2016-01-01から1年間の記事一覧

真田丸

TV

2016年1月10日-12月18日 NHK 再び三谷幸喜による大河は大名たちの間で生き抜く小大名のしたたかな動きや厳しい宿命を説得力十分に見せて見事な仕上がり。堺雅人や長澤まさみらキャストも大正解で脇も三谷劇おなじみの役者陣がずらり並び大成功。

長谷川康夫 / つかこうへい正伝1968-1982

2015年11月20日初版 新潮社 三田詩人でのつか誕生から仮面舞台、早大に乗り込み暫の活動、独立とつか芝居の軌跡を現場にいた強みも発揮し抜群の臨場感。「口立て」稽古の実際から執筆活動の意外な事実。人間関係の機微生々しく3賞受賞も納得。

ロミオとジュリエット(作:Wシェイクスピア、上演台本・演出:藤田貴大)

2016年12月15日19:00 東京芸術劇場プレイハウス 2人は何故死に至ったのか逆再生で描く試みは重めの前半窮屈も雑踏描写から持ち味発揮。青柳いづみがロミオ演ずるなど女優中心のキャストで舞踊シーンが奏功。豊田エリーら外部人材の大量活用も舞台に華やかさ…

森見登美彦 / 夜行

2016年10月30日初版 小学館 10年目の集大成作は間抜けな笑い抑えめに連作絵画を巡り尾道から奥飛騨、津軽、天竜峡での怪談話披露し百鬼夜行な恐さ抜群。鞍馬に消えた英会話スクールの女友だち長谷川さん探す展開も意外な結末を用意して流石。

城山羊の会 / 自己紹介読本

2016年12月7日15:00 小劇場B1 再び初音映莉子招き富田真喜とコンビ奏功。公園で声かけてくる自称市役所職員を岡部たかし好演。怪しさ抜群に笑いたっぷりで流石。互いのプライバシーを軽々と暴露しあう女友達の会話はSNSの実情のメタファーも。

田崎健太 / 電通とFIFA サッカーに群がる男たち

2016年2月20日初版 光文社新書 電通がアディダスのHダスラーと組みスポーツビジネスに乗り込む様を70年代から辿って興奮。79年のワールドユースが契機になったことや高橋治之&治則兄弟についての情報も新鮮。ISLの盛衰も明らかにし成果。

チャリT企画 / ジャパコン

2016年12月4日14:00 座・高円寺 劇作家協会企画は日本会議モチーフに五輪時の民泊施設舞台で見事な時代性。ネトウヨ息子とサヨク父母のバトル面白くも中国人宿泊者批判し刺激的。改憲ポスター巡り犯人探しも奏功。田端玲実見事だが川口雅子は発見。

絲山秋子 / 薄情

2015年12月20日初版 新潮社 群馬舞台に神社で働くまでの猶予期間過ごす中年男の日常を描き見事な成果。独白の入れ方巧みに高校後輩女子や東京から移住のアーティスト系木工職人との交流など地方都市のコミュニティがリアルで谷崎賞受賞も納得。

水素74% / 外道の絆

2016年11月13日14:00 アトリエ春風舎 新作は轢き逃げした夫婦を描くサスペンスタッチなブラックコメディで恐すぎる展開。黒木絵美花が恐すぎる妻を演じて新境地。暴走警察官登場で迫力感、連れ子に手を出すダメ息子に犯罪押し付ける終盤も残忍さも強烈。

sleepwalkプロデュース(脚本・演出:河西裕介) / ラズベリー

2016年11月11日19:00 千歳船橋APOCシアター 国分寺解散後新作は代表作「ストロベリー」アンサー作品。30代「テラスハウス」な番組収録過程で生じる感情細かくドラマ描き持ち味。岩崎緑ら健闘も、ケータイの暗唱番号巡るとっておきラストがイマイチ決まらず。

DE LA SOUL / and the ANONYMOUS NOBODY

2016年8月31日 AOI Records 11年ぶり新作はピートロックやスヌープドッグら豪華ゲスト迎え貯めてきた音源をセルフサンプリングし驚くほどのバリエーション。非ヒップホップ的曲も複数並ぶが、王道で音色も抜群のTrainwreckが白眉。

加藤陽子 / 戦争まで 戦史を決めた交渉と日本の失敗

2016年8月10日初版 朝日出版社 大ヒット「それでも…戦争を選んだ」に続く中高生相手の現代史講義録は、安保法制や安倍談話に言及するなど現代への視点も入れて刺激的。日独伊三国同盟の背景、日米交渉の意外な現実を詳細な資料から読み解き興奮。

根本宗子特別企画実演劇販売(1「ハーブティー」)

2016年11月2日16:30 渋谷ヒカリエShinQs B1カガエカンポウブティック 根本宗子が作・演出の6つ超短編の1は墨井鯨子&島田桃依による店頭での売り子と客のやり取り見せ楽しい5分。墨井が初めての客を巧みに自らのペースに持ち込み売り込む様面白く、エキセ…

三部けい / 僕だけがいない街

2013年1月-2016年5月初版 角川書店 注目ミステリー作は8巻で完結。ご都合主義な再上映や絵のタッチなど粗い面目立つも、18年前の事件探る北海道の子供時代の細やかな描写見事。別の容疑者用意する犯罪者強力で、未来が残酷に書き換わる展開も新鮮。

ジョンソン&ジャクソン / 夜にて

2016年10月23日13:00 CBGKシブゲキ!! 大倉孝二&ブルースカイのコンビ第二弾は寂れた温泉街舞台のサスペンスコメディ。雑誌ライター演じた大倉中心に笑い満載も怪しさ抜群のスナックの面々に恐さ。ヒロインの女将で佐津川愛美も入り意外にしっかり構成。

山田詠美 / 珠玉の短編

2016年6月21日初版 講談社 男女の友情の末路描く川端賞「生鮮てるてる坊主」含む11の短編集めた一冊は自由&下品度旺盛に力の入らないコミック的軽快さ見事で名人芸。表題作はスプラッタな作風の夏目漱子が珠玉に振り回される展開シニカル。

イデビアン・クルー / シカク

2016年10月21日19:30 にしすがも創造舎 約半年ぶり新作のAキャストは女性4人によるシェアハウスな日常描いて面白みたっぷり。部屋間取りな四角スペースで死角も活用し洗濯機など家電製品ノイズも効果的。斉藤美音子巧みにリードし若手の福島彩子も躍動。

大友良英、珍しいキノコ舞踊団、遠藤知絵、SachikoM、長見順、竜田一人、他 / フェスティバルFUKUSHIMA!@池袋西口公園

2016年10月16日13:00 池袋西口公園 大風呂敷な会場で大友良英が再び全面参加し盆踊りが拡充。キノコは伊藤篠崎2人で15分で日吉ミミ熱唱も。竜田のイチエフ歌も臨場感抜群。ラストは盆バンドも登場し櫓とステージ両面パフォーマンスで抜群の一体感。

村田沙耶香 / コンビニ人間

2016年7月30日初版 文藝春秋 芥川賞受賞作は30過ぎてコンビニバイト続ける独身女性の社会生活の困難さ描き出色。社会常識の煩雑さを読みやすく表現し脱帽。細かい部分まで気がつく仕事ぶりの詳細を描いた点も勝因。ダメ男の投入も抜群の効果。

栗コーダー&ビューティフルハミングバード

2016年10月9日14:00 世田谷区笹原小学校体育館 2ユニット合同で5人編成による休憩挟んだ2部構成のファミリーコンサートはピタゴラ組曲などたっぷり披露。マット上に体育座りで鑑賞も帝国のマーチや第三の男など渋い選曲で大人も満足。女性ボーカル起用が…

Dance New Air 2016(東京ELECTROCK STAIRS「前と後ろと誰かとえん」)

2016年10月2日16:00 スパイラルホール 12月の吉祥寺シアター公演の準備公演と思うも抜群の完成度で充実45分。青年団の海津忠迎え演劇的なアクセント加わるも、KENTAROとTYMKS3人のガンガンなダンスに圧倒。怖い話したいコントも楽しい。

Dance New Air 2016(篠崎芽美、他「ダンス保育園」)

2016年10月2日14:00 スパイラルホール ホワイエ 篠崎指導による小学生未満参加のワークショップは珍しいキノコダンサーもそろい、参加型ダンス空間で多幸感。ネコふんじゃったダンスなど本格的。歌と演奏で坂本美雨&国広和毅いい仕事で紙芝居的な絵の活用も…

モモンガ・コンプレックス / Ca va!〜3月8日の日記〜

2016年10月1日13:30 富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ アトリエ 5月7月に続くダンスカフェ登場は白神ももこ演じ夕田智恵が読む初コンビ。自宅から持ち寄った小道具で取り囲んだミニ舞台よく、平凡な日常を多様な動きで表現し面白さ抜群。外に飛び出すなど…

月刊「根本宗子」 / 夢と希望の先

2016年9月29日19:00 本多劇場 橋本愛迎えた本多進出作は手堅く夢も希望もなく増補改訂版。舞台上に3部屋用意し現在と過去を一役2人用意するも、現代編の根本墨井コンビがレベル高すぎ。特に友人役はプールイに重荷か。タンポポ名曲披露嬉しい。

加藤典洋 / 村上春樹は、むずかしい

2015年12月18日初版 岩波新書 「村上春樹をみくびるな」というコンセプト素晴らしく、デビュー作から順に分析する構造もよし。特に短編含め初期作の分析見事で、70年代の内ゲバなど隠れた意味提示に感心。作家村上春樹の人物像にも触れて奏功。

スイッチ総研、珍しいキノコ舞踊団、他 / 東京芸術祭オープニングセレモニー

2016年9月25日16:00 南池袋公園 芸術祭第一回の開幕で小池百合子知事も登壇の関係者中心イベントでキノコは短い出番で半端感。セレモニー30分前から公園各所でゲリラ的に活動したスイッチ総研素晴らしく芝生にくつろぐ場の雰囲気に馴染み持ち味。

あひるなんちゃら / 毒と音楽

2016年9月17日15:00 ザ・スズナリ 07年作全面リメイクは学生街の喫茶店舞台に毒入りドリンク巡る80分の傑作に変身。模擬店計画する女子3人組が面白く宮本奈津美演じたキャラ最高。現在と過去往来する試み上手くマスターの学生時代描く構造見事。

遊園地再生事業団+こまばアゴラ劇場 / 子どもたちは未来のように笑う

2016年9月5日19:30 こまばアゴラ劇場 高完成度のリーディング公演経た本公演は出産巡る見事なエピソード集。書物や雑誌のテキスト読み様々なシーン描くが、中心舞台をカフェ店舗に位置づけ店員日常見せ深み出す。青年団役者陣輝き増し終幕ダンスも奏功。

青木理 / 日本会議の正体

2016年7月8日初版 平凡社新書 日本最大の草の根右派組織の実態炙り出し貴重な仕事。出自の生長の家から断絶状態興味深く、明治神宮の豊かさ、神社本庁の巨大さ実感。自民党内部の過去対立面白いが、足下の憲法改正に向けた署名集めパワーに震撼。

青年団国際演劇交流プロジェクト キノサキノマトペ(作・演出:ロラン・コロン)

2016年8月20日14:00 こまばアゴラ劇場 パリ出身の演出家が温泉街に滞在し猿やマッサージ師と交流、シャンプーや容器と会話し、派手めの衣装の青年団役者陣が演じ違和感抜群。井上みなみもメイクきつく誰だか不明状態。全体退屈感も公演時間の短さは救い。