2015-01-01から1年間の記事一覧

問題のあるレストラン

TV

2015年1月15日〜3月19日22:00 フジテレビ 最高の離婚、Womanと絶好調の坂元裕二新作は真木よう子主演の女性ドラマ。外食業界舞台にフェミニズム風味強烈も裏原宿の新興レストランの成功過程に興奮。集団ダンス効果的。引きこもりシェフ松岡茉優大健闘。

サンプル / 蒲団と達磨(作:岩松了、演出:松井周)

2015年3月14日14:00 KAAT神奈川芸術劇場(大スタジオ) 静かな演劇な岸田賞受賞作サンプル版は娘の結婚式終えた家族の異様な一夜描き不気味感。深夜に皆が集う和室面白く、お父さん役古舘寛治さすが。古屋隆太の運転手強烈。細部見事でコミカルだが意外に笑…

奥泉光 / 東京自叙伝

2014年5月10日初版 集英社 谷崎賞受賞作は明治維新から福島第1原発まで主に6人の無責任なリアル悪人の視点で描き新鮮。新書っぽい見出し効果的で史実巧みに織り込む構造が見事。特にバブルに踊り保険金殺人に進む戸部みどりの暴走描写圧巻。

あひるなんちゃら / 走るおじさん

2015年3月9日19:30 駅前劇場 微妙なタイトルの新作は中心軸はやっぱり微妙。ただ、公園で見てる人=バンドやってる風3人組が素晴らしく及第点で、志水衿子の飛ばしキャラが最高。娘演じた松本みゆきいいが、父への暴力エピソードは笑えず戦慄。

野鳩としまおまほ / はたらくおやつ

2015年3月5日19:30 OFF・OFFシアター 原作者しまほまほの直前降板劇は惜しいが全編覆う緩いマンガ感覚が素敵。イラスト大胆活用のオフィス設けた舞台美術もよし。ジゴロチーフにダメ社員の純な社内恋愛いいが、ワタナベミノリ演じた新人キャラが大成功。

モモンガ・コンプレックス / 大失敗。

2015年3月4日19:30 こまばアゴラ劇場 初のアゴラ公演は冒頭の睡眠中ビデオから実験色発揮。北川結絶品キャラの偽フランス人復活も感激。肩パッド楽しく、匿名合唱団などおバカなネタ集よく黒壁へのイラスト描きもいいが、空間活用はもっと大胆さを要望。

佐々木敦 / ニッポンの音楽 

2014年12月20日初版 講談社現代新書 70年代からの日本のポップミュージックを明瞭な語り口で解き明かし大成功。はっぴいえんどにYMOと10年ごとに主役設定し深掘りし興味深いエピソード満載。Jポップと90年代の章では渋谷系の解説充実で感動。

MONO / ぶた草の庭 

2015年2月26日19:30 ザ・スズナリ 1年ぶり新作公演は得意の組織論展開し鋭い作風が奏功。謎の病気にかかり隔離される者たちのコミュニティの崩壊と再生描いて会心。山本麻貴ら充実の女優陣も機能。社会から見捨てられ死に行く現実見せシニカル強烈。

徒歩7分(作:前田司郎、演出:中島由貴) 

TV

2015年1月6日〜2月24日23:15 BSプレミアム 傑作「お買い物」コンビ復活は30分8回の嬉しい連続ドラマ。彼氏なし、友達なし、仕事なしの32歳女性を田中麗奈が演じ会心。弁当屋の上のアパートでの交流が間抜けでリアル。隣人の看護師のやさぐれぶりも奏功。

青年団若手公演+無隣館一期生修了公演 / 南へ 

2015年2月24日19:30 こまばアゴラ劇場 20年ぶり再演は青年団の若手役者陣と演劇学校1期生を使い一部演技に堅さも。南へ向かう船上舞台に展開し近未来の日本の醜い姿見せつけ刺激的。ソウル市民直後作だけに周辺国民を当たり前に見下す若者たちつらい。

岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ 

ART

2015年1月24日~3月31日 世田谷文学館 初の本格的展覧会は代表作軸に300点超す原画を凝って展示し見事なインスタレーション。よくぞ集めた漫画ブリッコ等マニアックな掲載誌群ぎっちり並べ興奮。学生時代のイラストも揃うほか最新メッセージにも感涙。

ゴキブリコンビナート / ゴキブリハートカクテル 

2015年2月15日16:20 タイニイアリス 悪夢の遊園地第三弾はグロさ増しあんまりな展開。観客4人でクルド人のアジト探しも便器に入るコースきつく、汚れまくりで焦る。参加型演劇もM度試され行き過ぎ感。ラストはホリ坊も登場のインモラル姉妹が刺激的。

佐々木実 / 市場と権力「改革」に憑かれた経済学者の肖像 

2013年4月30日初版 講談社 竹中平蔵を和歌山の学生時代から関係者のコメント集めて描き、異常なまでの上昇志向を見せる人物像立ち上がらせて圧巻。開銀時代に同僚の手柄奪い、銀行再編には会計士の犠牲も招いた手口も提示し納得の大宅賞受賞。

しりあがり寿 / 絵画のぞんざいな回転 

ART

2015年1月8日~2月13日 art space kimura ASK? (2F) + ASK?P(B1F) 「絵画の存在とその展開について」から改題された注目個展は瓶描くマチス風の静物画な凡庸な1作を複数展示するが、これが各所で不思議な回転を繰り返す不気味インスタレーション。過去の小作…

タカハ劇団 / わたしを、褒めて 

2015年2月8日14:00 駅前劇場 1人の女優の死を巡り「楽屋」公演に臨む女優たち軸に刑事が謎解き展開し重厚。メタ演劇でも濃密空間での演技合戦やや窮屈感も筋立てうまくマネージャー田之倉役で後東ようこ哀感。異儀田夏葉のベテラン女優も新鮮。

DULL-COLORED POP / 夏目漱石とねこ 

2015年2月6日19:00 座・高円寺1 舞台幅いっぱいに縁側配し障子の影も効果的に猫視点で見つめる漱石の臨終。走馬灯のように過去のエピソード入れ込み、漱石の人物像に迫る試みでストイックな味わいが意外感。芥川と思われる弟子との会話場面が出色。

多和田葉子 / 献灯使 

2014年10月30日 講談社 原発事故後描く連作集は鎖国化した近未来日本描く表題作が強烈。曽孫を育てる作家の男を通し超高齢化した世界描き新鮮。地震発生と避難所描く韋駄天も見事。彼岸は中国攻撃で有名な政治家の情けない亡命ぶり笑えた。

水素74% / こわれゆく部屋 

2015年1月24日14:00 こまばアゴラ劇場 10年ぶり帰宅の妹は夜飲食店で働く男連れ同居まで始め戸惑う姉も怪しい同棲生活で得意のだめんず展開。妹の同級生だった同居人も姉と同じ看護士といい話になると思いきや残酷な結末用意。妹役で富田真喜が存在感。

阿部共実 / ちーちゃんはちょっと足りない  

2014年5月20日初版 秋田書店 団地に住む中学生女子2人の友情から格差社会も巧みに描き驚異的傑作。ちーちゃんのボケ連発とゆるい作画で軽めの始まりも、姉の意外な苦労、カネが絡む終盤でナツの内面を刺激的なモノローグで表出し圧巻のラスト。

マームとジプシー / カタチノチガウ 

2015年1月17日16:30 VACANT 待望新作は丘の上に住む親が微妙に異なる3姉妹を描いて新境地。青柳吉田川崎の3役者に絞り激しい動き取り戻し奏功。近親相姦、親殺しなど残酷な要素多く、シンデレラの挿入あり欧風も洪水の街描くラストが未来系。

佐野眞一 / ノンフィクションは死なない 

2014年12 月10日 イースト新書 沈黙破り週刊朝日連載終了の真相語り、盗用疑惑にも回答し迫力の1冊。苦悩の日々やノンフィクションの意義、猪瀬直樹との過去のつきあいと確執も洗いざらい書いて衝撃。私的ノンフィクション史も興味深く一気読み。

ENTRANCE(構成・演出:多田淳之介)

2015年1月8日20:00 世田谷美術館 エントランス・ホール シリーズ13弾は多田起用し伊東歌織&福田毅演じる1年の入り口。ロビー映像巧みに導入、入場者として出入り階段登り降りして紅白歌合戦に突入の展開に驚愕。妖怪ウォッチ激しく踊りリアル身体。サザン…

川上弘美 / 水声 

2014年9 月30日 文藝春秋 姉と弟の恋情を幼少期から中年期まで前後させ描くインモラルな家族小説は、井の頭線沿線中心にサリン事件など東京現代史も取り入れ鮮やか。個性的なママのキャラよく、明らかになる両親の秘密巧みで見事なスパイス。

新年工場見学会2015(五反田団「チング〜友へ〜」、紅未会「未メタモルファーゼ2015」、ハイバイ「RPG演劇『エンド・オブ・ワールド』」、プーチンズの新春ライブ、ポリスキル) 

2015年1月3日14:00 アトリエヘリコプター 12回目新年企画はヤクザ映画パロディで黒田&師岡の高倉健&菅原文太が全く似てなく笑い。前田組と西園組の抗争よく内田慈&中島歩登場し大作の趣き。ハイバイはRPG演劇挑戦空回りだが紅未会&ポリスキル安定。