山内ケンジ / ミツコ感覚

2011年12月27日21:00 テアトル新宿
CM、演劇に続き映画に挑んだ監督第一弾は得意の不倫をテーマにストーカーの味付けも強烈に、石橋けい初音映莉子の姉妹の日常を生々しく描いて成功。古舘寛治の調子良すぎる上司滑稽で、三浦俊輔のキャラも強烈。

ペドロ・アルモドバル / 抱擁のかけら

2010年3月22日9:50 新宿ピカデリー
ぺネロぺ・クルスを悲劇のヒロインに時代を交錯させミステリー仕立て。秘書から女優に抜擢でもオーナーの嫉妬の餌食になる展開も重厚な作りで劇中の原色ばっちりの映画も含めアルモドバル監督の創作の充実ぶり抜群。

松江哲明 / あんにょん由美香

2009年9月10日20:30 東中野ポレポレ 
注目新作は林由美香が出演した韓国製B級エロ映画に迫った意欲作。カンパニー松尾平野勝之いまおかしんじが登場しAVやピンク映画のロケ現場訪ねる前半も見事だが韓国へ渡ってからの展開がドラマチックで衝撃的。

下西啓正 / グレムリンの行程

2009年6月19日21:20 駅前劇場
公演後上映の08年製作15分映画は柿ピー仕分けする町工場を舞台に外国人労働者と働く日本人バイト青年の葛藤をコミカルに描いて大成功。セクハラに遭いながらも逞しく働く外国人パートを岩本えりが色気湛え好演。

ダニー・ボイル / スラムドッグ・ミリオネア

2009年6月15日16:00 シネセゾン渋谷
クイズ番組の進行と共に過去振り返る筋立て陳腐も兄弟2人と幼馴染の激動の日々を迫力満点に見せ文句なしのオスカー受賞。ポップセンス存分にコマ割りムンバイのスラムを美しく臨場感抜群に描き子供たちの躍動圧巻。

吉田大八 / 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

2007年7月7日12:30 シネマライズ
舞台で小説で輝いた本谷有希子代表作映画化は、石川の田舎町の一家の残酷ドラマに奥行き与え、CM畑の持ち味もしっかり。待子の不在理由を眼の病気に変えリアリティ。勘違い女・澄伽をサトエリが抜けた演技で好演。(やま)

ケン・ローチ / 麦の穂をゆらす風

2007年1月18日10:45 渋谷シネ・アミューズ
1920年代、英国占領下のアイルランド舞台に発足間もないIRAの姿を中心に残酷なまでのリアリズムに震える。5国合作で文句なしのカンヌパルムドール。独立の戦争が内戦に変わる皮肉、兄弟を待つ厳しい運命が衝撃的。(やま)