2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

マシュマロウェーブ / かけちがい

2008年9月30日19:30 サンモールスタジオ キャバクラ「エンペラー」を舞台に現出させ、分離独立の動き交えボーイやキャバ嬢の日々の悩み描き成果。オーソドックスで地味でも老練な料理法が印象的。ショーシーンが最高。ルドビコ主宰の桜木さやかが貫禄。

KAKUTA / STAR MAN

2008年9月29日19:30 青山円形劇場 Dボウイ人気曲モチーフに高原舞台にキョドリ系男の不器用な純愛描いて見事な成果。歳月の往来巧みに事件の真相明らかにされる展開上手い。主人公とコントラスト描く大枝香織ら演じた学生仲間もよくチャラさリアル。

The Diver(作・演出:野田秀樹、共同脚本:コリン・ティーバン)

2008年9月28日19:00 シアタートラム 源氏物語と能「海人」と現代事件モチーフに英国人役者と組んだ全編英語作は、意義も策に溺れ面白み出ず残念。囃子方は充実贅沢。放火容疑者でCハンター好演も嫌がらせ電話かけまくる葵役の野田の怖さ光り情念表現。

毛皮族 / 暴れて嫌になる夜の連続

2008年9月28日14:00 THEATER/TOPS 小学生の左翼運動、占拠した船上で繰り広げる筋立よく女教師と恋人巻き込みスリリングな展開も後半だれて残念。見せ場はやはりアラビアンナイトショー部分でコスチーム、振付け文句なし。客席の川上未映子も存在感。

オムトン / BankART Cafe Live 

2008年9月27日20:00 BankART NYK 横トリに書き下ろした新作「omu-life」発売記念ライブは運河脇倉庫の立地生かす嬉しい一夜。グロッケン2人弾きも効果。ボンゴなどパーカッションも絶妙。新曲「G-rock 」ではメンバー飛び撥ね興奮。

アトミック・サバイバー〜ワーニャの子どもたち(構成・演出:阿部初美)

2008年9月27日15:00 川崎市アートセンター 核燃料再処理工程をミニチュアで再現、ユーモア満載にレポートしドキュメンタリー演劇の新機軸。雨の六ヶ所村ビデオレポートも圧巻。事故対処ソングとろろ昆布も楽しく怖く大成功。アナウンサー役の谷川清美が躍動。

アル☆カンパニー(作・演出:青木豪) / ゆすり

2008年9月25日19:30 SPACE雑遊 平田井上夫妻主宰劇団新作はグリング青木を作・演出に迎え3人芝居。家賃収入で暮らす兄妹の家に平田演ずる元下宿人が登場し2人の過去に言及しゆする心理劇もベテラン陣への演出苦戦か。説明的な台詞多く眠い展開。

ナイロン100℃ / シャープさんフラットさん(ホワイトチーム)

2008年9月23日14:00 本多劇場 結末も違う15周年Wキャスト公演の三宅弘城版はみのすけ&犬山イヌ子不在痛くナイロン風味欠く。サトエリの地味な起用法も惜しい。ケラの半自伝的エピソード展開もバブル当時の劇団内部事情が生々しく露骨で重め。

東京デスロックREBIRTH#2 / 演劇LOVE 2008〜愛の行方3本立て〜「CASTAYA」(倦怠期)

2008年9月22日20:00 リトルモア地下 素舞台に1人女優が直立不動&台詞ゼロで45分見せるケージ「4'33"」的超実験作に場内騒然。笑顔、泣き顔みせ終え、劇中ポストトークも主演韓国人女優と多田CASTAYAら3人で韓国語の無意味会話で驚愕。

ジュリアン・オピー、ブライアン・イーノ、ビル・ヴィオラ、やなぎみわ、他 / スティル/モーション 液晶絵画展

ART

2008年8月23日-10月13日 東京都写真美術館 動き使える特性生かした作品揃え興味深い展示。70年代のBヴィオラ「プールの反映」が見事で到達度に感嘆。お洒落なオピー作品もお洒落で部分的動きにセンス。イーノのスローモーションと音楽の融合も味わい深い。

中野成樹+オオカミ男,の短々とした仕事その4 / ちょっとした夢のはなし〈演劇/映画〉

2008年9月21日14:00 STスポット Tワイルダー「楽しき旅路」を同じキャストで演劇と映画で見せる試みは演劇に軍配。中野成樹の誤違訳が、家族内の喧嘩切なくチャーミングで唸る。古きアメリカを現出しリアリティ。映画はモロ日本な内容断行が裏目。

佐野真一 / 甘粕正彦 乱心の廣野

2008年5月30日初版 新潮社 功罪含めて甘粕に惚れ込んだ新作長編は長すぎる大作。甘粕の魅力への賛同はともかく、読みどころ満載で満州での憲兵たちの残忍ぶり描写見事だが、大杉栄&伊藤野枝殺害時のエピソードが秀逸。次は大杉伝挑戦を希望。

ピチチ5 / 全身ちぎれ節

2008年9月18日19:30 三鷹市芸術文化センター 星のホール 中規模ホールで悪い予感は的中。大きな舞台持て余し千葉雅子起用も空振り。意外なほどの上品さで持ち味発揮できず退屈至極。頼みのオマンサタバサも2枚目キャラ残念だがラストのリアル階段落ちはゴキ…

FABRICA[11.0.1] / LOST GARDEN

2008年9月16日19:00 赤坂RED/THEATER 踊る大捜査線の本広克行が高井浩子戯曲を巧みに料理。メタ演劇の面白さ満点に劇をつくる者たちの心理巧みにみせ成功。永野宗典ら小劇場の旬集うキャストも充実で3姉妹役も魅力的。安藤聖も持ち味、平田裕香も機能。

THE SHAMPOO HAT / 葡萄

2008年9月16日14:00 ザ・スズナリ 畳の縁側を舞台に刑務所から出所の男を自宅に喜んで迎える夫と嫌がる妻を軸に2階の引きこもり息子アクセントに赤堀らしい偏執性。不器用な者が集う間抜けで切ない世界観もカタルシスは低め。いせゆみこ起用嬉しい。

チャリT企画 / ネズミ狩り

2008年9月15日14:00 王子小劇場 蕎麦屋舞台に駄弁コメディは死刑問題うまく料理し成果。チャリTの手腕と劇作上達顕著で岸田賞候補希望。少年院出身者を雇う協力雇用主へのバッシング、冤罪疑惑でも死刑強要する社会の怖さも迫力で震える傑作誕生。

東京デスロックREBIRTH#2 / 演劇LOVE 2008〜愛の行方3本立て〜「ジャックとその主人」(蜜月期)

2008年9月14日17:00 リトルモア地下 3本同時企画の蜜月編は三条会より橋口久男を呼び、佐山和泉との2人芝居でディドロの難解作に挑戦し苦戦。後半、目隠ししての演技も効果薄い。天井に台本用紙貼り付けただけの舞台よく、橋口の力み顔を真っ赤にさせる演技…

東京デスロックREBIRTH#2 / 演劇LOVE 2008〜愛の行方3本立て〜「HERE I AM-ドン・キホーテがやってくる!-」(発情期)

2008年9月14日14:00 リトルモア地下 夏目慎也奮闘の一人芝居は、素舞台で白い壁に戦いを挑むシーンが面白い大胆な演出。セルバンテスの長大小説のコミカルさ、間抜けさを強調し、各章の内容を猛スピードでプロジェクタ表示した場面も衝撃的カッコよさ。

王立フランドル劇場(KVS)&トランスカンカナル(ベルギー・ブリュッセル) / 森の奥

2008年9月13日14:00 こまばアゴラ劇場 平田オリザが王立劇場に書き下ろした新作はカガク3部作番外編。元ベルギー領コンゴ舞台にボノボ飼育・研究者たちをベルギー人が演じて、字幕で読む現代口語演劇。切実な過去が語られキャラ明確も役者の魅力は微妙。

COLUMBA / ねもと

2008年9月12日19:30 STスポット 石神夏希がみた夢を元に居酒屋「ねもと」舞台に合コン仲間を偲ぶ飲み会描く異色作。おしぼり男登場の不思議感も畳の舞台がベタ。枝豆ダンス場面圧巻。トークで被り物し登場の中野成樹と石神は各国の昔話分析が充実。

昼ノ月 / 顔を見ないと忘れる

2008年9月11日19:30 調布市せんがわ劇場 鈴江俊郎が二口大学&押谷裕子と組み東京初見参は刑務所での夫婦面会描く2人芝居。つまらない窃盗繰り返す男と付き合う女のどん底の切ない日常見せ圧巻。都合つけて来所も面会許可は不明の現実など制約情報も意義。

リンゴ企画2008 近藤的ダンス革命ロングラン【立体絵本】 / あの山羊たちが道をふさいだ パート2

2008年9月9日21:45 神楽坂セッションハウス 毎晩遅く開演し3方観客囲むフラット細長ステージでの注目企画はコンドルズに加え豪華女性ダンサー集い画期的企画。藤田桃子がユーモラスな存在感で持ち味。森下真樹も貫禄。ティッシュ用意しアダルト展開も楽しい。

カナデコトビート / ルーティンワークけけけ

2008年9月7日14:00 早稲田どらま館 早大演劇倶楽部の相馬加奈子主宰ユニット第2弾はカフェで働くヒロインを期待の新星実力派清水穂奈美が好演。実家に戻って母看る日々と東京のバイト先の配置も絶妙。赤坂サカスなどリアルな面白み満載でセンスよし。

絲山秋子 / ラジ&ピース

2008年7月30日初版 講談社 仙台から群馬に引っ越しFM局のDJを始めた三十代ヒロインの仕事と日々の生活が渋く描かれ味わい。高崎から前橋のローカルネタ満載、ロック関連も多用。併録「うつくすまふぐすま」は回文女子2人の中野香奈登場。

競泳水着 / 真剣恋愛

2008年9月3日19:30 王子小劇場 トレンディドラマ新作は直球の胸キュンドラマ炸裂。複数場で同時進行する恋の行方きっちり見せた手腕は評価。黒木絵美花の女子アナがヤバく、元彼と電話やり取り巧い。清水那保がうぶな教師を好演。梅舟が女子高生。

ピンク、劇団山縣家、快快、FUKAIPRODUCE羽衣、凪川アトム、冨士山アネット / EKKYO-!

2008年9月2日19:30 ザ・スズナリ 超豪華布陣揃うオムニバス企画は既視感強め。快快はアル中の居候との女2人暮らしを大道寺梨乃が1人二役で演じる独り芝居で、山崎こーじ背景担当する実験性も退屈感。持ち味コンパクトにまとめたFUKAIが完勝。

吉田修一 / さよなら渓谷

2008年6月20日初版 新潮社 傑作「悪人」に続く新作は「週刊新潮」連載のピカレスクものでヒット。殺人事件容疑者に張り込む週刊誌記者の生活の憂鬱と、容疑者隣人の過去が残酷。学生時代の過ちで人生狂った2人の厳しい運命がリアルで切ない。