坪内祐三 / まぼろしの大阪

2004年10月10日初版 ぴあ
ぴあ関西版連載中の好企画をまとめたエッセイ連作。3年に渡る連載のほぼ全編にわたり大阪に関する古本情報。対談で谷沢永一森村泰昌。たこ焼きと大阪人についての話が印象的。緩めの文章が軽快で読みやすい。(やま)

吉例顔見世大歌舞伎 昼の部

2004年11月1日11:00 歌舞伎座
顔見世初日の華やかな雰囲気の中、鴈治郎が葛の葉で安倍晴明の母・信田森の狐を華麗に演じる。早替り、和歌の曲書き等ケレン溢れる初代鴈治郎型の魅力を遺憾なく発揮。孝太郎長男、千之介が初舞台でスペシウム光線。(飯野形而)

吉例顔見世大歌舞伎 夜の部

2004年11月1日16:30 歌舞伎座
鴈治郎演じる吉田屋の伊左衛門に上方和事の極みを観る。大店の跡取りながら傾城に入れあげ勘当され、身をやつしたバカ旦那の悲哀と懲りない能天気ぶりを情感豊かに披露。芝のぶは仲居、腰元役で判別できず。(飯野形而)

桟敷童子 / しゃんしゃん影法師

2004年11月1日19:30 中野光座
神隠し信仰ある閉鎖的な村を舞台に柳田国男的民話世界。身内が神隠しに遭い残された者達の悲哀と葛藤描いて、感動のラストは紙吹雪。ベタでアングラな演出手法が奏効。神隠しに遭う童女役演じた板垣桃子が光った。(やま)