2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

NODA・MAP / 贋作・罪と罰

2005年12月29日19:00 シアターコクーン ロングラン再演はドストエフスキー作を明治維新舞台で素直に物語。随所で演出工夫し非凡ぶり見せるも一本調子のヒロイン松たか子の直球ラストで凡庸な印象。豪華役者陣も手堅い演技目立つなか中村まこと個性光った。(…

乞局 / 雄日葵

2005年12月29日14:00 王子小劇場 東北の古都にある料亭舞台にサスペンス。隠した死体が発見されベトナム人男が犯人にされる展開に唸るも、ラストはこの地方に群生する雄日葵を絡めたB級ホラーに落とす潔さに驚き。役者陣健闘し、演出も格段に上達。(やま)

ピンク / 子羊たちの遊覧船

2005年12月28日15:00 銀座・Pepper's Gallery(ペッパーズギャラリー) 黒沢美香&ダンサーズ発の女子3人組初単独公演は予想外に面白く会心の出来。素直じゃない動き連発しコンテンポラリー魂。早い動きの群舞も見事に決まり、アイドル的なルックスでブレイ…

近代ナリコ / インテリア・オブ・ミー 女の子とモダンにまつわるあれこれ 

2005年6月25日初版 PARCO出版 ミニコミ誌「modern juice」が単行本化。京都発ガーリー全開で、水森亜土や宇野亜喜良らを支持。部屋のつくり方へのこだわり、膨大なマイナー書紹介しての女性位置考。80年代初めまで男子の部屋を飾ったペナント考察が最高。(…

レパートリーの創造2005(作:平田オリザ×演出:フレデリック・フィスバック)/ ソウル市民

2005年12月25日14:00 シアタートラム 第一線の劇作家戯曲の可能性引き出す第2弾は1909年のソウルに住む日本人の生活描く平田オリザ代表作をフランス人が演出。大胆な舞台、モニター使い方など新味も青年団に遠く及ばず。小手先の工夫不要な傑作と再確認。(…

創造者remix / 「新聞のすみっこに載ってる小説」(作:石神夏希、演出:中野成樹)、「dulcinea」(演出・振付:鈴木ユキオ)

2005年12月23日15:00 stスポット 若い夫婦のもとへ炭のセールスマン登場し中野ワールドの魅力深まる。注目作連続出演の岩本えり好調で「甘い生活」。新聞連載の不倫小説に反応する男の嫉妬と愛の賛歌鮮やか。2本目はTCAの煌きなく粗いドンキホーテ。(やま)

alt.、ほうほう堂×チェルフィッチュ、康本雅子、Off Nibroll、ボクデス&チーム眼鏡、マーブル、他 / 吾妻橋ダンスクロッシング(Holy Night Special)

2005年12月22日18:30 アサヒアートスクエア 桜井圭介の好評ダンスオムニバスは、やや難解路線。ほうほう堂も持ち味出せず、康本の安定感が光る。宮沢章夫は北川辺継続で水の入ったグラス並べインスタレーション。ボクデスの出番多いが山縣太一が抜群の存在感…

本谷有希子 / 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

2005年6月30日初版 講談社 代表作小説化は三島賞候補も納得の面白さ。ど田舎に暮らす和合家の過激で生々しいドラマをドライに描き、舞台とは異なるテイスト。上演時あった笑い省き、兄、姉、妹、嫁の動きを章分けて巧みに語り異才ぶりに感嘆。(やま)

2005/2006 ISUフィギュアスケート・グランプリ・ファイナル

2005年12月18日15:30 国立代々木競技場第一体育館 3日目はエキシビジョンも大入り。18歳の誕生日迎えた安藤美姫も4回転サルコウ決め復活の兆し。五輪候補4人全員がトリノへの切符取り宣言。中野も浅田も織田も転倒したが、採点なく和やかな雰囲気に華麗技を…

町田康 / 東京飄然

2005年10月25日初版 中央公論新社 東京をぶらり旅する企画は山口瞳「新東京紀行」へのオマージュか。王子や新橋をムダに歩き町田節全開のパンチラインで噴き出す笑い連続技。鎌倉〜江の島の小旅行は長めに失敗する旅。パンクな最終章も最高。感嘆符。(やま)

2005/2006 ISUフィギュアスケート・グランプリ・ファイナル

2005年12月17日17:40 国立代々木競技場第一体育館 浅田真央の大会との印象を決定づけた2日目はフリー。ヒリヒリするガチンコ勝負展開。全員が名古屋出身者の女子でも3位争い熾烈。会場の支持受けた中野成功の後で安藤がミス連発し自滅。浅田は安定した滑りで…

2005/2006 ISUフィギュアスケート・グランプリ・ファイナル

2005年12月16日20:30 国立代々木競技場第一体育館 初日ショートプログラムから女王スルツカヤ対15歳のアンファンテリブル浅田真央の頂上決戦。互いが完璧に演じ格の違い。安藤美姫復調も客席の7割占めた女性客敵に回しアウェー。場内中野支持の現実で過酷な…

クリウィムバアニー / 愛妓ハンバーグ

2005年12月15日19:30 森下スタジオ イデビアン3人が始動のユニットは女子のみ8名でガーリー天国。娘。「Mr.ムーンライト」で始まるダンスに魅了。井手風もありコンテンポラリー展開。場内にしっかり舞台つくり充実。佐藤想子の無表情な動きも光った。(やま)

グリング / 海賊

2005年12月13日19:30 ザ・スズナリ 30代からの引きこもり描き驚くべき完成度。水軍伝説ある地方都市舞台に理容店営む夫婦とその兄妹絡め経済問題入れ奏功。癖も効果的。峯村リエや内田慈安定だが主演中野英樹も挫折エリートらしく演じ充実キャスト。(やま)

劇団、本谷有希子 / 無理矢理

2005年12月11日19:00 吉祥寺シアター 待望新作は仕掛け満載のお化け屋敷に棲む病んだ者たちの群像劇。辻修が小学生役で持ち味発揮しコミカルかつシリアス挑戦で大成功。母役の吉本菜穂子も流石だが、核となる高田聖子&菅原永二が輝かず全体散漫な印象。(や…

十二月大歌舞伎(御所桜堀川夜討弁慶上使/猩々/三社祭/盲目物語)

2005年12月11日11:00 歌舞伎座 谷崎作の盲目物語が出色で、玉三郎演ずるお市の方を慕う秀吉と盲目の弥市2役を勘三郎が見事に演じて感涙の大詰琵琶湖。柴田勝家を橋之助、淀君を七之助も適役で圧倒的完成度。親子で夫婦役も異形カップルには効果。(やま)

横浜トリエンナーレ2005 アートサーカス

ART

2005年9月28日-12月18日 横浜山下埠頭3号・4号上屋 愛知万博の100倍面白いイベントは動員も見事で15万人突破。磯崎新降板で急造川俣正体制が機能。倉庫活かし場所よく奈良美智+grafもいいが無名アーティストもマッチし豪華面子揃った01年版を上回る出来。(…

メロン記念日コンサートツアー2005冬 今日もメロン明日もメロン、クリスマスはマスクメロンで!

2005年12月10日18:30 大阪厚生年金会館 1年ぶりの単独ツアー初日は今年のハロプロ・ベスト・ライヴ。程良く熟成した極上メロンが新曲無くとも豊穣な過去曲で一口毎に多彩な味を醸し出した2時間半。感極まった柴田、斉藤が落涙し、鳴り止まないメロン・コール。(…

新生快楽亭ブラック毒演会 大阪編 ナニワ借金道の巻

2005年12月9日18:30 トリイホール 2千万の負債、一門除名、心筋梗塞による死の淵からの生還と激動の4ヶ月を経て高座復帰したブラック師は杖を突きながらも、相変わらずの下ネタ全開で4席。入院騒動記では、地獄八景小噺に吉朝師も登場。やはり生きてこそ。(…

絲山秋子 / ニート

2005年10月31日初版 角川書店 続編「2+1」と連作仕様の表題作はニートよりはヒモな男との日々描き、ほっとけないキミを食わせる女の本音描き上手さ。「ベルエポック」の透明感あるやさしさに比し「愛なんかいらねー」で官能濃厚にスカトロへ挑戦。(やま)

reset-N rare-track / DUST

2005年12月6日19:30 吉祥寺・bar drop 10周年企画はホーム的にクラブを使い東京のフォークロア(都市伝説)を現出。DJイベント重ねて、終了後の朝を演出。猟奇的エピソードもしっかり恐く性転換の挿話も効果的。「男役」町田カナの身長の高さも印象残る。(…

吉例顔見世興行 中村鴈治郎改め坂田藤十郎襲名披露 夜の部

2005年12月6日16:45 南座 菊五郎、秀太郎、吉右衛門、仁左衛門と豪華競演の本朝廿四孝は、藤十郎の八重垣姫が比類なき素晴しさ。武智思想継承し、文雀監修の下、文楽様式を大胆に導入し、奥庭の人形振りは三人遣い。丸本の真髄ここに極まれり。(飯野形而)

青年団 / 砂と兵隊

2005年12月4日13:00 こまばアゴラ劇場 火野葦平「麦と兵隊」モチーフに新境地。砂敷き詰めた舞台で場面固定せず砂漠を進む日本人描く不条理劇に挑戦。完成途上だが役者陣が意外な頑張り。新婚ペアや家族ら日本人が終演後も下手から上手へ行進続け暗示的。(…

NHKスペシャル / 絶滅から救えるか アムールヒョウ 〜ロシア沿海地方の森〜

TV

2005年12月3日21:00 NHK 現存わずか30頭で絶滅危機のアムールヒョウを追った傑作ドキュメンタリー。隠しカメラが捉えたのは異常な生態。開発進み孤立する保護区で近親交配の危機。繁殖期に親子のヒョウが闇に消えていく残酷なラストに激泣。(やま)

ブラジル / おしっこのはなし

2005年12月3日19:00 サンモールスタジオ 若手劇団から注目役者を揃えて2つの病室舞台に異色作。余命3ヶ月の女の子が選んだのは飲尿がテーマの官能小説執筆。バイト先の喫茶店の面々と清潔感もたせ絡んだ近藤美月見事だが、暴走看護婦演じた葛木英の圧勝。…

北村曉夫 / ナポリのマラドーナ

2005年11月2日初版 山川出版社 1990年ナポリでのW杯準決勝、国家分裂の危機のイタリア×アルゼンチン戦導入にイタリアの南北問題、驚くほど差別的言説の数々紹介。アルゼンチンとの移民の変遷も明確でサッカーほとんど触れぬも圧倒的面白さ。(やま)

吉例顔見世興行 中村鴈治郎改め坂田藤十郎襲名披露 昼の部

2005年12月2日10:30 南座 231年ぶりに大名跡復活させた藤十郎の曽根崎心中お初は熱情溢れる濃厚さ。復活狂言の夕霧名残の正月は10月歌舞伎座の河庄の完成度に比して薄味。菊之助の京人形は桟敷を埋め尽した祇園町御連中に負けない艶やかさ。(飯野形而)