2011-01-01から1年間の記事一覧

ミクニヤナイハラプロジェクト / 前向き!タイモン

2011年9月1日19:30 こまばアゴラ劇場 超高速な3人芝居はシェークスピア作品題材に演劇度アップ。絶望の中を前向きに生き抜くタイモン軸に農民とメイド交え階段上り下りなど絶え間ない動きに圧倒。がんばる鈴木将一郎、笠木泉、山本圭一が意外に笑えた。

少年王者舘 / 超コンデンス

2011年8月28日18:00 ザ・スズナリ 長身格好いい中村榮美子を飲んだくれ自分不明な太郎役に据えて、現在過去を分単位で行き来する王者舘ワールドが全開。文字遊びで酒+の肴オンパレード楽しく、お品書きシリトリ最高。人数増えて見える酩酊演出に笑う。

モガっ!〜記憶はだいたい憶測〜?(作:田上豊、構成・演出:白神ももこ)

2011年8月27日17:00 富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ 6コース中「?」選択は河童に追われ劇場内逃げる展開。室内暑さきつめで他との絡み少なくダンス場面少ない点残念だが、6演目を織り上げる実験性は評価。案内役の角梓の汗まみれの奮闘に拍手。召田実子…

羽海野チカ / スピカ

2011年7月20日初版 白泉社 連載「3月のライオン」が絶好調の彼女の短編集は、00〜04年のデビュー当初の作品群だけに初々しさ抜群。ひな&高橋彷彿のバレエ少女と野球部員の交流描く表題作はじめ短くも少年探偵など少女漫画な味わいしっかり。

DULL-COLORED POP / Caesiumberry Jam

2011年8月25日19:30 シアターグリーン Box in Box 再始動第1弾はチェルノブイリ近くの町の悲劇描いた07年作の再演。舞台に土敷き日本人カメラマンと被災者との交流みせ、教師の出産や消防士の家族の悪夢が衝撃的。いまや被災地差別も懸念される放送禁止な危…

中原昌也 / 死んでも何も残さない 中原昌也自伝

2011年3月20日初版 新潮社 小説中止中に発表の自伝は何と語り下ろし。幼少期からの好きだったテレビ番組や音楽遍歴など等身大エピソード展開し、暴力温泉芸者誕生の話も興味津津。「でかい」影響受けた70年代のバラエティ番組の羅列も楽しい。

CRUSH THE TYMKS / 星の降らない夜明け前

2011年8月24日19:30 こまばアゴラ劇場 初の単独公演はキモ楽しい前説に続き登場後は、ひたすら徹底的に踊り興奮の1時間。持ち味のヒップホップなダンス冴え、コミカルさ巧みに用意し膝ぶつけあう場面に唸る。終演挨拶後のダンスも派手で最高フィナーレ。

Line京急、ボクデス&家族、三浦康嗣(口ロロ)、悪魔のしるし、SachikoM、Core of bells、大谷能生×吉田アミ、地点、遠藤一郎 / 吾妻橋ダンスクロッシング2011

2011年8月20日19:00 アサヒ・アートスクエア 康本欠場でダンス色稀薄化しベタな遠藤一郎は減点。大日本帝国文書朗読の地点も横並びで単調。大谷大活躍。嫁と子ら小浜家総動員のボクデス見事だが三浦合唱の放射線なスカイツリーが会話も面白くこの夜最高の出…

マームとジプシー / 塩ふる世界。

2011年8月20日15:00 STスポット 母親を投身自殺で失ったひなぎく軸に海辺町の同級生たち描く群像劇は新領域演出みせ革新。全役者フル出演、ダンス的な動きを続け、大音量劇伴は声消しても繰り返し演出で救済。告白するはなこ色気抜群で兄も楽しい。

劇団外、本谷有希子 / クレイジーハニー

2011年8月13日19:00 PARCO劇場 商業成功作はトークライブ会場舞台にファン心理の深層えぐりポツ風味。赤髪の携帯小説家で長澤まさみとトーク相手のオカマなリリーフランキー挑発的。絶対服従でも凶暴さ見せるファンで坂口辰平らアンサンブル強烈。

キリンバズウカ / マッチ・アップ・ポンプ

2011年8月13日15:00 川崎市アートセンター アルテリオ小劇場 1年ぶり新作は地方都市で暮らす一家族の再生描き秀逸。2浪中のヒロイン田中こなつ素敵だが商工会で働く地味女子演じた渡邊とかげ素晴らしく楽しい。効果的なダメ男挿入で膨らみ、山火事の疑念や…

佐野眞一 / 津波と原発

2011年6月17日初版 講談社 書き下ろし400枚は震災の実態描き説教臭でも抜群の情報量。三陸と浜通りの緊急取材と東電OLや正力松太郎ら過去仕事も活かし原発編の濃さに興奮。地元に仕事なく出稼ぎに頼る福島の自治体の誘致の皮肉描き出色。

ニッポンの河川 / 大きなものを破壊命令

2011年8月12日19:30 こまばアゴラ劇場 福原充則新作は熊谷舞台に時空超え脱走4姉妹が活躍。光瀬指絵や佐藤真弓ら4女優が次々と役変えカセット手に音響・照明いじり天晴れも四方客席の狭空間でチマチマ感。トークゲスト矢内原美邦でダメ出し要求に苦悩。

青☆組 / パール食堂のマリア

2011年8月7日15:00 三鷹市芸術文化センター 星のホール 10周年で劇団化公演は港町の食堂を舞台にした2時間長編で吉田小夏の想像力爆発。頑固な店主と2人の娘の縁談話を巧みに描き福寿奈央&高橋智子の姉妹よく出色も、ヨコハマメリ―や混血少女なフリンジが…

プロジェクト大山 / キャッチ マイ ビーム

2011年8月6日14:00 シアタートラム TCA次代を担う振付家賞受賞者公演は、赤い大布で姿隠し足だけでダンス見せ腿の美しさ強調の冒頭に感服。お馴染みの水泳帽な頭巾被り、大胆な群舞も強烈だが、アクセント弱くストイックな印象で中盤のダレ惜しい。

劇団鹿殺し / 岸家の夏

2011年8月1日19:00 青山円形劇場 客演で千葉雅子と峯村リエ迎えた女優祭りは九州・飯塚の岸家三姉妹を巡る物語。柔道一筋な女たちの男運の悪さを大胆演出で見せて流石。終盤に母に泣きごと言う名場面に感涙。「バリやばい」「IPPON」など劇中歌も見事。

五反田怪団2011

2011年7月30日19:00 アトリエヘリコプター 石澤彩美ら加え実話怪談という体で笑い満載も恐さしっかり。リアル猫鍋、親子逆転なアメリカン怪談、真打ち吉田悠軌の雑居ビルの深夜掃除など多彩。休憩後は吉田彩乃旧宅訪ねた恒例メンバー合宿怪談で抜群の構成度。

ワワフラミンゴ / 野ばら

2011年7月30日16:00 下北沢 café viet arco 珍しくガールズトーク全開に慰謝料まで貰う生々しさ出し新境地。メガネ探し見つける紙切れ読むダメ男子会話劇もコミカル全開。浅川千絵の強烈個性巧みに生かし、ロロ森本華はキャバ嬢任命でパンや野菜がっつき奏功…

ワワフラミンゴ / バーン・ナ・バーン

2011年7月30日13:00 下北沢 café viet arco 「納屋を焼く」目指す新作は罵倒されるブドウたち描いた過去作路線再び。ケーキ組とレモン組がガムテ巡り対立はケーキの圧勝な展開面白い。着ぐるみ&メイクで狸演じた北村恵が最高で枯葉出して数え隠す姿かわいい…

増井重紀 / 鉄屑ロマン

2010年12月4日初版 世界文化社 住友商事で鉄屑に出会い米国最大の鉄屑会社に入り経営者として大成した著者の半生記は圧倒的な臨場感。ロサンゼルス10年戦争など大仕事の詳細が大胆に語られ興奮。ビジネス勝者ならではの痛快感も出て抜群の面白さ。

東京デスロック / 再/生

2011年7月24日15:00 STスポット 傑作再演は大胆リメイクでLOVE新版の趣き。目立った台詞は焼き肉店での会話程度で、集団自殺のモチーフも抑制し抽象化徹底。爆音の「TSUNAMI」などにあわせ人生の様々な場面の動きを連続し興奮。サティや相対性理論も使用。

DANCE COLLOQUIUM X (高野美和子「ケース・スタディその1〜20代中期女性8名の体に関する試み〜」)

2011年7月23日18:00 こまばアゴラ劇場 3振付家競作企画のAプロは女子体大出身ダンサーたちの激しめの踊り奏功。肘や膝こする動き面白く、カクカクとロボットな動きのベタなの群舞も多様なバリエーションの中で問題なし。1:7の構図などコミカルさも。

DANCE COLLOQUIUM X (磯島未来「思春期ブルー」)

2011年7月21日19:30 こまばアゴラ劇場 ダンスコラボ10回目は3振付家競作。元ピンクの磯島作は学校の教室を舞台に思春期パワー全開。似合わない学生服姿でアングラ風味から派手な動き繰り出し、女4人で男1人をいじる関係性も面白く突飛な笑い満載に○。

ぬいぐるみハンター / 愛情爆心地はボクのココ

2011年7月18日14:30 王子小劇場 ストリートチルドレンがモチーフの新作はいびつな家族描き、劇場ロビーを舞台に変える試み成功。スピカ役の片桐はづきの姉の優しさ発露が出色。八幡みゆきの暴力的なボーイッシュさも魅力的。歌に踊り味付け嬉しい。

阿佐ヶ谷スパイダース / 荒野に立つ

2011年7月16日18:00 シアタートラム 1年半ぶり新作は目玉失い堕ちるヒロインに安藤聖抜擢し代行使い新味。抽象美術に役者肉声効果音など斬新さ。3人出た目玉探偵では中山祐一朗楽しく中村ゆり、初音映莉子が魅力発揮。自由プロット追求もやや窮屈感。

国分拓 / ヤノマミ

2010年3月20日初版 日本放送出版協会 NHKの番組制作で150日間アマゾンの奥地の集落に滞在しまとめた傑作ルポルタージュで大宅賞受賞も納得。衝撃的な出産シーンと写真入りでついた離れたの男女関係も詳細に紹介しゴシップ的味付けも入れ文句なしの面白さ。

タカハ劇団 / 完璧な世界

2011年7月13日19:30 ギャラリールデコ4 期待の新作は同人ゲームを制作するチームの混乱を描き、オタク系のむさい男たち強烈。妄想的ブルマ姿の深井順子もミスキャストか。リアル女子の石澤彩美の存在は救いも、得意の社会派のよさ薄れ劇団の勢い低下心配。

UNICORN / Z

2011年5月25日リリース KI/OON Records 再結成後2作目はLA録音でバンドサウンズ全開の格好いいロックアルバムが誕生。奥田×阿部などメンバー共作も機能し、Dキャンベルのアレンジワークもキマって絶妙のサウンド。人気の傑作「デジタルスープ」も収録。

Nibroll / THIS IS WEATHER NEWS

2011年7月3日17:00 シアタートラム 3年ぶり東京公演はあいちトリエンナーレ公演のリメイクで激しい凶暴性。音楽、映像、衣装の連携で持ち味のスタイリッシュさ維持もメッセージ色強めで展開重め。高橋啓祐の映像の冴え抜群で様々な予報の連続に圧巻。

前田司郎 / ガムの起源〜お姉さんとコロンタン

2011年4月25日初版 光文社 辛酸なめ子イラスト使用し「まんがはじめて物語」パロディは前田や前田父登場し不条理世界突入で大成功。残酷な中世ゴルフや地獄創世記楽しく閻魔大王的な人や鬼たち愉快。ジャンヌダルクなオッパイマルダシ魅力的。