2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

小林賢輔

2008年5月 待望の新作CDはセルフタイトルの6曲入りで「translucia」や「frevo」などフツーにきれいな曲と並んで、懐かしのハポンでのライブから「19999」も収録。変態度抜群の「性徴」にはベースで大高直樹、ギターで青木雄一郎参加嬉しい。

虚構の劇団 / グローブ・ジャングル

2008年5月25日14:00 シアターグリーン 旗揚げ公演は、死のうとする者だけに見える幽霊を置き第三舞台の青春性再び。ロンドンの日本人たちが「へっこきよめ」公演を準備する過程を描きダンス場面も効果。元AV女優役をポジティブに演じた大久保綾乃が輝く。

渡辺源四郎商店 / ショウジさんの息子

2008年5月24日14:00 アトリエ春風舎 Oヘンリー作「賢者の贈り物」下敷きに宮越昭司演ずる80歳のショウジさんと娘婿の50男の切ない2人暮らしの一幕で感動。初演の福士賢治版「ケンちゃんの贈り物」超えられなかったが、工藤静香が新境地で意外に味も。

永江朗 / 新・批評の事情―不良のための論壇案内

2007年6月初版 原書房 好評作第2弾は同時多発テロ以降の右傾化した言論界の注目論客を30人超集め、そのブレない立ち位置に清清しさも。内田樹、小熊英二、三浦展、玄田有史、菊地成孔、陣野俊史、ドン小西、遠山周平ら多様に紹介し意義。

阿佐ヶ谷スパイダース / 失われた時間を求めて

2008年5月18日18:00 ベニサンピット キャスト絞りオールビー「動物園物語」な不条理劇挑戦も新味なく半端感。いまの自分を出すことの意外な難しさ顕現。奥菜恵の巧さも十分には引き出せず起用法に疑問も。次は何かよくわからないけど面白い作品を希望。

快快(faifai) / ジンジャーに乗って

2008年5月17日17:00 王子小劇場 小指値から改名の新ユニット第一弾はゴドー待ちも意識し何もやらないことをテーマにロングラン挑戦。セグウェーを大胆に活用。打ち合わせの飲み会も詳細に検証、再現して見せる実験性も、大胆なカラダの動きが秀逸。

辛酸なめ子 / 女子の国はいつも内戦

2008年3月30日初版 河出書房新社 女子学生が学校生活をいかに生き抜くか、驚くほど真面目に処世術指南した1冊。女子校での生き方は生々しくリアルで面白い。共学版含め、どのグループに所属すればいいか具体的に本気でアドバイスし実用書の一面も。

ブラジル / さよなら また逢う日まで

2008年5月11日14:00 こまばアゴラ劇場 仲間の出所で久しぶりに集結の強盗たちの新計画は誰が裏切り者なのか疑心暗鬼になる展開。中川智明の含みたっぷりの表情が難しい設定を成立。長身こいけけいこが犯罪者の一味演じらしさ発揮。谷村実紀の悪女も成功。

風琴工房 / hg

2008年5月10日19:00 ザ・スズナリ 水俣病扱う新作は神経質な2部構成。チッソ工場内の会議「猫の庭」は排除と葛藤を描き秀逸。水俣の現在を施設の紹介で見せる「温もりの家」は窮屈な印象。終演後の水俣フォーラム実川氏とのトークは内容充実で意義。

東京デスロック / WALTZ MACBETH

2008年5月10日14:00 吉祥寺シアター マクベスを薩摩辺りに置き換えた禁断の坪内逍遥訳使い和服での椅子取りゲーム。四方を客席が囲む中央ステージで中島みゆき「時代」流れる独舞が最高。U2やPerfumeも効果的で終わらないゲーム。石橋亜希子がハマリ存在感。

本谷有希子 / ほんたにちゃん

2008年3月24日初版 太田出版 「hon・nin」連載の初の小説リメイクは、ENBUゼミ生時代の日々の葛藤が生々しく描かれ衝撃的。墓が見える曙橋の教室と茗荷谷の部屋で田舎へ帰るか悩む日々の描写が切実。業界の大物とのクライマックスも迫力。

冒険王・横尾忠則 初公開!60年代未公開作品から最新絵画まで

ART

2008年4月19日―6月15日 世田谷美術館 アート界の現役巨人キャリアを7章、700点がそろう一大冒険絵巻に圧倒。ここ20年の三叉路など近作には限界感も、初公開の60〜70年代グラフィック、「話の特集」「平凡パンチ」など雑誌向け版下展示が圧巻。

猫のホテル / けんか哀歌

2008年5月5日17:00 本多劇場 東宝争議をモチーフに映画関係者の群像劇試みるも、らしさなく空回り。ヒロポン中毒の映画監督役の中村まことも窮屈な印象。池田鉄洋も面白み出せず。抽象的な舞台設定も裏目で、やり過ぎ感溢れる猫ホテ風復活希望。

タカハ劇団 / プール

2008年5月5日14:30 王子小劇場 4回公演で王子進出のタカハ新作は、死体洗いの職場で起きる都市伝説。水の使い方が巧みで、湿度高めて不気味さ満点。石澤彩美がタフな作業員を好演し、リアリティ浮上。ホラーでも怖さなく、方向性明確化に課題も。

HALCALI(Midtown SHOW CASE)

2008年5月4日14:00 六本木ミッドタウン(プラザ ミッドタウン・ビジョン前) 30分のフリーライブはDJにKiMJUN、ギターにgolf関根入る4人編成で多幸感溢れる感動。綺麗なハルカ、ユカリの健気MCも好感。3rdの曲中心で歌もの多いがラップ&ダンスが最高。真…

熱帯(オッホ改め) / 次の曲をかけるのは誰だ

2008年5月3日14:00 THEATER/TOPS 新ユニットで再始動となった新作はデザイン事務所を舞台に社内の人間関係を巧みに描き成功。中途入社の男の台頭で組織の雰囲気が変わる展開が見事。職場で流すBGMをめぐる考察に鋭さ。キャスト的には前作超えられず。

山崎ナオコーラ / 論理と感性は相反しない

2008年3月21日初版 講談社 初の書き下ろし小説は自身を投影した矢野や関連人物が錯綜する実験的意欲的15編。読みやすいが凡庸だった「カツラ美容室」から成長、個々のパーツに緩さあっても私小説的な話と抽象ネタなど散らす挑戦的姿勢は評価。

Oi-SCALE / 茶毒蛾無呼吸引金

2008年5月1日19:30 こまばアゴラ劇場 函館に帰郷したヤクザとその兄弟を、工事現場を舞台に描き「静かな演劇」作戦が成功。「北の国から」チンタ役でおなじみの永堀剛敏が地元で地味に生きる兄を好演。林灰二が厳しい運命のヤクザ者でしっかりハマった。