2006-01-01から1年間の記事一覧

燐光群 / チェックポイント黒点島

2006年12月2日19:00 ザ・スズナリ 国境を巡る様々なエピソード交錯させ混線気味は残念も竹下恵子が演じた漫画家の話が面白く、国境付近に誕生した島の発見者が国家の思惑に翻弄される展開に唸る。校内ビラ撒き規制など秀逸ネタ満載も盛り込み過ぎ感。(やま)

ブラジル / 恋人たち

2006年12月2日14:00 王子小劇場 ヒロイン役桑原裕子が心中したがる女好演しさすがの女優魂。充実キャストを巧みに配し、物が散乱する部屋で突き進む死前提の恋愛劇ユニークも霊出る部屋の設定説明拙く、急展開で悲劇迎えるラスト説得力欠き惜しい。(やま)

マナマナ / キケンなニオイはしてたよね

2006年12月1日19:30 新宿・SPACE雑遊 西田薫が宮本勝行と組んだ新ユニットは大晦日の土浦の寺舞台に妙齢の女5人の友情ドラマ。30代後半同級生の焦燥上手く描き全体コメディタッチ。皆が無茶する展開も依田朋子が最高に楽しい。森若香織もらしさ発揮。(やま)

PORT+PORTAIL / コッペリア

2006年11月26日15:00 BankART Studio NYK ホフマン「砂男」上演は紙芝居&見たいキャラ落札の新機軸でヒヨコ視点。飾り立てた部屋並ぶ奥深い空間で人形師ウスカワとそのモデルとされたキナコの遭遇劇的だがannie&Kim Miya&本居蓮らのダンス綺麗。(やま)

表現・さわやか / そこそこ黒の男

2006年11月25日14:00 駅前劇場 TV進出も盛んな池田鉄洋が作・演出する注目ユニットは充実コント集。全体統一感で同じキャラが複数回登場し佐藤真弓の靴磨きキュキュキュがいい感じ。山崎春のパン祭りのシール集めは皿でなく祭りとなる驚愕展開。(やま)

現代能楽集III「鵺/NUE」(作・演出:宮沢章夫)

2006年11月18日14:00 シアタートラム 空港のトランジットを舞台に清水邦夫の代表的戯曲から台詞サンプリングし草創期の小劇場演劇へのオマージュ。映像も音楽も控えめに全体に笑い欠くが演劇的。赤軍兵士な黒ずくめの男=若松武史が第一世代の役者象徴。(や…

阿佐ヶ谷スパイダース / イヌの日

2006年11月12日14:00 本多劇場 00年作の増補再演は地上と地下の2重構造の贅沢な舞台装置で展開。小学生時に拉致され10年以上地下で暮らす人たちが面白く中山祐一朗&松浦和香子のガキっぷり最高。監禁と純情の大胆な組み合わせで長塚の本領発揮。(やま)

毛皮族 / コーヒー&シガレッツ的な軽演劇(演目C『ゴドーを待ちわびた私』)

2006年11月11日15:00 リトルモア地下 ベケットというより坂口安吾な作品は真っ白な姿で登場しわがままな白過姫役を見事に演じきった町田マリーの女優っぷりが出色。ダンスなくてもしっかり毛皮色で大成功。耳男な真っ黒な江本純子とコントラストもよし。(や…

毛皮族 / コーヒー&シガレッツ的な軽演劇(演目A『元祖、女は太陽だったような..』)

2006年11月8日20:00 リトルモア地下 11/3〜26に毛皮族のアングラ経験劇場と題し激狭空間で5演目公演。Aは女流文士なキャラ登場させ印旛郡舞台の清張風昭和ミステリー。平塚蛾蝶役で高野ゆらこ抜擢も全体低調。進行役江本トチリ目立つも老婆役柿丸見事。(や…

ウーマンリブ / ウーマンリブ先生

2006年11月5日19:00 サンシャイン劇場 大人計画テーストな力作でクドカンの底力。絶倫官能小説家役で松尾スズキの魅力爆発。古田新太との猟奇的な先生コンビばっちり。大量殺戮な展開も下ネタ溢れ池津祥子が最大の頑張り。平岩紙&宮沢紗恵子が女子大生。(や…

五反田団 / さようなら僕の小さな名声

2006年11月5日15:30 こまばアゴラ劇場 岸田戯曲賞2つ貰ってしまう大胆設定の私演劇が爆走。取材シーン秀逸で後藤飛鳥の失礼な記者ぶり最高。記者会見も五反田団風味に爆笑。余分の岸田賞寄付にマターンへ移動し妄想炸裂。本人役前田司郎の役者ぶり光る。(…

呂均与目治プロデュース / よっぽどなクサカさん

2006年11月4日15:00 東演パラータ 伝説のフラクタル野呂彰夫がメガロザの目黒二重ら協力得て復活の作演出。ユニット名は5人の名前から。傑作「スナック寒月」的に北野武風味入れ暴力も巧みに挿入。ヒモな人間関係の設定見事。充実キャストも嬉しい。(やま)

シラノ・ド・ベルジュラック(構成・演出:鈴木忠志)

2006年11月3日14:00 新国立劇場中劇場 鈴木忠志16年ぶりの東京公演は「劇的な情念をめぐって」静岡SPAC成果披露。仏人気作を江戸時代に舞台置き換え伊歌曲も効果抜群。独自形式も完成形で雪舞うラストは圧巻。堀尾正明×鈴木トークで小劇場史の貴重な証言。(…

宮崎学&近代の深層研究会 / 安倍晋三の敬愛する祖父 岸信介

2006年9月30日初版 同時代社 岸について踏み込み甘く満州時代の記述はとくに浅く残念だが、国家総動員の司令塔となり東条内閣で入閣していく経緯はクリア。全体に研究会色強く大人しい文体が寂しいが安倍晋三への斬り込みは十分で宮崎学らしさ。(やま)

桟敷童子 / 海猫街

2006年11月1日19:30 ベニサンピット 明治期の九州の島を舞台に開発に揺れる島民の姿を描く大作。激しく揺れ動くセットは衝撃的。熱い演劇魂は好感も筋立てが強引で空回り。具体的な生活のディテール、リアリティ弱く、パワーは圧巻だっただけに惜しい。(や…

野鳩 / アイム・ノット・イン・ラブ

2006年10月29日14:00 ウエストエンドスタジオ 大きな牛のいるのどかな村を舞台に母捜す3兄弟が地元の3姉妹と出会う叙情派純愛もので砂糖多めにこれぞ野鳩。舞台に橋を置き遠近感。恋人の精気奪う怪病もつ次女役佐伯ちさ子が確実に輝き佐々木幸子も要所で仕…

東京デスロック / 再生

2006年10月28日15:00 アトリエ春風舎 実験作連発する多田淳之介がホームに戻り成功。畳敷いた部屋での男女混成宴会見せ、RC→モー娘。→電グル等3連続ループ挑戦が奏功。恋愛レボ21完フリ楽しく、ラスト血吐き集団自殺とわかるオチ付けた点が勝因。(やま)

smartball / My Legendary Girlfriend

2006年10月23日19:30 王子小劇場 早大演劇倶楽部の体張った意気よいが、愛人バンク運営に関する陳腐な世界観の筋立てと説明多い展開が残念。舞台上に3場創るも見づらく役者の動き縛り負の効果。石澤彩美の女優魂発揮で観客動員貢献も残念な起用法。(やま)

劇団白井 / 香りEXPRESS

2006年10月22日14:00 阿佐ヶ谷アートスペースプロット 長谷川幸平ダウンで作・演出の吉田友則が急遽出演しシベ少色強め。主演白井暁子が指こすり香り生む魔法使うヒロイン役で個性的な魅力爆発。南米に飛び活躍も反政府勢力絡む筋立てコントロールできずまと…

ひょっとこ乱舞 / でも時々動いてるわ

2006年10月21日14:00 こまばアゴラ劇場 女子中心のキャスティングで首絞め合うチョーキングゲームをテーマに話が進むが、何といっても3組に分かれ出演者総出で踊る群舞が最高。テクノなダンスチューンで激しい動きが効果的で複数回繰り返した点もプラス。(…

THE SHAMPOO HAT / 津田沼

2006年10月19日19:30 ザ・スズナリ 旗揚げ10周年の記念作は津田沼の部屋を舞台に高校時代と10年後の現在を交互に見せる青春もの。若者のダメさ、凶暴さを巧みに表現、随所に見せる時代のリアリティもよし。偏執的演出の到達点で1年後の変化が楽しみ。(やま…

チャリT企画 / アベベのベ

2006年10月17日19:30 王子小劇場 ファミマ&サンクス合併店舞台に憲法改正国民投票前夜を一幕4場で巧みに見せた。バイト店員ばかり登場させ近未来ワーキングプア。米田弥央&内山奈々ダベリ最高。時間経過見せ方ポツ的も安倍晋三プロフ挿入は意義。(やま)

劇団、本谷有希子 / 遭難、

2006年10月15日19:00 青山円形劇場 人気沸騰即日完売の注目新作は松永玲子&つぐみ&吉本菜穂子&佐藤真弓と絶妙抜群の配役。問題発生中の中学校職員室舞台に自己愛と保身に走る教師を松永熱演。つぐみもMキャラ見事、自殺未遂生徒母役佐藤も持ち味。(やま…

芸術祭十月大歌舞伎(葛の葉/寿曽我対面/熊谷陣屋/お祭り)

2006年10月15日11:00 歌舞伎座 享保年間な清貧の傑作葛の葉で魁春が二役こなし健闘。続く対面は静の団十郎=工藤祐経に対し動の菊之助&海老蔵=曾我兄弟が見事な対比でケレン溢れる動きも圧巻。一ノ谷低調も仁左右衛門の踊りは華あり流石の芸道。(やま)

シベリア少女鉄道、地点、休もうと雅子、鉄割アルバトロスケット、砂連尾理、小浜正寛、他 / 吾妻橋ダンスクロッシング

2006年10月14日15:00 アサヒアートスクエア 全編鉄割配し康本雅子が妹姉でダンス魂。シベ少は篠塚茜アナ×前畑ヒルマン日ハム監督の珍ネタがNANA主題歌に変貌しグラマラスの振りに爆笑。地点は安倍聡子の犬養毅発言集凄まじく後半音響に震撼。粒揃い充実度最…

ピチチ5 / おさびしもの

2006年10月13日19:30 駅前劇場 コント5本のオムニバスで底辺な男たちのブルース。オマンキージェットシティと植田裕一という個性炸裂の「隻腕くん」は仕事帰りに風俗へ向かう男3人による口論が空前絶後の情けなさ。ラストは自転車宙乗りを披露。(やま)

宇宙堂 / 夢ノかたち(第ニ部)緑の指

2006年10月12日19:30 シアターグリーン 客演使わず劇団での大作2部はホールの平凡さに呼応し半端感。引き続きミシンを中央に置き洋裁学校=精神病院が続くが、話は82年に舞台移り小劇場ブームにのり劇団旗揚げする若者たちの姿は感慨。歌のシーンは見事。(…

岩田規久男 / 「小さな政府」を問いなおす

2006年9月10日初版 ちくま新書 日本が採るべき経済政策を理論的に提案。各国の経済政策を詳細に分析解説し明快。英国モデルを支持し、結果の平等より機会の平等目指すが、累進税率解消を手放しに評価しカネ持ち優遇の現在税制に無批判な点は不満。(やま)

二兎社 / 書く女

2006年10月9日14:00 世田谷パブリックシアター 台本完成が初日2週間切った労作は樋口一葉の19歳から24歳までの作家生活を凝縮した3時間15分で流石にダレ感。トーク付き4時間ステージで寺島しのぶの魅力が爆発。短期間で、この多い台詞、役づくりの確かさ輝…

唐組 / 透明人間

2006年10月8日19:00 三鷹の森ジブリ美術館横 木もれ日原っぱ 当地初日は四演なる代表作でオールド状況劇場歓喜の怪優十貫寺梅軒復活。女教師役の唐十郎との絶妙コンビに爆笑。沸き起こるインタープレイに興奮。焼き鳥屋舞台に休憩10分、場面転換なしも紅テン…