2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

山口正紀 / 報道は真実を伝えているか? =抗って、生き続けて=

2009年2月28日13:00 カトリック藤沢教会ホール NPO平和の白いリボン行動企画講演は、団塊の世代の元読売記者が自身の半生振り返る好企画。人権運動で編集部門から外された過程も説明。メディアが国策報道機関に陥る危険性もイラク戦争時の日米具体例あげ解説…

モダンスイマーズ / トワイライツ

2009年2月26日19:30 吉祥寺シアター 岸田賞受賞後初の新作は、鶴田真由をヒロインに幼少時からの悲恋の軌跡を3パターン見せ出色。「回転する夜」の手法を発展、どう転んでも幸せになれない運命切なく、ニート、株長者版に続く人気者キャラの悲劇壮絶。

前田司郎 / 大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇

2008年12月25日初版 幻冬舎 寺山作品もじったタイトルの新作は一泊二食の地獄ツアー。大木信義と結婚間もない咲の視点中心に炊飯ジャー追いアリスな展開でスリリングにならない旅行一部始終。赤い人と青い人との出会い、交流が切なくも楽しい。

ジエン社 / ゴースト ニート ペアレント

2009年2月22日18:00 明石スタジオ 梅舟惟永らエンクラパワー集めた第3弾は立ち退きに遭う住人たちの紛争劇でアパート一室を見事再現で恋人が死ぬ王道設定もプロット軽視で裏目。清水穂奈美がDV被害に遭う病的女子を鼻赤くする怪演も浮かばれない。

ワワフラミンゴ / 流れる生活

2009年2月22日14:30 Bar & lounge 'greenz' 下北沢の拠点失うも裏原宿に新天地みつけ、魅力の自然光活用の昼公演が実現。すどうりえこが妹とコンパスを売ろうと悩むとぼけたキャラ好演し、持ち味十分。野鳩の菅谷和美がウェートレス役で、ソーセージ料理提供…

中野成樹+フランケンズ / 44マクベス

2009年2月21日18:00 日暮里 d-倉庫 過去最多キャストで有名作挑戦は2時間超でアパートなユニーク舞台も近年の同作上演ラッシュの中では独自色薄く新鮮味欠く。女性が演じるマクベスもいいが、魔女のエピソードが秀逸。大谷能生の音楽はポップさ奏功。

三条会 / ロミオとジュリエット

2009年2月21日14:00 ザ・スズナリ 1年ぶりのスズナリ公演はシェークスピア有名作を大胆改造し全員で演ずるジュリエット。「涙くんさよなら」ら古い歌謡曲満載にダンスつけ持ち味。ジュリエット筆頭の大川潤子の台詞をモニター大小活字で表現面白い。

難波功士 / 創刊の社会史

2009年1月10日初版 ちくま新書 博報堂出身の関西学院大教授が創刊号マニアぶり発揮し存在と性格変遷辿り見事な社会史論。ファッション誌中心だが細かな時代の階層鮮明で、マガジンハウス、光文社、小学館から宝島、ミリオンの新興勢力台頭も分析。

ハウフルス / その夜明け、嘘。

2009年2月15日18:00 青山円形劇場 宮崎あおいがマンガ家や野方のパンク青年、ファミレス店員など演じ分け醍醐味。注目舞台作演出に驚きの福原充則が抜擢。吉本菜穂子&六角精児の演技巧者と3人で自転車環七激走コメディが炸裂。加藤ちか美術も奏功。

五反田団 / 俺の宇宙船、

2009年2月15日15:00 三鷹市芸術文化センター 星のホール 大スペースに13人出演で実現の新作公演は大観客席埋まる盛況。ホームレス少年探偵団活躍の長編ファンタジーは川隅奈保子がマント姿で活躍。持ち味の陳腐さ後退し暗めの照明は逆効果。居酒屋呼び込みネ…

お買い物

TV

2009年2月14日21:00 NHK 前田司郎作の特別ドラマは、久米明と渡辺美佐子演ずる福島の老夫婦が中古カメラを買いに上京する様を描いて会心。孫娘役で市川実日子が好演。志賀黒田後藤ら馴染みの役者陣もそろい五反田団風味がしっかり出て傑作。

キラリ☆ふじみで創る芝居(脚本:岩井秀人、演出:富永まい) / グランド・フィナーレ

2009年2月14日18:00 キラリ☆ふじみマルチホール 芥川賞受賞作の舞台化は、ミュージカル仕立てで児童ポルノの壁を突破。主人公を松田洋司が覚悟の好演。夏目慎也や上田遥ら着ぐるみコロスで心情と関係者ら演じ新境地。トークで阿部和重×宮沢章夫で神町サーガ…

タカハ劇団 / GOD NO NAME

2009年2月14日14:00 駅前劇場 樹海近くの民宿村舞台に自殺防止組織の切ない現実描き、舞台美術にもこだわり。ヒロイン初音映莉子に加え渡邉とかげが敵対民宿村から通う女子を好演。TV報道に悩む第二民宿村、山田伊久磨ら村の青年群像劇も奏功。

津村記久子 / ポトスライムの舟

2009年2月2日初版 講談社 芥川賞受賞作は奈良舞台に年収と同額の世界一周資金目指す29歳の女性契約社員ナガセの日常つつましく好感。鉢植えポトス食べ倹約試みる様にじんわり。母や同級生仲間と世知辛い社会を生き抜く様がいとおしい傑作。

MONO / 床下のほら吹き男

2009年2月13日19:30 吉祥寺シアター 4姉妹暮らす家の床下舞台に嘘つき大会はインチキリフォーム業者をMONO役者陣がコミカルに演じ大成功。金替康博のボケキャラ輝く。山岡徳貴子×松田青子バトル見ものだが水沼健演じた床下のほら吹き男爵が最高。

劇団鹿殺し / ベルゼブブ兄弟

2009年2月12日19:30 赤坂RED/THEATER 九州舞台に熱めの4兄弟物語は粗さも魅力で迫力。小林健一がパンクな長男を本気の熱演。喘息持ちメガネ妹でチョビしっかり。今奈良=恐父とバトル連発も家出の兄弟戻り食事囲むも卓袱台が天に遠のく場面切なく出色。

メジャーリーグ / ちっちゃなエイヨルフ

2009年2月11日13:00 あうるすぽっと イプセン×タニノクロウ第2弾は、美術を朝倉摂に任せ持ち味の偏執性消失。柱中心の舞台で直球演出に客席から鼾響く。勝村奮闘も残酷な運命の妻役でとよた真帆が存在感。マメ山田が出番少ないが重要な鼠ばあさん役。

スロウライダー / クロウズ

2009年2月9日19:30 THEATER/TOPS 最終公演は人間に襲われるゾンビたちの心情描く異色作で会心。奇病を患う者の誠実に対し健常者の傲慢のコントラスト鮮やか。美術も見事に内戦の孤島を創出し人権蹂躙する展開に戦慄。中川智明や池田ヒロユキが貢献。

東京室内歌劇場 / ル・グラン・マカーブル

2009年2月8日15:00 新国立劇場中劇場 現代音楽家リゲティ唯一のオペラ作品の日本初上演は演出にARICAの藤田康城を迎え架空の国ブリューランドをアートで斬新に表現も字幕どぎつく白け。神村恵振付でほうほう堂がネズミな造形で跳ね回り後半に活気。

カンパニー マリー・シュイナール / オルフェウス&エウリディケ

2009年2月7日15:00 シアター1010 モントリオールのカンパニー来日公演はギリシャ神話題材作の日本初演。半裸ダンサーにより性的描写も大胆に開放的に奇抜系ダンス。口から金の鈴やくねる蛇出すパフォーマンスがユニーク。コンドルズ今津雅晴も出演。

塩見鮮一郎 / 貧民の帝都

2008年9月20日初版 文春新書 明治維新からの貧民の暮らしと養育院など政府や民間による救済策の軌跡を辿りマニアックな力作。四谷、芝、上野ら4大貧民窟の実態、現在の場所も紹介。渋沢栄一らの偉大さと、現代の貧困問題への無策ぶりをグサリ。

あひるなんちゃら / フェブリー

2009年2月5日19:30 サンモールスタジオ 船上舞台の間抜けな駄弁劇も個々の集団・エピソードが孤立気味で全体に淡白な印象。登場キャラも魅力低く、暗めの照明に侘しさ。墨井鯨子出演嬉しいが黒岩三佳も加わり核にすべき追っかけ3人組登場場面少なく残念。

オリガト・プラスティコ / しとやかな獣

2009年2月4日19:00 紀伊国屋ホール ケラ広岡4弾は新藤兼人原作に忠実でも映画でシリアスすぎた場面もしっかり笑え、カネ儲けに不正しまくる家族4人の悲喜劇が意外な成功。緒川たまきが小狡くとぼけた経理部員を好演。すほうれいこが愛人姉役はまる。

吉田修一 / 元職員

2008年11月1日初版 講談社 書き下ろし新作は、タイを一人旅行中の栃木県公社職員の片桐の秘密が次第に明らかにされる展開。現地で出会う日本人青年や娼婦ミントとの交流も刺激的。日々の生活と隣り合わせにある悪事をリアルに描き持ち味発揮。

ダンス・コミュニティ・フォーラム「We dance」(山下残「2002横浜滞在」)

2009年2月1日17:00 横浜市開港記念会館講堂 山賀ざくろとの共同作品は山下の語る変てこ横浜滞在記を一つ一つ山賀が体の動きで表現し楽しすぎる40分。新作創作に苦しむ振付家の時間を、無駄な妄想で笑い満載。時に2人で動き合わせるも山下は後方で語り専念。

ダンス・コミュニティ・フォーラム「We dance」(神村恵「Seeing is believing」)

2009年2月1日16:00 横浜市開港記念会館6号室 ジーンズ姿で登場の20分のソロ作は靴やペットボトルで舞台を四角く囲んで斜めに前進する動きから、南米民族音楽流れる中、躍動。飛び跳ねる激しい動きで呼吸荒れる。トークで美術家小林耕平の話が遅く17時超過。

ダンス・コミュニティ・フォーラム「We dance」(きたまり「女生徒」)

2009年2月1日14:30 横浜市開港記念会館6号室 太宰治作品モチーフに制服姿で登場のきたまりソロは横向いての激しいヒップホップから始まる興奮の20分。中盤の台詞も意味が崩れていく様に興奮。トークゲストにKEANTARO!登場し20代の戦略と野望語る。

ダンス・コミュニティ・フォーラム「We dance」(中村恩恵「Thousand way of kneeling」)

2009年2月1日13:00 横浜市開港記念会館講堂 ネザーランドダンスシアターを離れた彼女が4人のダンサーと組んだ新作一部披露は、黒衣装3人に対し中村らカラフル2人の対比よくスタイリッシュに欧州風味も。途中、建築家とのトーク挟み短時間のインプロ2本も。

ダンス・コミュニティ・フォーラム「We dance」(手塚夏子「ダンスをつくる 旅の途上」)」

2009年2月1日11:00 横浜市開港記念会館7号室 福留麻里が5回の公演で新作「場所のあくび」つくる試み。トーク後に映像なしの最終形を上演。紙折った形を再現、丸め頭に乗せるユニークな動き繰り返し、子供時の想像世界披露。初期ほうほう堂な持ち味発揮し成功…