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グリング / Get Back!

2007年12月5日19:30 ザ・スズナリ 山地の村の民宿舞台に、大胆な構成で長年続いた漫画家コンビの末路を描く意欲作でヒット。同時多発会話、映像活用など最近の小劇場の流行導入。片桐はいりが人気作家役で存在感。今年大活躍の遠藤留奈も適役嬉しい。(やま)

燐光群 / ワールド・トレード・センター

2007年11月2日19:00 ザ・スズナリ 9月11日のテロ当日の日系メディアのニューヨーク事務所を舞台に現地スタッフのドタバタ描いたコメディでやや脱力。日本人にとってのワートレの意味考察も。羊屋白玉な日本人演出家登場、あの「LONG DISTANCE LOVE」の興奮蘇る。(やま)

THE SHAMPOO HAT / その夜の侍

2007年10月1日19:30 ザ・スズナリ 1年ぶりの新作は凄まじいクオリティで現代の仇討ち劇。北野武ミーツ古谷実な作風で木綿のハンカチーフに草野球など名場面連続で設定と細部にプロットも抜群。プリン浴びる赤堀雅秋には演劇の神が降臨したかのよう。(やま)

少年王者舘 / シフォン

2007年9月1日14:00 ザ・スズナリ 作家に虎馬鯨を据えた新作は筋どころか意味さえ拒否する徹底ぶりで得意のループ。天野 天街が演出に冴え見せプロジェクターワークも順調で完成の域。リピート場面にも長身美女中村榮美子がアクセントつけ面白さ倍増。(やま)

渡辺源四郎商店 / 小泊の長い夏

2007年7月14日14:00 ザ・スズナリ 温暖化進み東京が水没した近未来の青森舞台に、難民たちによる偽装家族サービス。栽培されるのが林檎からバナナに変わるなど背景面白いが、抽象的な舞台美術が味気ない。難民各自のエピソード充実も空回り気味残念。(やま)

阿佐ヶ谷スパイダース / 少女とガソリン

2007年6月30日14:00 ザ・スズナリ 被差別地域の飲み屋舞台に地酒再建目指しリポリンに萌える男たちの暴走劇が猫ホテ男優陣主役に成立。安酒「真実」の扱い、暴力性も持ち味。悲惨な状況での家族再会場面にも巧さ。スズナリ赤く染めた美術仕事も感心。(やま)

ヨーロッパ企画 / 冬のユリゲラー

2007年5月8日19:30 ザ・スズナリ 再演を重ねた代表作はクリスマスの話で「雪組」。人目忍び喫茶店に集う超能力者たちの技の見せ合うDocomo2.0のCMの元ネタ的展開見事。諏訪雅演ずるADの身を案じる心優しき男たちの間抜けな奮闘に感動。(やま)

離風霊船 / 光あれ!

2007年4月30日15:00 ザ・スズナリ 隣接地にビルができ外が見えなくなった職場舞台に社会派コメディ。飛び降り自殺の謎を探る展開も笑い満載。オフィスの窓から工事現場見せ得意の舞台装置も冴え。注目の神谷麻衣子はOLエビちゃん楽しく演じハマリ役。(やま)

風琴工房 / 紅の舞う丘

2007年4月5日19:30 ザ・スズナリ 化粧品ベンチャーに取材した新作は女性企業家の苦闘描き好感。時間割いた総務男の必要性は結局伝わらず苛立ち残る。経営危機のエピソードでもう一段の書き込み欲しいが、販売員笹野鈴々音の登場は流れ生み出し奏功。(やま)

ラックシステム / おたのしみ

2007年3月26日19:30 ザ・スズナリ 大阪弁にこだわり、昭和な生活史をわかぎゑふが描くシリーズ新作は、画家と戦後の復員と日系米兵を絡めウェルメイド。出来すぎで甘めの展開で全体にパワー不足感あるが、傑作「お正月」以来続く金字塔の継続を希望。(やま)

KUDAN Project / 美藝公

2007年3月20日19:30 ザ・スズナリ 待望の2人芝居シリーズ完結は筒井康隆原作使い映画への熱きオマージュ。詰め弱く完成途上だが古典映像大胆活用し天街ワールド。何より小熊ヒデジ&寺十吾の芸達者ぶりに感服。指耳口鼻酷使し汗まみれの熱演に感動。(やま)

ITOプロジェクト(糸あやつり人形芝居) / 平太郎化物日記

2007年2月3日14:00 ザ・スズナリ 天野天街の脚本・演出で魔法。怪談「稲生物怪録」で人形芝居に新たな可能性。ペコちゃんポコちゃん首チョンパ等凝りまくりの仕掛けが抜群。東京初上演に快哉。トークゲストに宮城聰迎え情報豊富にうにた名司会ぶり。(やま)

三条会 / ひかりごけ

2007年1月21日14:00 ザ・スズナリ 武田泰淳の人肉食い事件扱った問題作を大胆再構築。学校舞台に朗読の設定で膨らみ生み、坊主男4人と女2人で意外な動き面白い。振付けて歌う野坂昭如「黒の舟歌」が効果的。ク・ナウカ的に演者と話者分ける試みも。(やま)

燐光群 / チェックポイント黒点島

2006年12月2日19:00 ザ・スズナリ 国境を巡る様々なエピソード交錯させ混線気味は残念も竹下恵子が演じた漫画家の話が面白く、国境付近に誕生した島の発見者が国家の思惑に翻弄される展開に唸る。校内ビラ撒き規制など秀逸ネタ満載も盛り込み過ぎ感。(やま)

THE SHAMPOO HAT / 津田沼

2006年10月19日19:30 ザ・スズナリ 旗揚げ10周年の記念作は津田沼の部屋を舞台に高校時代と10年後の現在を交互に見せる青春もの。若者のダメさ、凶暴さを巧みに表現、随所に見せる時代のリアリティもよし。偏執的演出の到達点で1年後の変化が楽しみ。(やま)

ヨーロッパ企画 / ブルーバーズ・ブリーダーズ

2006年9月27日19:30 ザ・スズナリ 待望新作は青い鳥を探す間抜けな人たちのドタバタ劇。「ムーミン」的森の中の舞台に出演者溢れ、ムダ会話で持ち味出すも、のらりくらり進行でさすがにダレた後感。組織絡めた点面白いが、さらなる捻りと事件欲しい。(やま)

庭劇団ペニノ / アンダーグラウンド

2006年9月19日19:30 ザ・スズナリ ジャズトリオが「枯葉」演奏し黒いOL路線で病院インスタレーション。台詞・筋なしでNs’あおいな看護師7人による開腹手術激烈。吉原朱美以外、安藤玉恵、横畠愛希子ら女優陣はマスク着用贅沢。医師役マメ山田天晴れ。(やま)

パパタラフマラ / 僕の青空

2006年9月11日19:30 ザ・スズナリ 小池博史、松島誠、池野拓哉、菊地理恵4人とキャスト絞った新作は無国籍に抽象的な5シーン創造。小道具の使い方巧みにノスタルジックで異国情緒染みた衣装に、松本淳一の音楽よく動きのバランス、配置にもセンス。(やま)

ペンギンプルペイルパイルズ / 道子の調査

2006年8月30日19:30 ザ・スズナリ 意欲的で斬新なホンに演出追いつかず苦戦。6年前の砂恵の拙い調査と現在調査のやり直しを行う道子を舞台上同居させ描く構成巧みも、男優演技空回りで筋不明化残念。ぼくもと&内田慈が笑い生む豊かな演技で大車輪。(やま)

少年王者舘 / I KILL−イキル−

2006年8月19日15:00 ザ・スズナリ 2年ぶりの本公演は天街ワールド全開で抜群の完成度に感嘆。小劇場的ノスタルジー充満にイチローが多数登場する世界で、映像と役者が重なり本物不明化する演出の妙。夢など漢字分解も見事。夕沈ダンスも適度で効果。(やま)

tsumazuki no ishi / 無防備なスキン

2006年7月29日14:00 ザ・スズナリ 名古屋から寺十吾の質感こだわる演出光った新作は岸田賞狙うスエヒロケイスケ作で懐古的日本家屋に加害者と被害者3組同居する大胆設定で関係性と社会性に切り込む。複雑な人間関係説明足りず難も田中要次が存在感。(やま)

離風霊船 / クロスゼロ

2006年6月2日19:30 ザ・スズナリ アパート舞台に壁動かすだけで個々の部屋が覗ける仕掛け見事だが、好調近作に比べプロット低調で演出の陳腐さ露呈。つきあう人が皆死ぬ不幸な女性と不運続く各世帯の話で配役バランスも神谷真衣子の出番少なく残念。(やま)

南河内万歳一座 / お馬鹿屋敷

2006年5月28日15:00 ザ・スズナリ 不眠症の人たちに敷布団役と掛け布団役が3人セットで舞台上ずらり並べた、内藤の作風の良い面が出た佳作。安くて、そこで眠ればバカになる「大和屋別館」は、現在の自民政権を妄信する日本世論を暗示しているよう。(やま)

劇団、本谷有希子(アウェー) / 密室彼女

2006年5月4日15:00 ザ・スズナリ 乙一のムリな設定の2原案を巧みな人物造形で肉付けした手腕に脱帽。固有名詞の使い方、性格のユニークさ、女子の凶暴性で本領。常連の吉本菜穂子がヒロイン役で新境地。監禁される側の狂気、意識の変化も演技巧み。(やま)

本谷有希子アウェー / 密室彼女

2006年5月4日15:00 スズナリ 逃げ場無い都会の空隙に墜ちた男女の物語と死体遺棄目撃し監禁された女と犯人の物語とが交錯し、微妙に捻じれる秀作ミステリーは舞台よりも映像向き。緊迫感も奇妙さも可笑しさも出せず凡庸な仕上がり。(飯野形而)

風琴工房 / 砂漠の音階

2006年4月10日19:30 ザ・スズナリ 1936年3月12日の中谷宇吉郎が弟子たちとともに人工の雪の結晶を作った1日を描き真面目な劇作。中谷研究室を訪れる者たちのエピソード詰めすぎで1日にこだわった悪影響出て惜しい。当時の北大の雰囲気再現はOK。(やま)

THE SHAMPOO HAT / 恋の片道切符

2006年3月20日19:30 ザ・スズナリ 在日朝鮮人集まる零細パチンコ店控え室を舞台に真夏の午後の一コマを見事に作品化。草野球チームの会合とアルバイト面接重ね警官が何度も顔出すヤバい雰囲気。停電に電話まで止まる緊張が見事。大堀の店主ぶり秀逸。(やま)

THE・ガジラ / ひかりごけ

2006年3月12日14:00 ザ・スズナリ 公演連発で制度疲労気味も武田泰淳作得て確実ヒット狙うが苦しい。センターステージで遭難漁師たちが仲間を食い始める衝撃展開も眠さ抜けず。若松武史の声は存在感。松田洋治の食われ役よし。鍋使う演出は効果あり。(やま)

O.N.アベックホームラン / ちがいます

2006年2月25日14:00 ザ・スズナリ 温水洋一&大堀こういちで細川徹演出のコント集は新作入りベスト版。温水の役づくり見事で温泉探す雪山での異常ぶり鮮烈、キツネの匂いの狂気。2人での三者面談も面白く、ポップさ欲しいがナンセンスな笑いは堪能。(やま)

桟敷童子 / 泥花

2006年2月14日19:30 ザ・スズナリ 50年代の九州の炭鉱町舞台に親戚頼り住みつく3姉弟の一夏の日々を劇的に描いた見事な群像劇。ひまわり満開に焼き鳥屋と長屋設け徹底したアナクロ路線が的中。板垣桃子はじめ女優陣が昭和な映画世界生み出し成功へ。(やま)