2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

大西康之 / 東芝解体 電機メーカーが消える日

2017年5月20日初版 講談社現代新書 東芝、NEC、シャープ、ソニー、パナソニック、富士通など近年巨額赤字喫した電機大手の負ける理由、リストラの現実を描き興奮。経営者の判断ミス、過去の繁栄の記憶と多角化事業の失敗に焦点当てて悲劇浮き彫り。

玉田企画 / あの日々の話

2018年1月25日19:30 BUoY 大学サークルのカラオケボックスでの一夜描いた人気作再演は空間の面白さ生させず残念も、時間の経過で関係性転換する仕掛け見事。居心地の悪さやざわつく感情の動きを巧みに描いて見事。菊池真琴や浅井浩介ら健闘。

古谷実 / ゲレクシス

2016年9月-17年3月初版 講談社イブニングKC 全2巻完結した異色SFはバウム一筋男の40歳に起きた不思議な体験描いて会心。公園にたたずむ初恋の相手が卵形物体に変身してからの意外な展開の連続に興奮。いてもいなくてもいい比率半分の男たちの哀歌に感涙。

青年団リンク ホエイ / 郷愁の丘ロマントピア

2018年1月14日14:00 こまばアゴラ劇場 三菱大夕張炭坑で働いた者たちの戦後史を扱い大きな成果。現地取材で最盛期の様子や南地区への移転、閉山、ダムに沈んだ現在まで人間関係リアルに描き出し圧巻。老人役で山田百次や武谷公雄ら味わい。長野海も輝く。

益田ミリ / こはる日記

2017年10月20日初版 KADOKAWA 「ダ・ヴィンチ」連載作は見開きで1話完結並べ10代の少女の日常を描いて会心。かわいい中学編が素晴らしく、高校編はちょっとおませで少しドキドキなエピソード満載で見事。友だちや家族との関係が自然でリアル。

別冊「根本宗子」 / バー公演じゃないです。(そのバレリーナの公演はあの子のものじゃないのです。)

2018年1月10日19:30 駅前劇場 4人芝居再演は見事にコンセプチュアル。白い箱もち登場し「くるみ割り人形」効果的に社会不適合女子の半生を女同士の奇妙な交流軸に描き大成功。根本宗子の独白秀逸。同じバイト励み同じゲームにはまる時代性よし。

木村元彦 / 無冠、されど至強 東京朝鮮高校サッカー部と金明植の時代

2017年8月15日初版 ころから 70〜80年代に国内最強といわれた東京朝高と金明植監督を描き出色。出生地の枝川から辿り、総聯と民団で揺れる状況詳述も意義。十条ダービーを戦い黄金時代を築いた帝京の古沼監督ほか強豪校指導者の証言も効果。

渡辺源四郎商店×(一社)おきなわ芸術文化の箱 / ハイサイせば〜Hello-Goodbye〜

2018年1月6日15:00 こまばアゴラ劇場 沖縄法人との合同公演は太平洋戦争末期の外務省を舞台に琉球語を津軽弁使った国際電話巡るシニカルドラマ。沖縄と青森の役者の顔合わせ面白く、リンゴ栽培中止や方言札、沖縄に連隊ない現実など語られ問題意識鋭い。

綿矢りさ / 私をくいとめて

2017年1月30日初版 朝日新聞出版社 朝日新聞連載作は33歳独身女性のおひとりさま日々面白く、ノゾミ先輩のキャラ素晴らしい。料理貰いに来る多田くんとの交際もユニークでいいが、肝心の自身の中に棲むAの存在微妙。終盤飛行機内描写はくどく冗長。

新年工場見学会2018(五反田団「ドラマえもん〜くろ太と恐山イタコ軍団」、紅戌会「ダンサーインザ獅子」、ザ・ぷーの新春ライブ、ハイバイ「城山羊の会か別役実のニセモノ」、ポリスキル)

2018年1月4日19:00 アトリエヘリコプター 15回目人気イベントは3時間超で充実感。五反田団は小劇場題材にドラマターグ役で前田司郎健闘。下北演劇祭から紀伊国屋ホールに潜入しての展開面白い。ハイバイは不条理コメディの3人芝居見事で佐久間麻由輝く。