2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

宇仁田ゆみ / ゼッタイドンカン

2012年10月3日初版 白泉社 メロディ、楽園と渡り描き継がれた連作は歌音と中森くんのピアノでつながる10年愛。高校時代の初恋からハッピーエンド後までほのぼのと優しく描き心地よさ抜群。調律師という設定面白く、1年に1度の再会に新味。

八木良太、大巻伸嗣、EYE、山本俊一、やくしまるえつこ、他 / 音まち千住の縁

ART

2012年10月27日−12月2日 北千住(一軒家、イドラノヤカタ、音う風屋、他) 北千住各所で開催のアート企画は豪華音楽家揃い驚くほど充実の内容。八木(別の)家具の音楽は下町一軒家を生かし街の音採集。大巻イドラは暗闇2階での水面美堪能。未来楽器図書館は…

舞城王太郎 / 短篇五芒星

2012年7月12日初版 講談社 芥川賞候補の5つの短篇集めるも強引な設定に空回り。流産への偏執からKY行動突き進む美馬で疲れ、姉が鮎の嫁になる2作目も効果上がらず。福井周辺舞台作多く、東京出身の女子高生があうだうだうに会う話が一番。

ブラジル / 行方不明

2012年11月24日14:00 赤坂RED/THEATER 仕事でも家庭でも厳しい現実直面の中年男を櫻井智也が熱演だが友人訪ねた先の四国パリでの猟奇世界に説得力なく空振り。幸田尚子が妖しく2人の妻役を好演で、厭な上司役の哲人もいいが、抽象的すぎる舞台美術裏目。

BATIK / おたる鳥をよぶ準備

2012年11月18日14:00 世田谷パブリックシアター 結成10年目作はダンサー自体をモチーフに3時間に及ぶ大作。脱ぎ捨てた衣装を吊り下げての群舞が見事。中盤でダンサー志望の仲間の挫折を彷彿させる場面繰り返し感涙。休憩挟み客席側特設舞台での黒田独舞が圧…

猫のホテル / 峠越えのチャンピオン

2012年11月15日14:00 ザ・スズナリ 久しぶり千葉作・演出のフルキャスト作は池鉄離れても中村まこと&しんぺー等揃い、角栄×竹下な冒頭から猫ホテ色全開。ガンツ落ち目政治家好演で政岡泰志の渋い秘書役いい。陳情受け上州やくざ世界へ飛躍も見せ場。

綿矢りさ / ひらいて

2012年7月30日初版 新潮社 自分本位な恋に暴走するヒロイン愛の大胆行動に感嘆。好きな男の彼女=美雪に接近し関係する様は興奮も、夕暮れ教室での告白場面は粗く残念。「サロメ」引用など新境地。美雪の孤立など学校社会の空気感描写が秀逸。

架空の劇団×渡辺源四郎商店 / 震災タクシー

2012年11月11日13:00 アトリエ春風舎 くらもちひろゆきの震災体験を軸にメロスな畑澤工藤味付けでいわきまでのタクシー行き。乗り合わせた人たちの予備校イベントや合コンなどの事情リアル。列車からタクシーに乗り換える様や渋滞や福1の状況描写見事。

ハイバイ / 霊感少女ヒドミ

2012年11月9日16:00 アトリエ春風舎 ポンポンの幻の傑作がム―チョ村松の超絶映像が付き嬉しい復活。幽霊に愛されるだめんず少女ヒドミを上田遥が好演。町田水城と奥田洋平の死者コンビ楽しく、快速カットアップでの岩井秀人ナレーションもフロウ抜群。

町田康 / この世のメドレー

2012年7月30日初版 毎日新聞社 熱海超然第二弾は完全なる小説世界展開し圧巻。新車で筆者の元を訪ねる袂君との会話や駆け引き楽しくムリムリな暴走続き興奮。昼食をどこで食べるかで悩む話を膨らます前半もいいが、沖縄に舞台移しての後半に驚愕。

DULL-COLORED POP / 完全版・人間失格 女バージョン

2012年11月5日19:30 青山円形劇場 活動5年で円形進出は企画短編作の拡大版で太宰名作を現代に置き換え大成功。主人公の色男=葉蔵をコロが好演。葉蔵を愛する女たちに堀川炎や川村紗也ら小劇場の注目女優をちりばめ、舞台上に乱雑に混沌つくり見事。

青年団リンク水素74% / バラバラ姉妹に憐れみを

2012年11月4日14:00 こまばアゴラ劇場 得意のダメ人間たっぷりに抽象美術使い短編オムニバス風でぶつ切れ感。だめんず京子を黒木絵美花が怪演。自己肯定に走って壊れる場面に驚愕。別れ話に付き合うひかり役で野津あおい登場嬉しい。ダメ男コンビも強烈。