ラッパ屋 / 七人の墓友

2024年6月26日18:30 紀伊国屋ホール
俳優座へ書いた人気作の劇団初上演は笑い豊富に独居老人たちの集い描きじんわり。意外に幅広い墓友で若手積極起用も奏功。墓友参加の母に戸惑う娘役で岩橋道子好演。母・弘中麻紀と墓友の谷川清美ら客演陣も効果的。

ちいさな死神くんとあの木の上のお星さま(振付・演出:黒田育世)

2024年6月22日14:00 調布市せんがわ劇場
バッハのシャコンヌ使った意欲作は娘大病時に病棟で見た切ない現実を巧みに表現し感涙の嵐。黒田育世&松本野々花の母娘素晴らしく死神役の小出顕太郎も見事。BATIKダンサー安定感。鄭亜美ら異色の布陣も奏功。

綿矢りさ / パッキパキ北京

2023年12月10日初版 新潮社
夫の転勤に伴いコロナ禍に転居した女性視点で北京描いて新機軸。ローカルフードや現地の流行ファッション、春節も含めて面白いものを味わい尽くす日々新鮮。あえて元ホステスのぶっ飛びキャラ設定で振り切り方強烈。

第8回横浜トリエンナーレ 野草:いま、ここで生きてる

2024年3月15日~6月9日 横浜美術館BankART KAIKO、他
リウ・ディンとキャロル・インホワ・ルーが選んだ作品は、様々な問題に荒っぽく取り組みざらざら感。加工少な目なドキュメント映像多め。全体にやや野暮ったく洗練さに欠いた印象も。次回は日本人の若手起用を希望。

春日太一 / 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

2023年11月27日初版 文藝春秋
生前行った十時間超のインタビューと膨大な資料で人気脚本家の実相に迫る大作は12年の歳月かけた労作で大宅賞受賞も納得。羅生門七人の侍砂の器八甲田山など人気作制作の舞台裏、主張食い違う藪の中に興奮。

あひるなんちゃら / 飲める醤油

2024年5月19日15:00 駅前劇場
醤油メーカーを舞台に体に毒だけど飲むと美味しい醤油の開発を巡る喜劇はキャストの布陣よく絶妙な笑い満載で大成功。経理部の上司演じた平川はる香の宇宙人な決めポーズ最高。松本みゆき機能の子ども食堂も楽しい。

海ねこ症候群 / もう、どうにもトまらないっ‼︎

2024年5月12日12:00 シアター711
国民生活充実化計画つくり習い事奨励する近未来舞台に実際は酒盛り中心のバレエ教室と中華食堂の2場用意し女ばかりの群像劇が成功。高岡葵が本気でバレエ習いたい健気なヒロイン好演。山本リンダの名曲も元気生む。