2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

天野春果 / 僕がバナナを売って、算数ドリルをつくるワケ

2011年6月22日初版 小学館 川崎フロンターレのPR部長による集客の知恵集めた1冊は筆者の半生も語られ面白さばっちり。市内小学校に選手が登場するドリル配布。競技場更新のためのバナナ販売、銭湯企画や多摩川クラシコ誕生秘話も興味深い。

TRASHMASTERS / 狂おしき怠惰

2012年2月28日19:00 駅前劇場 病院舞台の新作は相変わらずの大胆な場面転換の2部構成。ベタな演技目立つなか看護師役の林田麻里の体張った演技が出色。女医絡む複雑な三四角関係面白いが、ゾロ品やM&Aなど無駄に情報多い後半は悪癖出て残念。

サンプル / 女王の器

2012年2月26日14:30 川崎市アートセンター アルテリオ小劇場 「自慢の息子」姉妹編は妄想たっぷり3本線で進行し変態度満点。刑事役の古屋隆太が個性爆発し出色。母に生贄代役頼む野津あおい新キャラ。門番菊池明明が感じよし。白布で覆う舞台、出番待ち役者…

五反田団といわきから来た高校生 / チャンポルギーニとハワイ旅行

2012年2月25日19:00 アトリエヘリコプター 好企画第3弾は再度怪獣が襲う設定。秋葉原開催のフラダンス大会に向け稽古中の高校生の会話楽しく至福。震災後も健気に自然体素敵だが友達の相次ぐ引っ越しなどリアルな切なさ。代役出演の前田司郎が笑いたっぷり。

珍しいキノコ舞踊団 / ホントの時間

2012年2月25日15:00 世田谷パブリックシアター 伊藤のバカボンソロで開始も若手中心にジミヘンなど激しい印象。ビルエバンスで泣きの山田郷美面白く、途中停滞もミラーボール登場のEW&Fで挽回。世代交代でオシャレ度後退もエース篠崎芽美が客席飛び込み躍動。

大谷能生 / 植草甚一の勉強 1967-1979全著作解題

2012年1月25日初版 本の雑誌社 イラストに八品幸史郎起用しJJへの愛溢れる一冊。全著作レビューし、引用たっぷりにJJ氏の足跡辿って会心。時代背景やジャズシーンも織り交ぜ、分析しっかりで、読み応え十分。表紙写真をたっぷり掲載も嬉しい。

青年団リンク 水素74% / 不思議な子猫ちゃん

2012年2月19日14:00 アトリエ春風舎 ダメ人間ばかり集めコミカル。子離れできない母役を兵藤公美が好演。自己中なメル友の強引さ強烈も娘・市子のだめっぷりを村井まどか体現し素行の悪さ強烈。善積元もヘンテコぶり発揮。井上三奈子のちゃっかり素敵。

本谷有希子 / ぬるい毒

2011年6月30日初版 新潮社 演劇公演の不冴えそのままに小説でも失敗。実家で暮らすヒロインに騙す男が電話してくる冒頭面白く、1年が軽く過ぎる展開も奏功だが、実家での同居生活も膨らみ弱く終盤ダレダレ感。野間文芸新人賞は実績賞の印象。

ARICA / 恋は闇

2012年2月12日15:00 イワト劇場 作曲・演奏にイトケン、猿山修、高橋永二郎迎えた豪華公演は、黒電話や湯たんぽ、オウムなどぶら下がる空間演出面白く、椅子と吊られる安藤朋子の動き面白い。近松心中なテーマ伝わらないがバンド演奏との連動痛快。

オリガト・プラスティコ / 龍を撫でた男

2012年2月11日19:00 本多劇場 ケラが文学座初演の福田恆存52年作挑戦は重すぎる展開。現音風味な音楽ずっしりと狂人だらけの精神科医の家を見せつけられ疲労困憊。もっと笑い入れるなど料理してよし。ダメキャラで赤堀雅秋奮闘し終盤は見せ場。

ロロ / LOVE02

2012年2月11日14:00 こまばアゴラ劇場 初演の興奮ないが、奇天烈直球ラブストーリーが複数交錯し秀作ぶり再確認。コードでつながれ光発する北川麗素晴らしく、八月役の森本華のダンスがヤバすぎ。200歳生きる鉄の子や孫の代まで愛し続ける純愛が圧巻。

川上弘美 / 神様2011

2011年9月20日初版 講談社 デビュー作再録し、これに続いて原発事故後の川原舞台にくまとの散歩描くリメイクは僅かな書き換えで残酷な日常あぶり出しさすが。被爆許容量を意識する生活を余儀なくされる登場人物たちの失ったものの大きさ痛感。