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パーマ屋スミレ(作・演出:鄭義信)

2012年3月25日13:00 新国立劇場 小劇場 九州の炭坑町のアリラン峠舞台に在日コリアンのひたむきな暮らし描き出色。CO訴訟など史実絡め3国籍共存する家もリアリティ。ヒロインの南果歩熱演、松重豊ハマリ、残酷な運命、ささやかな夢も叶わぬラスト感涙。

イデビアン・クルー / アレルギー

2011年3月13日15:00 新国立劇場小劇場 THE PIT 活動再開公演は地震で金土休演し楽日へ。畳状舞台を左右流れる昭和なダサ格好いい様々な衣装の10人のダンサーの微妙な関係性を楽しむ。ミニマルテクノから岩崎宏美「万華鏡」も飛び出す音楽面白くラストの群舞最高。

タトゥー(作:デーア・ローアー 演出:岡田利規)

2009年5月24日13:00 新国立劇場小劇場 4人家族の残酷な運命描いた独女性現代作家代表作は、役者に棒読み台詞課す大胆演出で新味。無数の窓吊るす塩田千春インスタレーションも刺激。父役で吹越満が暴君ぶり見事、次女役内田慈もしなやかに好演し応えた。

東京室内歌劇場 / ル・グラン・マカーブル

2009年2月8日15:00 新国立劇場中劇場 現代音楽家リゲティ唯一のオペラ作品の日本初上演は演出にARICAの藤田康城を迎え架空の国ブリューランドをアートで斬新に表現も字幕どぎつく白け。神村恵振付でほうほう堂がネズミな造形で跳ね回り後半に活気。

近代能楽集「綾の鼓(演出:前田司郎)」「弱法師(演出:深津篤史)」

2008年10月11日13:00 新国立劇場小劇場 企画力の悪さ目立つ新国立が再び大失敗。岸田戯曲賞作家の前田と深津が三島作品の演出に取り組むも相性悪く持ち味出ず面白みのない仕上がり。十朱幸代、綿引勝彦、多岐川裕美、国広富之ら豪華すぎるキャストも裏目。

シリーズ・同時代Vol.2(作:前田司郎×演出:白井晃) / 混じりあうこと、消えること

2008年6月28日13:00 新国立劇場小劇場 前田司郎書き下ろし新作を白井晃が演出するムリな組み合わせで玉砕。ママゴトのフォーマット活用し自由に設定やストーリー膨らませる展開も、力入った直球演出でヒリヒリ感。公演後トークの前田×堀尾バトルは興奮。

日韓合同公演(作:鄭義信、演出:梁正雄・鄭義信) / 焼肉ドラゴン

2008年4月20日13:00 新国立劇場小劇場 万博開催時の関西コリアン街の焼き肉店舞台に当時の流行風俗巧みに取り込み民族色豊かに家族の物語描き出色の出来。足の悪い長女役で栗田麗が見事にヒロイン役こなす。男女関係ドロドロ、済州島事件にも言及し深み。

日中共同プロジェクト(李六乙×平田オリザ) / 下周村−花に嵐のたとえもあるさ−

2007年5月19日13:00 新国立劇場THE PIT 贋作づくり盛んな中国奥地の村の日系企業工場で遺跡見つかり考古学チームも交え巧みに展開も後半脱線ひどく演出に難。プロット破綻し字幕も読み切れず冗長なイメージ展開に辟易。連勝オリザにも「天の煙」以来の土。(やま)

勅使河原三郎 / ガラスノ牙

2006年12月16日18:00 新国立劇場中劇場 注目の世界初演新作は2部構成で舞台に敷き詰めたガラスの破片の上をバリバリ鳴らしながら勅使河原が踊る姿が圧巻。多数登場の前半低調もデュオでの後半バランスよくガラス飛び散る音をマイク拾い痛いほどの臨場感。(やま)

シラノ・ド・ベルジュラック(構成・演出:鈴木忠志)

2006年11月3日14:00 新国立劇場中劇場 鈴木忠志16年ぶりの東京公演は「劇的な情念をめぐって」静岡SPAC成果披露。仏人気作を江戸時代に舞台置き換え伊歌曲も効果抜群。独自形式も完成形で雪舞うラストは圧巻。堀尾正明×鈴木トークで小劇場史の貴重な証言。(やま)

アジアの女(作・演出:長塚圭史)

2006年10月8日13:00 新国立劇場/THE LOFT 近未来地震後の東京片隅の破損激しい家舞台に近藤芳正と富田靖子の病んだ兄妹の日常。中国人に関して渦巻くデマは関東大震災時より現代的リアリティ。二村周作の美術よく峯村リエの女衒的な悪役見事だが全体弱いか。(やま)

やわらかい服を着て(作・演出:永井愛)

2006年6月7日19:00 新国立劇場THEPIT イラク反戦NGOの若者たちの群像劇は開戦前夜、3人質騒動、9.11選挙、開戦3年目の4つの日を選び見事。吉田栄作と小島聖中心にキャラ輝く。人間の弱さ描き組織崩壊の危機も小さな支援で立ち直るラストに「希望」。(やま)

ローラン・プティの「こうもり」

2006年5月27日15:00 新国立劇場オペラ劇場 ヨハン・シュトラウスⅡオペラをプティがバレエ化は驚くほど演劇的。ベラ役で真忠久美子など日本人ダンサーで構成の夫婦コメディは群舞の楽しさ抜群。カンカンダンスや食事場面ユニークにパリのエスプリ強烈で珍味。(やま)

マテリアル・ママ(作・演出:岩松了)

2006年4月29日 新国立劇場 THE PIT 舞台中央、家の中にクルマ置き「物質と精神を等しく考えた話」も筋立て曖昧でキャラも立たず失敗。期待の仲村トオルは自動車セールスマン役で登場も機能不全。娘のクルマ守り続ける母役倉野章子好演しただけに残念。(やま)

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団 / 「カフェ・ミュラー」「春の祭典」

2006年4月13日19:00 国立劇場 来日20周年記念公演で代表作2作実現。カフェでピナ自身のダンス堪能。ストラヴィンスキー作に独自の解釈加えた春の祭典が壮観で土敷いた奥行きある舞台で30名超すダンサーが迫力、現代芸術の最重要傑作目撃に感激。(やま)

3月歌舞伎公演「猿之助十八番の内 當世流小栗判官」第二部

2006年3月22日18:30 国立劇場大劇場 低調の第一部に比べ見せ場多く美濃での青墓宿からの場面が秀逸。小栗判官巡り笑也の照手姫と春猿演ずるお駒の切ないまでの明暗が見事。渋谷勢に比べ天馬の宙乗り含め全体の舞台は迫力欠けるが二部構成の試みは支持。(やま)

3月歌舞伎公演「猿之助十八番の内 當世流小栗判官」第一部

2006年3月15日13:00 国立劇場大劇場 昼夜ぶっ通しで猿之助の十八番、小栗を花形公演で実現も若手の力量に課題。気合い十分の渋谷勢に対し凡庸な舞台が残念。古典なら欲しい質感が出ず、トリノ五輪などギャグコーナーも空回り。見せ場多い第二部に期待。(やま)

通し狂言 曽我梅菊念力弦

2006年1月9日12:00 国立劇場 菊五郎&菊之助で鶴屋南北作の復活狂言。正月で曽我物だが本筋江戸世話物2話の複雑リミックスで江戸後期の作風の異様さに驚く。尾上親子がともに2役演じたが菊之助の女形に貫禄。銭湯場面など見どころ豊富に江戸。(やま)

文楽の夕べ

2005年11月28日18:30 大阪市中央公会堂 日経主催の文楽啓蒙イヴェントの座談で、文化功労者に選ばれた竹本住大夫が貴重な芸談披露。文楽の国立劇場化、世界遺産指定のメリット語る一方、偉ぅなりすぎでっせ、と大衆芸能からの乖離傾向に強い危機感提示。(飯野形而)

貞操花鳥羽恋塚

2005年10月14日12:00 国立劇場 両花道、筋交い宙乗り、屋台崩しと凝りに凝った演出に驚嘆する一方、南北脚本の細かな仕掛けに付いて行けず自身の古典教養の無さを恥ず。時代考証無視し「世界」を綯い交ぜにする南北のリミックス魂には強い共感。(飯野形而)

日韓友情年2005記念事業(作:平田オリザ+金明和/演出:李炳莒+平田オリザ)/ その河をこえて、五月

2005年5月24日19:00 新国立劇場小劇場 THE PIT W杯時上演の話題作再演は現代の漢江の河原を舞台に日韓混成の花見。静かな演劇の枠組こだわりつつ両国の理解と不理解を炙り出す豊かなドラマ性。弟夫婦の移民話で展開、両国の役者が60年の歴史体現し希望残す傑作。(やま)

水と油 / 移動の法則

2005年2月19日18:00 新国立劇場小劇場 マイム抑え目にダンス色。意識的に壁を動かし次々と空間変更し展開。唯一楽しめた美術館の場面除き、コミカルさ減り退屈な印象も。道具多く使うもモノトーンな印象変わらずパワーも不足。次回「不時着」再演に期待。(やま)

二人の女兵士の物語(坂手洋二作・演出)

2004年11月13日18:00 新国立劇場 7エピソード連作を小島聖と宮島千栄で2人芝居。浅間山だいだらぼっちの怒りと鎮魂がテーマ。運動場、団地の殺意、火星など多様も、核は「雪山」で連合赤軍の山岳ベースを永田と金子軸に再現。種田洋平の美術も効果的。(やま)

10月歌舞伎公演 伊賀越道中双六

2004年10月16日12:00 三宅坂・国立劇場大劇場 求婚した相手が実は妹という冬ソナな側面もつ「沼津」焦点に、浮世の義理から敵同士に別れた親子の苦悩と死が情感たっぷり。大詰めの伊賀での仇討ち場面は驚くほどあっさり。7歳の饅頭娘など江戸の世界観にびっくり。(やま)

10月歌舞伎公演 伊賀越道中双六

2004年10月11日12:00 国立劇場大劇場 発端からの上演で沼津の意義が際立った貴重な通し公演。堂島の米相場を動かした歴史的競演から次代へ受け継がれた沼津は、客席を一周する牧歌的な道行から市井の民の義を重んじた悲劇まで上方世話物芸の粋を結集。(飯野形而)

ヴェルディ マクベス

2004年5月28日18:30 新国立劇場オペラ劇場 歌舞伎演出を経て巨匠への途を着実に歩む野田秀樹の初オペラ演出は冒険せず堅実に大規模プロジェクトをこなせる手腕を提示。これまで培った演出技法を巧みに用い、アンサンブルを使った流麗な場面転換の手法は流石。(飯野形而)

ヴェルディ マクベス

2004年5月25日18:30 新国立劇場オペラ劇場 ヴェルディ×シェークスピア×野田秀樹の豊かな遭遇。オペラという制約にきっちり応え、演劇的な面白さ、自らの思想も反映させて完成度高し。イングランド軍による虐殺シーンは圧巻。衣装はワダエミ、海外勢含め100人を超える大舞台で貫禄。(やまガブリエル)

新感線プロデュース/髑髏城の七人

2004年5月1日12:00 新国立劇場中劇場 実験性、先進性等を一切捨象し、娯楽性のみを徹底的に追求した舞台は、マンネリを越え今や様式美。水野美紀は見得や決め台詞が弱いながら、出演者中最も華麗な殺陣は一見の価値有り。佐藤正宏演じる家康も絶品。(飯野形而)

野田秀樹/透明人間の蒸気

2004年3月27日18:00 新国立劇場中劇場 「桜の森〜」で活かせなかった新国立の奥行30mの舞台を今回は見事に使いこなし、鮮やかな空間演出。オペラ「マクベス」演出にも期待大。役者としても広い舞台を縦横無尽に動き回り、野田健在を強烈に印象付ける。(飯野形而)

永井愛作・演出 / こんにちは、母さん

2004年3月21日13:00 初台新国立劇場 まさに劇場の神、加藤治子。絶品の演技にじんわり。ビートルズの曲に乗り平田満演ずるリストラ男=息子が浅草の実家に帰って不幸自慢。日本家屋を再現し、笑いふんだんに切ない家族の歴史が語られ、ラストの花火は演劇史もの。(やまガブリエル)