藤雅治のタラタラの汗は迫力。鈴木×宮城トークは小劇場史も俯瞰でき充実…

奥田英朗 / 家日和

2007年4月10日初版 集英社 6つの読みやすい在宅ドラマが並ぶも全体に緊張感に欠ける食い足りない内容で低調。平凡な30〜40代のサラリーマン等の生活は切実さもなく陳腐。意外に難しいテーマで企画に敗れた格好。傑作「ガール」後だけに残念。(やま)

五月大歌舞伎 團菊祭(女暫/雨の五郎/三ツ面子守/神明恵和合取組-め組の喧嘩)

2007年5月1日16:30 歌舞伎座 菊五郎の地力発揮の「め組の喧嘩」が見事。辰五郎の鳶の組合を背負う男の器量、江戸っ子としての意地をうまく見せた。相手の相撲部屋は成田屋で固め、ライバル対決の構図も鮮明。女暫はラストの三津五郎が格の違い。(やま)