2013-01-01から1年間の記事一覧

ミナモザ / 彼らの敵

2013年7月25日19:30 こまばアゴラ劇場 写真家・服部貴康の実体験を元に刺激的に劇世界構築し迫力。インダス川で誘拐された早大生を一方的に断罪した週刊文春の開き直り方怖い。パパラッチ活動した週刊現代の内情もリアリティ。菊池佳南ら複数役演じ迫真。

ヤマザキマリ / テルマエ・ロマエ

2009年12月8日‐2013年7月4日 エンターブレイン 人気タイムスリップ風呂マンガが全6巻で完結。出足の面白さ引きづり何度も時代往来する中盤だれるも、ルシウスが温泉街に留まってからドラマ急展開。古代ローマ研究家ヒロイン、さつき登場で恋愛モード突入が…

あひるなんちゃら / ライクアプラスチック

2013年7月17日20:00 ザ・スズナリ スズナリ進出作は漫画家の日常描く70分で持ち味十分。先生と呼んでもらえない手塚を篠本がトボケた演技よく、思いつき鹿児島ドライブ旅行に付き合う漫画家仲間を宮本奈津美が好演。キキな川村紗也の前説も楽しい。

シベリア少女鉄道 / 遥か遠く同じ空の下で君に贈る声援2013

2013年7月9日20:00 王子小劇場 人気作再演はオチ知りながらも「めぞん一刻」元ネタの筋立て面白さ磨きかかり満足度アップ。暴走女こずえを佐々木幸子好演。悪女響子役で篠塚茜が光り輝く。競馬中継流す喫茶店の雰囲気よくラストのカタルシス抜群。

春日太一 / 仲代達也が語る日本映画黄金時代

2013年2月1日初版 PHP新書 「Voice」連載のロングインタビューが大幅加筆修正。小林正樹、黒澤明、岡本喜八など監督や映画黄金時代の役者のエピソード満載に日本映画史が語られ興奮。俳優座の風土や後輩との関係も興味深く意義深い一冊。

みんな!エスパーだよ!

TV

2013年4月12日-7月5日24:12 テレビ東京 園子温監督による東三河全編ロケは下品度マックスな12回。入江悠も複数回手がけ、染谷将太の青春爆発ドラマに興奮。パンチラ満載にテンガ過去最多登場。マキタスポーツ筆頭に夏帆&真野恵里菜も覚悟の露出で熱演。

バストリオ / グッドバイ

2013年7月4日14:30 SNAC 太宰治作モチーフに変子、行子、怪子、冷子の4人の女性軸に稽古場日記を交えた構成が面白い。何より上手から外側開け放し江東区の商店街も舞台にした点が素晴らしく大成功。珍しげにのぞき見る通行人が最高の脇役。

しりあがり寿 / 絵本「ねつでやすんでいるキミへ」原画展

ART

2013年6月24-29日 GALLERY HOUSE maya 北青山の小さなギャラリーで3月に刊行された新作絵本の原画と描き下ろし小品を集めた展示はホスピタリティも抜群に心地いい空間。いつものへたうまバカ路線をやや封印し作者のやさしさがにじみ出る作品にじんわり。

梅佳代展 UMEKAYO

ART

2013年4月13日-6月23日 東京オペラシティ アートギャラリー 美術館初個展は10年ぶり公開の<女子中学生>シリーズから新作「能登」までたっぷり網羅し笑えて興奮。「うめめ」「男子」などの代表作も大きいプリントで見せて迫力。愛満載の「じいちゃんさま」…

岡崎藝術座 / (飲めない人のための)ブラックコーヒー

2013年6月22日14:00 北品川フリースペース楽間 クリスティ作モチーフに少女誘拐事件を巡り関係者の証言(独白)集積し完成度抜群。薄暗舞台でギミック多用、実験性抜群に攻撃的創作が奏功。ノイズ溢れ痙攣系の不気味な動き満載も稲継&藤井のラケットラリー最…

青☆組 / マリオン

2013年6月19日19:30 こまばアゴラ劇場 趣向を変えて「寿歌」なリアカー引いて登場の一座によるゾウガメのお伽噺でやや退屈感。様々な楽器かき鳴らし旅芸人な雰囲気いいが、筋弱く南太平洋な舞台設定もしっくりせず。やはり畳の舞台で持ち味出ると再確認。

卯月妙子 / 人間仮免中

2012年5月22日初版 新潮社 10年間の沈黙を破っての新作は2p程度のエピソード連作も統合失調症、歩道橋バンジー、闘病生活を素直にリアルに綴り圧倒的傑作。25歳年上の中年男ボビーの男気と恋愛に感涙の嵐。指輪ホテルの裏エピ興味深し。

城山羊の会 / 効率の優先

2013年6月16日15:00 東京芸術劇場 シアターイースト オフィスを舞台にした新作は人間関係複雑に取り繕う様に苦笑、爆笑の嵐。次々に人死ぬ不条理な展開もメタファーというより、あるかもと思わせ怖さ抜群。ラストの社内Hは蛇足でも金子岳憲の困った純愛キャ…

津村記久子 / とにかくうちに帰ります

2012年2月25日初版 新潮社 6つの短編集めたが、4連作の「職場の作法」新鮮で職場の退屈で瑣末な出来事をスケッチし持ち味。続く南米のマイナースケート選手追いかける女のナードぶり圧巻。大雨で帰宅困難状況描く表題作は男性目線にも挑戦。

動物電気 / どっきり!成人式〜オレもお前も〜

2013年6月12日19:30 駅前劇場 20周年公演は驚くほど大盛況。小林健一が帯金ゆかりと夫婦演じ田舎生活。訪問客で国武綾はじけ山口奈緒子は追われる女新鮮。庭に棲みつくニワ役の吉田麻生面白く辻修と絡み楽しいが出番少なく残念。むっちりと合同公演期待。

東京ELECTROCK STAIRS / 東京るるる

2013年6月9日15:00 吉祥寺シアター 今年3本計画の2本目は初期メンバー減り新機軸も泊麻衣子らソロパートも素晴らしく、ガンガン踊る群舞が圧巻。意味ありげも「無駄に過ごしましたね」と言うシュールな展開に笑う。マイク活用よくテンポ速め嬉しい。

子供鉅人 / モータープール

2013年6月7日19:30 アサヒ・アートスクエア 振付に黒田育世を迎えた新作は客席に囲まれた抽象ステージでBATIK色強めの半ダンス作品。黒田の体調不良による降板残念だが、大阪のノスタルジックなエピソード盛り込み、ループし進展しない筋立ても群舞圧巻。

沢木耕太郎 / キャパの十字架

2013年2月15日初版 文藝春秋 Nスペでも特集あったキャパの「崩れ落ちる兵士」の謎に迫る新作は解明に紙幅使い過ぎ残念だが読みやすい章立て嬉しい。ゲルダの魅力、キャパのその後も興味深い。何より筆者のスペインや米国行きが紀行文的面白さ。

ピンク地底人 / ココロに花を

2013年5月31日19:00 王子小劇場 注目集まる京都系劇団新作は俳優たちが作る効果音にオリジナル感じても眠気誘うばかり。何より連続絞殺事件、意識を失った人たちの話がつまらない上に、わかりにくく交錯し逆効果。男優陣中心に演技も単調で厳しい。

ロロ / ミーツ

2013年5月26日14:00 こまばアゴラ劇場 コーヒー缶を夫と思い生きた母と子、その友人軸の物語も展開粗く前半は厳しいが、タクシードライバーのBGM効果的で、ピーターパンナちゃん導入も見事。伊東沙保の母よく終盤見せ場多く缶積み上げる名場面に感涙。

川上未映子 / 愛の夢とか

2013年3月29日初版 講談社 7小説集めた短編集は様々な試み見せながら完成度高め。特に群像と新潮掲載2作が秀逸で、愛する庭を奪われた老女の切ない暴走描くお花畑自身の結末に驚愕。死してなお部屋に残り夫の姿を追う十三月怪談の終盤白眉。

いやむしろわすれて草(作・演出:前田司郎)

2013年5月18日14:00 青山円形劇場 若草物語モチーフの傑作3演はヒロイン三女役で起用の満島ひかりが抜群の演技で圧倒。病院に独り残される場面で地震発生も耐えて凄み。八百屋の父親役で志賀廣太郎が不動の安定感。四姉妹の会話シーン笑い生み成功。

冬川智子 / 深夜0時にこんばんは

2013年4月30日初版 太田出版 深夜ラジオを聴く人たちの日常の悩みを交互に描いて佳作。イラストレーターのカホの地味な片思いがリアル。静岡の中学男子の純情とはがき職人への憧れも微笑ましい。団地の主婦による劇団主宰DJとの思い出上手い。

三条会 / 三人姉妹

2013年5月11日14:00 ザ・スズナリ チェーホフ戯曲初挑戦は透明壁用意し得意の異化演出前面も技に溺れた印象。期待の劇伴も80年代ヒット曲嬉しいが「砂の女」のアニソン的意外感なし。終盤の椅子並べて演出家も登場する場面いいがギミック不足感も。

山田詠美 / ジェントルマン

2011年11月25日初版 講談社 完璧な博愛主義者ながら裏では強姦など犯罪繰り返す漱太郎への夢生の思い軸にインモラルで刺激的エピソード満載に読ませ野間文芸賞も納得。新宿のゲイカルチャー盛り込み、主観と客観の2つの文体使った創作も見事。

渡辺源四郎商店 / オトナの高校演劇祭「修学旅行〜TJ-REMIX Ver.」

2013年5月6日13:00 ザ・スズナリ 沖縄への修学旅行をイラク開戦時の国際関係暗喩に描く畑澤人気作を多田淳之介が見事にリメイク。実年齢読み上げる卒業式から始まる展開流石。工藤由佳子のノミヤ素晴らしい。枕投げで畳めくり焦土となるラスト圧巻。

渡辺源四郎商店 / オトナの高校演劇祭「河童〜はたらく女の人編」

2013年5月5日19:00 ザ・スズナリ 多数の高校生が詰めかけ畑澤の作・演出でリメイクだが大人の役者でOL編に変えても素舞台で陳腐さ目立つ。ベタな笑い多く、クラスの人気者が河童になる展開も料理できず。記号化しないグロテスクなメイクは空振り。

サスペンデッズ / エレノア

2013年5月1日19:30 駅前劇場 ピッコロ提供作のリメイク公演は不動産屋舞台の悲喜劇で抜群の完成度。過去ある社長の新妻をともさと衣が魅力的で昔の男との思い出のダンス場面秀逸。ダメ社員の佐藤銀平笑える。失踪した父語る姉で野々村のん好演。

レミング〜世界の涯まで連れてって〜(作:寺山修司、台本:天野天街、台本・演出:松本雄吉)

2013年5月1日14:00 PARCO劇場 寺山人気作で夢の顔合わせ実現は、ハ嶋智人&片桐仁の小芝居で笑わせる場面も用意しサービス満点。内橋和久の音楽も使い維新派節披露でも屋内で世界観発揮できず半端感。常盤貴子と松重豊は出番抑えめで贅沢な印象。

村上春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

2013年4月15日初版 文藝春秋 鉄道会社に勤める男の過去に色彩持つ4人の仲間から受けた残酷な仕打ちの真相と救済描き流石の小説力。故郷の名古屋離れ東京で暮らす30代独身男の地道な日常描写丁寧で心地いい。仲間と邂逅する展開も味わい抜群。