2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

マイノリマジョリテトラベル / 東京境界線紀行「ななつの大罪」

2006年4月30日 都バス(小滝橋車庫〜高田馬場)、space EDGE 羊屋白玉が指輪ホテルと障害パフォーマーで3部構成の作品作り一日限定公開。都バスのルート短か過ぎ物足りず2部自由行動で企画放棄も3部はテーマ合致の意義深い公演で舞台に車椅子の出演者が並び…

武満徹「Visions in Time」

ART

2006年4月9日〜6月18日 東京オペラシティ アートギャラリー 一作曲家の回顧展越えその深い関心領域を多層的多面的に展示。初期の湯浅譲二らと活動した実験工房の資料展示が興味深く当時作成の映像やポスターも。ミロやジャスパージョーンズ、ケージらの展示…

モーニング娘。コンサートツアー2006春 〜レインボーセブン〜

2006年4月29日19:00 フェスティバル・ホール 前夜の紺野、小川卒業発表にも意外に動じないヲタと娘。が織り成す至極の多幸空間は、MC抑えた疾走レイヴ。ナマの重ピンク以上の衝撃はミラクル天然小春の大阪いぇー!!ミュージカル控えた高橋の本気ダンス・歌唱に…

マテリアル・ママ(作・演出:岩松了)

2006年4月29日 新国立劇場 THE PIT 舞台中央、家の中にクルマ置き「物質と精神を等しく考えた話」も筋立て曖昧でキャラも立たず失敗。期待の仲村トオルは自動車セールスマン役で登場も機能不全。娘のクルマ守り続ける母役倉野章子好演しただけに残念。(やま…

Dance Colloquium #4 / 処女作 virgin

2006年4月28日19:30 アサヒ・アートスクエア 回ごとに振付家を変えるダンス境界越え企画第4弾は山崎広太が振付構成。ライヒ、Tライリーら現音に乗り7人の女性ダンサーが躍動。ダンスとパフォーマンスの激しい動きに好感もラストの股間血まみれはやり過ぎ感…

奥田英朗 / サウス・バウンド

2005年6月30日初版 角川書店 元過激派の父をもつ小学6年生の少年の目を通し現代社会が面白く描かれ「邪魔」以来の傑作。中野ブロードウェイで遊ぶ日々から不良と内ゲバに巻き込まれ四谷と西表島へ飛ぶ大活劇。アナーキーキャラ炸裂で痛快至極。(やま)

西島大介 / アトモスフィア

2006年4月30日初版 早川書房(ハヤカワSFシリーズJコレクション) 1巻から1ヶ月空け全2巻完結。自分の分身が無限に増え続けるドッペルゲンガーな展開もユル目な絵とシベ少的オチを用意する大胆SFで、むしろこれが現代のリアル。戦略的な余白の多い、絵の少…

劇団鹿殺し / SALOMEEEEEEE!!!

2006年4月24日19:30 タイニイアリス 東京進出1周年で有名作挑戦は料理法誤り戯曲拙さ致命的もハードロックな歌シーン見事で全曲オリジナルの楽曲も高品質。ロングランで充実舞台に雨降らす演出も効果的で空回りの役者陣も終盤菜月チョビがんばり帳尻。(やま…

ENBU×五反田団 / ノーバディー

2006年4月23日14:00 笹塚ファクトリー 前田司郎クラスの卒業公演は黒田大輔、端田新菜、後藤飛鳥も出演し学園舞台に謎のウィルスで全員死ぬバトルロワイヤルな大作。死迫る中の日常会話面白く、客席前に女性中心の大量キャストの死体次々並べ起用法抜群。(…

新生快楽亭ブラック毒演会 大阪編 借金はつらいよ「浪花の春」の巻

2005年4月22日14:00 トリイ・ホール またも歩行困難となり反対俥回避も、あくび指南のエロ・リミックス新作「女女(オナニー)指南」含め、たっぷり4席2時間半の黒世界。にわか落語ブームで「カラオケ寄席」の末広亭不入りという自虐設定に難が出たことに感慨。(…

Berryz工房コンサートツアー2006春 〜にょきにょきチャンピオン!〜

2006年4月22日18:30 大阪厚生年金会館大ホール 着実な成長遂げるアンファン・テリブルと暴走ヲタ集団の絶妙インタープレイにより構築される今最も熱い現場でひときわ光彩放ったのは、舞台上で紅いランドセルを置く唐十郎的演出で大人への階段を一歩昇った熊井…

劇団上田 / 10ピース

2006年4月22日14:00 王子小劇場 期待したギャグ控えめに夜明け前の公園舞台に直球マジドラマで退屈。平和運動進めるカップル軸に不条理ファンタジー咬ませるも面白さなく、ヒロイン萩原もみぢ頑張るも無残、客演陣も機能せず、方向性の誤りが敗因。(やま)

陽春大歌舞伎 昼の部

2006年4月21日11:00 御園座 当月公演中に上演800回達成した幸四郎の弁慶以外観るべきもの無し。染五郎は口跡軽過ぎ、型も決まらず、石切梶原、富樫は不適。かつての芸処も見巧者少なく台詞にかぶる大向や妙な間の拍手で客席まで拙劣。(飯野形而)

ナイロン100℃ / カラフルメリイでオハヨ〜いつもの軽い致命傷の朝〜

2006年4月20日19:00 本多劇場 異例の四演なったケラ自身の父の死を書いた代表作は茶の間と妄想の病院脱出劇の2重構造で大倉孝二らナイロン豪華役者陣も往時風体現、ギャグ古めで近年の劇作と異質世界。構成面拙さあるも暖かく観劇後に爽やかさ。(やま)

唐十郎 / 演技者放浪武勇伝

2006年4月19日19:30 精華小劇場 隣接校庭で公演控えた唐が建設中の紅テントから登壇し、若松孝二、大島渚ら他分野とのコラボ体験を映像交え語った60分。初対面時に、君に飲ませる金のためとミシン質入のパフォーマンスを行う土方巽の噺は秀逸。(飯野形而)

菊地成孔+大谷能生 / 東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・キーワード編

2006年3月15日初版 メディア総合研究所 青アイラーから10ヶ月経て登場の東大講義録は各月で異なる4キーワード設け各最終週ゲスト入れ濃厚構成な赤アイラー。ダンス編秀逸で野田努ゲスト講義含め新視点。即興は大友良英招き質疑応答も意外な裏面史に驚愕。(…

花組芝居 / ザ・隅田川

2006年4月18日19:00 草月ホール 「隅田川もの」因縁劇を大胆シャッフルした旗揚げ公演作を素ネオかぶきで再構築もフレンチ音楽に乗ったユルい踊りで、なんちゃって歌舞伎なイタさ全開。救いは口上からの役者キャラ使ったギャグでベテラン勢頑張る。(やま)

野鳩 / なんとなくクレアラシル(愛蔵版)

2006年4月17日19:30 こまばアゴラ劇場 代表作再演はドラえもん「きこりの泉」モチーフも仕掛け少なく青春の甘酸っぱさ出ずやや眠い展開。佐伯さち子も輝けず80年代テースト効果薄。水谷×天野天街トークが収穫で方言の巧さ確認、マンガの元ネタ披露も嬉。(や…

小熊英二 / 日本という国

2006年3月30日初版 理論社(よりみちパンセ!) アカデミズム気鋭の論者からの新国家論は会心の仕上がり。漢字にルビふり、100%ORANGEの絵に祖父江慎+cozfishの装丁でポップに近現代史の新たな提案。とくに明治と戦後に注目し事実の積み重ねで説得力見事。ア…

モダンスイマーズ / ゆきてかえらず〜寄るべない稲上荘の日々〜

2006年4月15日14:00 ザ・ポケット 主演の六角精児輝き扉座色。映画監督の若き日々とAV撮り日々過ごす現在の挫折を2人の役者でコントラストに描き大成功。ボロアパートの舞台も凝り圧倒的完成度。隣部屋カップルなどフリンジも丁寧で堂々たる劇作。(やま)

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団 / 「カフェ・ミュラー」「春の祭典」

2006年4月13日19:00 国立劇場 来日20周年記念公演で代表作2作実現。カフェでピナ自身のダンス堪能。ストラヴィンスキー作に独自の解釈加えた春の祭典が壮観で土敷いた奥行きある舞台で30名超すダンサーが迫力、現代芸術の最重要傑作目撃に感激。(やま)

シティボーイズミックスPRESENTS マンドラゴラの降る沼

2006年4月12日19:30 池上本門寺境内特設テント 稽古不足か全体散々の仕上がりだが、桜咲く境内の特設テントは意義深く、音楽にSDPのシンコ起用嬉しい。常連の中村有志に加えゲスト出演いとうせいこう&銀粉蝶で原発ネタなど秀逸も大半の笑いマンネリ気味辛い…

小林エリカ / 終わりとはじまり

2006年3月16日初版 マガジンハウス ギリシャのリッツォス、ポーランドのシンボルスカ、宮澤賢治、イラクのアル・ブライカーン、仏デスノスの詩5編をマンガに融合し新風味。詩と連動しない学生の青い日々のスケッチで、余白多いコマ割りも意外な効果。(やま)

赤い奇跡

TV

2006年4月9日-10日21:00 TBS ホリプロ「赤い」シリーズがフィギュアスケート&深田恭子で実現。ビッグマネー蠢くスター選手の殺人前科あるタクシー運転手との純愛描き70年代風味再現。ヒロインのスケート拙さつらいも竹中直人がコーチ役好演。(やま)

風琴工房 / 砂漠の音階

2006年4月10日19:30 ザ・スズナリ 1936年3月12日の中谷宇吉郎が弟子たちとともに人工の雪の結晶を作った1日を描き真面目な劇作。中谷研究室を訪れる者たちのエピソード詰めすぎで1日にこだわった悪影響出て惜しい。当時の北大の雰囲気再現はOK。(やま)

浪花花形歌舞伎 浪華騒擾記 大塩平八郎

2006年4月10日19:00 松竹座 大阪に相応しい素材に友情、恋愛、忠義を巧みに盛り込んだ好脚本ながら心打たない凡庸な芝居。二十代中心の浅草花形に比して、教授された型の継受は十分だが、新歌舞伎での芝居の自発的創出は未だ尚早か?(飯野形而)

浪花花形歌舞伎 土屋主税

2006年4月9日15:00 松竹座 地味な座組ながら浅草の歌舞伎ごっことは水準の違い見せる一世代上の上方花形による芝居は、翫雀がお家芸で堂に入った殿様ぶりの健闘。浅草で惨憺たる斧定九郎見せた亀鶴が大高源吾で思わぬ成長遂げ面目躍如。(飯野形而)

浪花花形歌舞伎 伊勢音頭恋寝刃

2006年4月9日12:00 松竹座 正月の義賢最期での壮絶な芝居に続き大役福岡貢演じた愛之助が大当り。歌舞伎座で同月同役演ずる叔父・仁左衛門と瓜二つの正統継承でピントコナ適格十分。妙見町宿屋からの通しで万次郎、青江下坂の意義も明確に極上芝居。(飯野形而)

土田世紀 / ノーサンキューノーサンキュー

2005年12月1日初版 小学館(IKKI) 土田節炸裂の96〜04年の作品集めた傑作短編集は時代を映す負け組もの5本。IT長者の没落など時代スケッチが見事。地方都市を舞台に懐かしき男たちのブルース全開で本領発揮。作品毎に作者コメント入るサービスも嬉。(やま)

古井由吉、堀江敏幸 / 朗読会

2006年4月8日19:00 新宿 風花 文壇バーで2人朗読。古井は近況語り連載中の短編の一部読み2人で思い出語った後に堀江。「貯水池のステンドグラス」固有名詞など解説つけ丁寧な朗読。進行は島田雅彦、店内に中原昌也も。60人満杯で好雰囲気の夜。(やま)